たろの日記ページ,gooブログ版

http://taro-r.sakura.ne.jp の分家です。一部内容が重複してます。

DAT

2005-11-30 13:42:57 | 音響
偶然にも昨日に引き続きソニーネタ…。
ソニーがDAT製品の販売を来月上旬に終了するらしい…。あと半月しかないのですが…。職場で「みんなぁー大変だぞー」ってアナウンスしたら,あまり反応無し(^^;)…。いいんすか?…。わたしとか結構過去のデモテープDATで持ってたりするんですが…。まぁでも今持ってるレコーダ壊れてないからいいか(^^;)…。
考えてみたらずいぶん早い引きあげです。無くなったメディアって昨日挙げたβやNT(って知ってる人殆んどいないとおもうけど)以外にもLカセットとか8トラとかずいぶんあるんですが,一方で普通のカセットテープがいまだに録音機ともども売っていることを考えるとずいぶん息が長いな…とか,まぁそれだけ普及してるし…とか思ったりもしますが…。DATは多分βに比べると普及してないと言えばしてないか…。うーん。

以下DATに関する思い出を…。
DATが出てきたのはわたしが大学生の頃。ちなみに当初わたしは「ディ・エイ・ティー」と読んでましたが,松下の偉いエンジニアの人が「ダット」と読んでいるのを聞いて以来「ダット」と呼ぶようになりました(^^;)…。当時はまだカセットがメタルとかで音質競争をしていて,CDが出たばっかりMDは見る陰もない…時代ということで,当然DATは次世代の高音質カセットテープと思われたのでした:-)。
が…,CDからディジタルダビングができる…ということから,おそらく業界の中でギクシャク…(この体質は今でも変わってなくて,いい加減何とかしろよ…と言いたいところですが…)したためにあまり扱うメーカが増えず,また機構が複雑なせいかあまり低価格化もせず,一般のユーザには広がりませんでした。が,その後MDが出てきたにも係わらずいわゆる非圧縮のPCM録音ができるメディアは(昔はVHSに録音するとかありましたが)DATのみになりそれゆえに業務用や研究用にはずっと使われていたわけです。
ですが,MDはともかくその後のMP3プレーヤやPCサウンドカードでの録音…とかが広まってくるとますますDATの需要は落ち込んでいるのか,そろそろ無くなるだろう…っていううわさ…というか話は数年前に出てきてました。……またまた余談ですが,最近の若いリスナーは音楽を録音するって感覚持ってますか?…。どうもコピーするっていう感覚になってる気がしますが…。
わたしの業務の話になると圧縮された音源など研究には使えないので,DATは依然使用してましたが,確かにPCに非圧縮で録音できる様になってきたこと,それと作った音をCDに直接焼いて持ち歩けることなどからDATの利用状況は徐々に減っていきました。正直いうといま仕事ではフォステクスのFR-2を使っていてDATの必要性はあまり感じないものの…FR-2がDATウォークマンほどの使い勝手がいいかというと多少の不満もあります。まぁ今後メモリーレコーダにこの手のものは移って行くのはわかってますが,まだまだ製品自体が枯れておらず,そういう意味ではもう二,三世代メモリーレコーダが変わるまで待って欲しかったです。ソニー以外のDATレコーダは残るのかも知れませんが,テープの供給とか規格の牽引役とかがいなくなれば廃れるのは目に見えてますし…。
ちなみにソニーさんは先日PCM-D1を発表。DATじゃなくてこっちを買ってくれ…と言いたいのでしょうが,こういう生録に特化したモデルじゃないのが欲しいので,まだ種類が増えるの待ちます。
でもメモリーレコーダを見てると既にメディアの規格とか関係ない…要はPCにコピーできればいいわけでFATフォーマットのメディアかもしくはPCに繋げられるってことだけが重要な感じがします。つまりメディア規格競争は少なくともオーディオにとってはここで終結…,あとはファイルフォーマット,圧縮方式等の戦争になったのだなぁ…と思うと,今はちょっとした歴史の転換点って事なんだと…思いました。
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ソニー

2005-11-29 12:48:18 | 時事
音楽配信メモさんがソニーへの想いを書いているのを読んでいて…,わたしが最初にかってもらったラジカセはソニーだったなぁ…とか,(レコーディング)ウォークマン買ったよなぁ…というわけで,わたしはどちらかというと結構最初からソニーばっかり買ってたなぁ…と。別に金銭的に余裕があったわけじゃなく,わたしはものを買うときに妥協して買うことが出来ない性格なので,お金がたまるまで我慢していたのです。そういえばバイクとか車とかも欲しいのしか買ってないものなぁ…。
ソニーって華々しい…っていう印象もありますが,βはともかくNTとかの様に独自規格をぶち挙げてつぶしてしまっているケースって結構あるんですよね…。NEWSとかもあったしなぁ…。
VAIOはNEWSチームが結構係わっていると聞いて,そういう意味じゃネットワークウォークマンで経験した失敗が将来またiPodに対抗しうる何かを作り出す可能性もアルといえばあるわけで…。
個人的には日本のメーカはメモリープレーヤのマザーマシンはPCじゃなくてセットトップボックスというかそういう専用器でつくった方がいいと思います。それは上にも書いたけど,パソコンが必須なオーディオ機器ってどうよ?…と思うからです。もしくはソニーだったらPS2みたいなゲーム機とか…。日本の場合外国製のOS上でやろうとする限り,結局はうまいところ持っていかれるので,そういうことが大事かなぁ…と思います。

