たろの日記ページ,gooブログ版

http://taro-r.sakura.ne.jp の分家です。一部内容が重複してます。

初音ミクはなぜヒットしてるのか?

2007-10-31 14:16:14 | 音響
初音ミクについては何度か書いてますが,ひとつは初音ミクが不気味の谷の手前の萌えの小山なのか?ということと,音声合成一般の話を書いているのですが,もうひとつ書きます。
気になっていたのが,「どうして初音ミクは売れたのだろう?」ってことです。歌声音声合成が画期的だった…とかいう話,あと,品質が良い…という話はわたしにとってはあまり納得のいく説明ではありません。というのは,一応わたしは音響研究者ですし,自分自身は音声合成はやったことありませんが,その辺の技術動向はしっているので,音声合成の技術…という点だけをみて,ずば抜けてすごい…とは素直に思えないのです。一番疑問なのは初音ミク以前にMEIKOという歌声合成ソフトをはじめとするいくつかのソフトが出ているのですが,どうして初音ミクになって爆発的に売れたのか?ということです。
初音ミクとMEIKOの品質の違いについて,タイムリーにYoutubeにMEIKOとミクに一緒に歌わせているのがあったので聴いてみました。どうでしょう?。MEIKOとミクでミクがはっきりとした品質のあるでしょうか?。
確かにMEIKOのほうが若干フォルマント合成臭さ…というか,鼻が詰まったような感じがありますがミクも部分的には感じます。ミクのほうが歌がうまいというよりも,少しヘタなというか素人臭い感じもして,それが良いといえるかもしれませんが,その微細な差がこの二つのヒットの差を生み出したのでしょうか?。
すなおな印象を書くとそんなことは無いだろうと思います。もちろん,ソフトの使いやすさとかは知りませんし,加工の幅の広さとかも知りませんので,その辺のソフトとしての進化はあるのかもしれません。しかしMEIKOとミクの違いは,ミクはソフト音源としてではなくバーチャルアイドルとして売り出したこと,そして元音源である声優の名前をちゃんと出してきた(声にもその特徴を残した)ことじゃないのか?とわたしは思いました。
もちろんMEIKOにも名前がありキャラクターとして売ってるのかもしれません。しかしミクはパッケージだけかもしれませんが,デスクトップアクセサリーのような立ち絵,そのデザインもアニメ系のデザインです。また製品紹介のページにもプロフィールと書いているように,明らかに擬人化して扱ってます。名前をMEIKOの様にあまり色が無い名前ではなく「初音ミク」という極めてアニオタ(わたしもアニオタですのでこれは卑下してるつもりはありません)のフックになるような名前にしたのも極めて重要だと思います。…といってもこの辺の感覚はやっぱりアニオタじゃないとわからないだろうなぁ…とも思います(^^;)。
あと声優の名前を前面に出したのはかなりの英断で,従来この手のソフト(音声合成)に名前を出すことは声優にそういう色がついてしまい,仕事がなくなる…ということで声優(の事務所)と折り合いがつかない場合が多かったのではないか?という気がします。実際,藤田咲ではなくもっと大物の声優だったら可能だったのでしょうか?。逆にまったくの新人を使ってもフックにならなかったのかも知れません。そして声優の名前を出すことにより,歌手としてのうまさ(楽器性)よりアニメ声臭さを前面に出したのもうまく製品のキャラクターと合ったのでしょう。技術的に考えると,素人臭く歌わせるほうが歌手としてうまく歌わせるより難しい気もするので,そういう意味ではMEIKOより技術的に進んでいるともいえます。
いずれにせよ,わたしの印象では音声合成技術よりはその製品キャラクターの色を明確に出して,そこにはまる市場の方向性が存在していたのが成功の鍵だと思います。音源ソフトを音楽制作者向けではなく,アニメのMADとかを作っているような層に向けてキャラ設定をしたというのが意味画期的だったのかもしれません。
ちなみに音声合成の技術はいくつかのメーカが持ってますが,歌声に関しては,寡聞にもヤマハのVOCALOIDとNTTのワンダーホルンくらいしか知りません。現状楽器として一般ユーザ向にパッケージ販売してるのはVOCALOID系だけだと思いますが,今後の展開はどうなるんだろうなぁ…と思ったりしております。
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岡田斗司夫氏はグルになりたいんじゃないか?

2007-10-28 19:42:28 | 所感
最近ネットで騒ぎになっている岡田斗司夫氏の件は,いまさら説明するまでも無いのですが,後日読むときのためにちょっとだけ書いておくと,50キロというダイエットに成功した岡田氏は,その方法をレコーディングダイエットと称して本を書き大ヒットしてるそうです(ちなみにその方法の一部は旧来からある方法を含んでいます)。その手法を参考にしてはじめた「いいめもダイエット」というサービスに対して,クレームをつけたことにより,クレームをつけた岡田氏がたたかれるという事態になってます。
それに対しての岡田氏自身の弁が発表されました。内容については,引用すると全文しなくてはいけないので,しません。興味があればリンク先を読んでください。
さて,もともとこの話,私ははじめに聞いたときは,単に岡田氏の名前を無断で使用したことによりクレームをつけたのかな…と思ってました。確かにサービスのアイディアに新規性がなくても,岡田氏個人の名前を無断で挙げれば,それに対して何らかの責任が生じてしまうので,辞めて欲しいというのはありでしょう。ところが岡田氏の弁明を読んでいると,どうもそれだけでは無いように読めてきます。
岡田氏が述べているのは,おそらく「自分が言っていることが間違って伝わることが困る」ということでしょう。記録をとってダイエットをすることは「行動修正法」という既存の手法ですが,レコーディングダイエットという名称を岡田氏が命名したのかどうかは私は知りません。しかし岡田氏はレコーディングダイエットの本質は単に記録をつけることだけではないと言っていて,それだけが伝わったりするのが良くないと。もちろんダイエットというものの性格上,間違ったやり方で健康を害する可能性もあるのでそれを危惧するのはわかります。しかし,岡田氏は間違った伝わり方をして「効果が無い」と思われるのも嫌なようです。
ここまでの流れと,あと濱野氏の「情報環境」を読んでいて,「あぁ,岡田氏はグルになりたいんだなぁ」と思いました。ここでいうグルとはコンピュータの達人のグルではなくて,宗教指導者のことです。もっと書くと,なりたいのは教祖かも知れません。
ちょっと書きすぎな感もありますが,誤解が無いように書くと,わたしは「宗教=怪しい」とは考えない人間です。「宗教」にはいいものもあるし,間違って暴走するのもあると思ってるので,宗教自体で良し悪しはわからないし,指導者になりたいことが,怪しいとは思いません。自分の教えを正しく理解して実践して欲しいというのは,対象が広くなれば宗教色が強まります。
さて岡田氏の「いつまでもデブと思うなよ」をわたしは読んでない(目次程度の立ち読みのみ)ので,誤解があるのかもしれませんが,一応,「ぼくたちの洗脳社会」と「フロン」は面白く読みました。デブ…は単なるダイエット本かと思って必要ない自分は読んでないのですが,先日サイエンスサイトークの岡田氏の回を聞いていて,ダイエットの話から,人の価値観の話とかに言ってるのを聞いて,やっぱりこの人は何かミームを撒こうとしてるのだなぁ…と感じました。
「洗脳社会…」は細かい内容はもう忘れましたが,ミームが世界を動かしている様なことを書いてる本だったと思いますし,その後のフロンは男女関係の新しいあり方を提唱してる本でした。フロンを読んだときに,なんかヒッピーカルチャーみたいな考え方を提唱するなぁ…と思ったのです。あれは一種,恋愛と結婚を切り離しましょうという提唱で,確かにあそこで言われたことは,現在壊れている家庭では何かのヒントになるものの,社会全体をそちらに持っていくのにはわたしは無理があると感じました。いや,あれはなんか強者に恋愛が集中するモデルではないか?とも思い…,まぁいいやあんまり書くと下世話になるので止めておきますが(^^;)。まぁあの話を聞いて,それを信じて実践して,成功して「岡田氏はすごい」と思った人は,そんなにいたのかな?という感じでした。