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暴動と革命

2005-11-25 16:22:28 | 時事
ちょっと下書を書いてから数日経ったので既に状況は変わってるのかも知れませんが…。
下に「下流社会」という本の感想を書いて…そこにも同じようなことを書いてますが…。

週末のニュースでフランスの暴動の話が出なくなりましたが,よくよく調べると「『暴動は沈静化』と仏警察」とのことで,収まってきてるようです。それはそれで良いことですが,なにか根本的な問題は解決されたのでしょうか?。暴れた人を捕まえたから?…。
今回の暴動の原因としてフランスに500万人だっけ?…それくらいいる移民が良い生活を享受できてなくて…って話があって,500万人というのはほぼフランスの人口の一割とのこと。
「一割か…」と思いました。ではそれ以外の9割の人はどうなんでしょう?。まぁ全部がとは言わないまでも7割とか8割とかの人が今のフランスの社会に特に不満を持っていなければ,一割というのは結構数は多いと思いますがマイノリティに違いありません。ですから彼らが暴動を起こしても暴動となるわけです。
これが仮に4割とかいたらどうなるのでしょうか?。4割がまとまるとかなり大きいです。下手をすると国が分裂するでしょう。もしくは国自体の体制が変わる可能性もあります。
なぜこういうことを考えたかというとフランスは革命の国ですが一割だと革命にはならないなぁ…と思ったのでした。ではどれくらいの人が一致団結したら…国の体制が変わるのだろうと?…。フランス革命の前は明らかに現状がいいと思ってる勢力(貴族)と不満がある勢力(市民)で後者の数が多くなってしまった事が革命が成功した多くの要因でしょう。たとえ不満がある勢力が国の中にいても,それが数が少なかったり,バラバラで団結してなかったらなかなか国は変わりません。かっては一部の権力者が数多くの国民から搾取してましたから,国家は不安定でしたが,現状のように,多くの国民にそこそこの生活を与えていれば,好き好んで国家を不安定にするような自体は起こさないと思います。
さて…,こうなるとちょっと大丈夫かな?…と思うのが中国…。中国は貧富の二極化が極端に進んでますが,人数比はどれくらいなのでしょうか?…。貧しい人が遥かに多い気がするのですが,それは国家として大丈夫か?…という気がします。北朝鮮はもっとですが…。
で,日本はというと貧富の差が広がっているとは言いながら,中国とかに比べればかわいいもので,貧しい人でもTVを見たりパソコンを触ることくらいは可能です。ただ現在日本人は貧しい人達を束ねるという概念が殆んど存在していないため,仮にその貧しさが進んでも暴動を起こすような勢力になるにはまだまだ段階が足りないと思います。ただし,下流社会とか希望格差…という言葉を聞くと…その束ねる概念が徐々に生まれてきているわけで,ある日それが一つの大きな勢力になるのかならないのか?…なったら何が起るのか?…,などと考えると,大丈夫かな?…と少し不安になることもあります。
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下流社会~新たな階層集団の出現 (三浦展著)