さて,わたしは過去に結構宗教のことに興味を持っていろいろ調べたことがあります。そして10年位前に思っていたことは,宗教を興すには何か大きな奇跡をひとつ起こすのが良い…と言うことです。この考え自体を今でもあってるとは思いませんが,そういうことを若い頃は思ってました。ここでいう奇跡は,人を救済することであれば,なおよいです。フロンで苦しんでいる夫婦を救うことが出来たかはわかりませんが,今回はダイエットです。ダイエットは困っている人がたくさんいます。そしてまず本人が50キロのダイエットという奇跡を起こしてます。彼の言うとおりにやって同じように成功する人がたくさん出てくれば,もしかしたら,岡田氏を信仰する人が出てくるかもしれません。
いやもちろんそんなことを書くと,すべてのダイエット本の著者はグルになりたいのか?ってことになります。まぁそうでもないでしょう。もちろん,これはわたしの漠然とした印象です。間違ってる可能性のほうが高いでしょう。でも,ダイエットの話ということよりも,自分の言ってることを正確に読み取って欲しいという意欲や,ダイエットのみならず人間関係…というより自己イメージの方か?そういうもののあり方へ話を展開するのであれば,やっぱり何かそういうメッセージを人々に埋め込みたい…という意欲を感じます。
まぁもともとありがちな,自己顕示欲とか,話を大きくしすぎるとか,セカイ系みたいな話かもしれませんけどね。
そういうことを感じました。もっとも本人が自覚的にはそう思って無いだろうなぁ…とも思います。だから否定されても,そうですね,としか言えません。
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「温暖化」への懐疑

2007-10-27 18:42:24 | 時事
読んだのはちょっと前ですが…,ネットで「地球温暖化で何か問題でも? (内田樹の研究室)」という文章を見つけました。……まぁなんというか…。どうも真意がわからないのですが,地球温暖化対策でヒステリックになりすぎるな…という意図なのでしょうか?。確かに個人の車の運転とか,マイバックとかがあまり効果がないことはわかってもいるのですが,だからといって,温暖化と二酸化炭素の因果性は証明されてない…といわれてしまうと,ちょっとハハハ…苦笑してしまいます。いや確かに科学的に証明されてないのは確かかもしれませんが,じゃぁ地球温暖化の他の原因が証明されているわけでもないし,いや,地球温暖化なんか起きてないという人もいるけど,それも証明されているわけでもありません。原因が不明な以上,統計的に不確かでも可能性が高そうなものをなんとかしようとするのは科学的態度じゃないのでしょうか?。
いや,まぁ,最近の地球温暖化対策が政治的に利用されているのはなんとなくわかります。そしてわれわれに呼びかけられていることよりも,企業とか国とか大きいところが何とかしないとなんともならないのもわかります。でも二酸化炭素の削減は結局のところ,エネルギー対策やごみ対策につながるわけだし,個々が意識を高めて,企業とかに働きかける風潮を作るのはいいことだと思います。わたしは。
で,もうひとつ最近バイオ燃料の話が盛り上がってるので,その反論として「バイオ燃料は温暖化を止められるか?」みたいな話もよく聞きます。こちらは良くわかりません。確かにいまのバイオ燃料熱は,投機の話が絡んでいたり,国の勢力争いが絡んでいて純粋に温暖化とかエネルギーの話だけではないと思います。ただ化石燃料と比べた場合,たしかに現状は燃料を作る際に無駄があるとしても,方式が洗練されたら,二酸化炭素が出にくい気がするのですがどうでしょう?。実は燃料電池よりも短期的に太陽エネルギーを燃料にしてる分,良いような気がするのは気のせいですか?。あと,バイオ燃料は農業開発に力が入る分,ちょっと良いかな?とも思ってます。
まぁバイオ燃料の件は,もう少し調べないとなんともいえない部分もあるのですが,いずれにせよ地球温暖化対策に対する懐疑論が時々聞こえて,ちょっとどういうことだろう?とは思います。もちろん今の温暖化への危機感はメディアとか政治がしかけてる部分もあるので,それに対して「冷静に考えよう」というのはわかるのですが,いきなり否定的な意見を聞くと,単に大勢と逆のことを言いたいだけではないか?とか何か別の目的があるのか?とも思ってします。
冷静に考えることはいいのだけど,単純に否定してどこにもいけなくなるようでは,気がついたら地球は砂漠になっています。現状の対策と,そしてその効果とか,冷静に見て,しかし何かをやることが大事なのではないかと思います。
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告知

2007-10-23 09:18:49 | 医療・福祉
薬害肝炎の患者を把握のに告知してなかったという問題。舛添さんは直ちに調べるみたいなことを言っていて,あと本人のプライバシーに気をつけて知らせるみたいな話になってます。でも単純に「知りたくない人っていないのだろうか?」と思いました。いきなり知らされて,知らされたことでショックを受けて…知りたくなかった…って思う人いるだろうなぁ…と思います。
実はわたしは10年くらい前か?,親から肝炎の検査を受けたら?といわれたことあって,そのときは治らないし人にうつらない(私は輸血を受けたことがあるので,献血はしないし)のであれば,別に知る必要はない…と言った事があります。その後人間ドックか何かで陰性という結果を見たので,結局そうだったみたいですけど,その後も自ら検査にいこうとはあまり思ってなかったような…。
実はこの辺,自分の理解がなくて,感染していても治療を受ければ,延命効果があるとかいうのだったのかもしれません。実はHIVも感染していても発症前に治療をすれば,通常の人並みに生きられる…ってことをつい最近まで知らなくて,以前はどうせ治らないし,セックスとかしないのであれば,検査してもしょうがないのではない?って思ってました。今は,あまりそう思ってないのだけど,手の施しようがないのであれば不治の病にかかっているなんて知って生活なんかしたくない…というようなことを思ってる人もいるだろなぁ…と思っていたりします。
あと,TVで癌の番組をやってるときに,その辺に歩いている人にインタビューしたら「検査したことありません」とか「自分は癌じゃない」みたいなことをいってる人がいて,この人は自分が癌にはかからないと信じたいのだなぁ…と思いました。それ以外でも調子が悪くても病院に行きたくないとかいう人とかも,結構いるようですが,自分が変な病気だったらどうしよう?と思うとき,「知りたくない」と思う人も多いように思いました。自分は自分の体を調べるのが好きなので,あまりそう思わないのですが…。
というわけで,今回の肝炎の話もいきなり告知とか言ってますが,告知を受けた後にどういうことが待ってるか,説明がされてないので,知りたくない人もいるんじゃないの?とか思ってます。「知る権利」とかいいますが「知りたくない権利」とか言うのはないのでしょうか?。
いや,自分の経験で書きますけど,命にかかわる病気であることを知るのって,結構つらいですよ…。知らないでおくと,周りに迷惑がかかるような病気とか,治療で助かる病気の場合は,もちろんすぐに知らせるべきだと思うけど。
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開国派に狙われる携帯電話ビジネス

2007-10-22 16:32:57 | 時事
大勢の意見がどうなってるのかいまいち良くわからないのですが,最近良く聞く意見として以下のようなものがあります。携帯電話の日本と西洋のビジネスの違いで,日本がキャリアがコントロールしてる。西洋の場合はキャリアは力がそんなになくて,端末メーカが魅力的な端末を自由に出している…というような。結果的に日本の端末メーカは海外での競争力を失っているという様な…。
こういう意見に関してはたとえば池田信夫 blog 「縮んでゆく日本」とかにみられますが,他にもよく聞きます。
あとdankogaiさんの「ケータイ業界52人が語る『戦略』の裏側」の書評はあくまでも書評ですが,やはり日本の場合はキャリアのせいで携帯業界が縮退してるようなことを書いてます。
どうもこういう空気が世の中に広がってるんだろうか?とか思うのですがどうなんでしょう?わたしはキャリアよりの人間なので,キャリア弁護になってしまいます。日本の携帯業界がキャリア主導であるのは間違いありませんが,その結果日本の経済に悪い影響を与えているのか?というと良くわかりません。日本の携帯端末が海外で売れないのは事実でしょうけど,それは現状端末メーカが国内での販売だけでそれなりにやっていけてるから…という気もします。海外で失敗したけど,国内の小さいパイを食べててもそれなりに喰えるからパラダイス鎖国をやっているというのはそうかもしれませんが,では開国したら混乱し,その結果いい時代が来るかどうかはわかりません。日本は過去に開国でいいことがあったので,開国がいいことだと思っているのかもしれませんが,植民地になった国だってあるわけです。太平洋戦争だって負けて混乱が来たけど,その後の繁栄があるのであの敗戦も良かったかもしれないと思うのかも知れませんが,敗戦して苦労した国も多いでしょう。
確かに日本には端末メーカが多くそれゆえに競争力が下がってるのかもしれません。しかし,これは携帯電話に限った話ではなく,たいていの大手メーカはたくさんの事業に手を出してます。また提携とかも起きてますが,ソフトランディングをしている途中なのかもしれません。
わたしのかってな思い込みですが,まぁ人が勝手にグダグダ言ってるだけならいいんですけど,どうもこういう開国論やビジネス再編論を聞くと,こういう混乱に乗じて自分にもビジネスチャンスを…と言ってるようにも見えます。社会の良し悪しを論じているようで,実際は個々の受益の立場で述べてるだけではないか?という気もします。
いままでも構造改革的なことを述べられたことはいろいろあって,固定電話の解放の話もそうだし,いまだと郵政でしょうか?。建設業界の話はあまり知りませんが,そちらもいろいろあったように思います。でも,一通り騒がれた後に社会全体的にはなにも変わってない気がします。もちろん,その業界で一発当てて大金持ちになった人たちはいるんでしょうが:-p。
もちろん,現在の日本でもいろいろと雇用とか社会保障の問題があるので,それを何とかしないといけないというがあるとは思います。ですが,それを混乱をもって行うべきか?というと少々疑問に思います。
壊せば良いものが出来上がるとは…そんなに確実なものなんでしょうか?。
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仕事(とか研究とか)に必要な能力

2007-10-16 22:30:21 | 所感
ちょっと仕事で古い文献をあたっていて,とあるところで,昭和20年代の技術資料とかを読んでました。20年代の文書とかいうと,本になったものは古書としてみたことありますが,内部資料みたいの(学校とか業界とかに保管されてるもの?)はあまり普段はみたことありませんでした。
結構感動したのが写植じゃなくて手書き…といっても肉筆じゃないからおそらくガリ版とか青焼きとか良くわからないけど,そういうものでしょう。そして100ページ以上あったりしました。
わたしも仕事とか他でも長い技術文章を書くことはありますが,もちろんいまはワープロ(パソコン)ですが,それにしても100ページ,まぁ手書きなのでワープロにすると50ページくらいなのかもしれませんが,そういうものを書いたことはありません。というか手書きで10ページ以上の文書も…もう大学卒業以来書いていない気がします。内容云々以前に,どれだけの労力が必要なんだろうとか思ってしまいました。
内容も,なんか教科書みたいというか…。数式が結構あって,基礎理論の本のように見えます。もっとも本当に基礎理論なのかは詳細に読まないとわからないのですが,なんかいまだとプロトコルを書いたり,アルゴリズムを書いたり,するところを数式で表現してるのだろうか?とかとも思いました。
正直に書くと,どうもいまの研究者とは人種が違うなぁ…って思うくらいでしたが(^^;),当時の研究者にはこれくらいが当然だったのでしょう。というか基礎的な能力だったんでしょうね。手書きで100ページくらいの文書がすらすら書けたり,数式でいいたいことを表現出来たりとか…。まぁ逆にいまの人たちはコンピュータとかを使ったり,その上で物事を考えたり表現できるわけなので,どっちがどっちというわけでもないのですが,なんかすごいなぁ…と思ったのでした。こういう人たちだから,昔学生時代に読んでいたような教科書を書けたのか…とかそういうこと感じました。
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癌が増えてる?

2007-10-14 09:38:45 | 医療・福祉
最近病気関係の話としてよく聞くのがガンが増えてるとかいう話です。増えてるんだ。なぜだろう?とずっと思ってるのですが,よくわかりません。
ただ,ひとつ思うのは癌以外の病気が死因として減ってるからじゃないか,というのは間違いでしょうか?。わたしは専門家じゃありませんが,癌は厄介な病気で,ある程度進行してしまうとなかなか助からない。癌の原発(どこに出来たか)によっては結構な延命が可能な場合もありますが,そうじゃない癌もあります。ですから,医療の発達により他の病気が死因として減ってくると相対的に癌が増えます。
わたしの思い込みかもしれませんが,癌は人間の細胞分裂のエラーの様な物で,人間の体内では常に細胞が新たに生まれてますが,それに失敗して制御不可能で,無限に増殖する細胞が出来ればそれは癌です。そしてエラーである以上,ある程度その細胞が生まれる可能性はあります。しかし若いときはエラーが少なかったり免疫系がその細胞を駆逐してくれたりしますが,歳を取るとそうもいかなくなってしまう。ですから,極論をいうと癌は老化の一種なのかもしれません。
近代化以前の日本では,人間の死因は肺炎や消化器系の病気が多かったそうです。衛生上の問題や薬の未発達のせいで感染症とかが致命的だったのでしょう。特に冬場は年寄りが肺炎で,夏場はお腹を壊して死ぬことが多かったそうです。しかしその辺の病気は医療の発達でかかっても致命傷じゃなくなりました。最近はHIVに感染しても通常の寿命くらい生きられるそうです。
そうなってくると,最後に厄介な死因として残ったのが癌でしょう。歳を取ると癌は増えてきますから,長生きになればなるほど癌で死ぬ人は増えるように思います。
そうなると気になるのは「癌が増えている」というのは,高齢者の癌が増えているのか?それとも若い人にも広がっているのか?ということです。その辺を明確に示した資料を見たことがありません。癌は若年化してるのですか?。
ただ一方でこのallaboutの記事を見ると授乳期が減ってるという理由で乳がんが増えてると書いてます。こういうのを見ると癌が若い(中年)にも増えてるとも取れます。
一方で,最近は病院の診断によって癌が悪化する前に見つかり,手術後完治(寛解)するケースも多いようです。以前だと癌だとわからなかった人が癌と診断されてるケーるもあるのではないでしょうか?。どれくらいの割合なのか知りませんが,癌の中には癌かどうか切ってみないとわからない…だけではなく,切って病理検査しても100%確証が持てないものもあります。もしかしたら発見されずほっておいたら,そのままで寿命を全うしてしまった…というケースが昔はあったのかもしれません。
じゃぁ癌の疑いがあった場合も,実は癌じゃなくほっておいても助かるケースがどれくらいあるのか?というと,これはわかりません。少なくともガンが自然治癒しないというのは事実だと思います。きらないとわからない癌でも癌じゃないと信じてほっておくというのは,癌という病気の性格上とても危険な考え方だと思います。もしほっておいて進行してから切ってもぜんぜん間に合いません。自分の中に腫瘍があった場合,「切らなかったら実は癌で死ぬ」のと「切ったら実は癌じゃなかったので,痛い思いをしただけだった」のとどっちが得かということでしょうか?。個人的には,どっちかわからない状態で何年も過ごす…というのはこの歳では嫌ですけどね。もっと歳を取ったらわかりませんが…。
というわけで,一般に癌が増えているとか,そのためにいろいろすべきであるという論調を否定するつもりは無く,実は大いに肯定してるのですが,単なる興味として若年化が進んでいるのか?という疑問を持ちました…という話。でも増えてるという割には抗がん剤の承認は相変わらず進んでいるように見えなくて,予防とか早期発見も大事だけど,癌にかかった人にもちゃんと治療の可能性を増やしてくださいよ…と厚労省にはお願いしたいと思います。
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郵政民営化

2007-10-03 09:49:56 | 時事
テレビニュースでは盛んに取り上げていますが,一昨日から郵政公社が民営化しました。日本郵政グループ(JP)だそうです。
TVでは賞賛してるかと思いきやほとんどネガティブ…じゃないのですが,何かを危惧する様なことばかりいってるのがちょっと意外です。郵便局が減るのではないかとか,集配が遅くなるのではないか?とか。じゃぁ良くなることはないのか?と思うのが普通のような気がしますが,いわないところを見るといい事はないのでしょうか?。そんなことは無いのではないでしょうか?。たぶん良いことも悪いこともあるはずです。そしてそれを並べてみないと民営化が良かったのかは判断できません。
もっとも民営化が本当にいいことか悪いことかは,今すぐに判断できることではないでしょう。
民営化というと,わたしは自分の業種のことから,電電公社の民営化を思い出します。もちろん…というか,わたしは電電公社がNTTになったときまだ学生でしたので,その瞬間がどうであったのかはほとんど知りません。しかしそれから5年ほどちょっと経って,通信業界に入って思ったのは,当時の民営化はイコール独占の開放で,価格競争による長距離電話の値下げ競争でした。当時はまだインターネットなど言葉すら生まれてないし,携帯電話も業務用しかない時代でしたが,そのうち携帯電話が生まれ,インターネットもモデム,ISDN,そしてADSLになってから競争はこちらに主軸が移り,いまや長距離電話の価格競争などはだれも話題にしません。
20年以上たった現在から通信の民営化を見返すと,あれが失敗だったという普通の人はほとんどいないように思います。しかし,中にいた当事者,つまり職員…,後の社員たちは,結構民営化は嫌だったのでは無いでしょうか?。NTTは後に分割されますが,当時組合は反対していた様に思います。電話局の数も大幅に減り,各サービスも本体ではなく,委託業者により行われたりしている現状を見ると郵政民営化で危惧されていることは,すでに通信の世界ではずいぶん前から起きている気がしますが,こちらに関しては,あまり非を唱える人がいないのは不思議です。
さて通信の民営化の話を書きましたが,もちろん郵政とは違う部分も多くあります。郵政は通信と違いすでに,配達業でも,金融業でも競合の民間企業が存在しており,民営化がイコール独占の解放ではありません。競争の促進というよりは,郵政自体の効率化や利益追従とか株売却により国が資金を得るとか,そういう効果のほうが主なのかもしれません。いやwikipediaでの郵政民営化の項を観ると郵貯,簡保の資金を民間に流すのが主たる目的の様でもあります(その割には報道は,この効果について,この時期には全然語ってませんけど…)。しかしそれらが結果的にどういうことを起こすかは利用者である消費者は,いまのところ良くわからない気もします。
個人的には郵政の民営化はどちらでも良かったというのが本音です。でも中の人は大変だったろうなぁ…と同情も感じました。だから反対する人がいるのもわかります。でも消費者にとって良いことか悪いことかというと,正直どちらもあるので,結果的にどちらともいえないのだろうと思います。少なくとも10年くらい見ないと,民営化が何をもたらすのかはわからない。少なくともいまは見守りたいと思います。
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