2005-11-21 16:24:46 | 書評
大変売れている本らしい。もっとも最近はこの手の社会の不平等というか二極化というか一億総中流の崩壊とか,その手のことを書かれた本は結構出ていてそれなりに売れているようです。つまり社会的な関心が高いということでしょう。実際にフリーターやニート,ホームレス…などTVでもしょっちゅう話題に挙がってます。
もっともこの本,どこか学会で発表するような社会学者がなんか眉唾ぎみなコメントを書いてるのを読んだ気がするので,学術的に正しいことを書いているかどうかはわかりません。実際に読んでみるといろんな調査の数字を挙げて論を展開していますが,どうもわたしにはその数字が有意差があるような数字に見えない場合もあったり,あと都合がいいところばかり取り上げてるので,逆の説明が出来ないか良くわからないところもあります。
この本がやってることをひとことで書くとレッテル貼りだと言えるでしょう。日本人を幾つかのグループにわけ,それにレッテルを貼っています。しかし先に書いたようにデータの見せ方に疑問があるにしても,そのレッテル貼りはすっとわたしの中に入ってきました。ということはここに書かれていることは「物語り」として優れているか,普段わたしが考えていることに近いということでしょう。
ちなみに何が書かれているかというとタイトルから想像できるように,日本人の多くが現在,そして未来下流化していくと,一部の金持ちと多くの下流という風に二極化するということを書いてます。もっとも下流といっても食べるのに困るような生活ではなく,インターネットやTVゲームのようなものは持っている,ただ仕事に関して上向きな希望はないし,結婚できるかも結構危ぶまれる様な層とのことです。上向きではないがそこそこ幸せでいいのではないか?…それともこのままいくと大変なことになるのか?…についてはこの本では明言はされてません。ただ幾つかのグループの嗜好や考え方を考えて取り上げているだけです。
もう一度書きますが,ここに書かれているレッテルが正しいのかは現時点ではわかりません。ただし物語りとして良く出来ているとは感じました。問題はこういうのが事実であろうとなかろうと,物語りとして良くできていれば,こういう考え方が世間にどんどん広まっていく可能性はあります。そうすると人々の意識自体がそういう風になってしまいます。そうして自分がどのレッテルに所属しているかを明確に意識する様になりそうなるとそのグループ間の対立が起きるかも知れません。そういう意味で言うと日本で暴動やテロが起きないのは現在日本人がグルーピングされていないからであり,こういうグループ意識が高まることが果たしていいのかというと,少し疑問に感じるところです。
ところで,著者は男性の場合「ヤングエグゼクティブ系」「ロハス系」「SPA!系」「フリーター系」に分けてます。わたしの場合ロハス系なんだろうか?…と思いましたがSPA!もたまに立ち読みするんだよなぁ,サブカル好きだし(笑)。
わたしは自分が何流かと問われるとおそらく「中の上」と答えると思います。こういう自分が読んだ感想は上記の通りです。現在増えているといわれる中の下を意識している人がこの本を読んだときにどう思うのかはわかりません。
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バッシング

2005-11-19 06:55:05 | 時事
紅白の司会にみのもんたっていうのを聞いて,なんとなくカラーじゃないなぁ…と思いました。が,もしかしてNHKバッシングを減らすためか?…と思った私はひねくれ過ぎですか?。
NHKに番組持っていたら,他の局の番組でも露骨にNHK批判はしずらいですからね:-p。もっともみのもんたもフリーだから表だってNHKバッシングしてませんけど。だいたい露骨に非難するのは民放の局アナが多いか…。
みのもんたに限らずTVとかで庶民の味方の様なふりをしている人が結構金持ちだったりプライドが高かったりするので,「なんだかなぁ」って思うことは多いです。

もう一つ別の話…。
SONY BMGがバッシングされているって話。
ソニーと言っても日本のソニーレコードじゃなくて,アメリカのソニーの話です。ここに書かれているように槍玉に上がっている…って気はします。スパイウェアとは
言わないまでも使うと勝手にソフトをインストールされるっていうのはソニー,マイクロソフトに限らずわりとある話ではあるので…。といってそれがいいというつもりもありませんが:-p。
ソニーはウォークマン市場をiPodにまんまと持っていかれた…っていう意味じゃ…,結構いろんな意味で辛いかもね…と。物凄く急激にブランドイメージが落ちている気がしないでもありません。まぁVAIOとかアイボとかが話題になっていたときに,少し無理をしてる気がしてる…というか,実際の技術や将来性を過大評価されてる…という気はしたので,いつか転落するかもなぁ…とは思ってました。大丈夫かなぁ…。もっと転落する気がしないでも…。
いったん叩かれる側に回ると課題に叩かれるわけで,NHKにしてもソニーにしてもそしてJAL(今日飛行機に乗ったので)にしても叩かれ始める大変だなぁ…と思うのです。
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りびどー

2005-11-14 10:08:04 | 時事
高一の女子高校生が男子高校生に殺されたという話,全くわたしには無関係な話でどうでも良かったのですが,テリー伊藤がまるで観てきたかの様にその男子の心情を語っていたのが可笑しかったです。ただ他のコメンテータがまるで理解できない事件という風に語ってるのに対し,伊藤氏が「あの年頃の男子って頭の中は異性のことが100%なんです」と熱く語ってること自体は好感を持ちました:-)。
確かにそう,この歳になるとあの頃いかに本能につき動かされていたかというのを実感します(^^;)…。チンチンで物事考えていた…とは言いませんが…,突き詰めればそういう事なんでしょう。スポーツ頑張る,勉強頑張る,アート頑張る…とかまぁいろいろ若い頃は頑張りますが…アイデンティティの確立,親離れ…という面と,異性へのアピールと完全に切り放せない気がしますがそういうものが強い時期です。というかアイデンティティも結局そのためだ…と言われてもそうかも…という感じかも。
ついでに書くと女性の場合,もうちょっと歳を取ってからそういう状態になるような気がします。もっとも男女いずれにせよこういう事はミームの影響を受けている可能性もあって,正確に把握することは不可能なんですが…。
まぁ話がそれましたが,テリー伊藤って「あんたがそういうか?」…と思うこともあるけど,今回みたいなのを聞くと,やっぱり必要なコメンテータなんだなぁ…とちょっと思いました。それより「自分には理解できない」自分を安全なところにおいて情報量が無いコメントする連中の方が,「なにも解説できないなら出るな」といいたいくらいです:-p。まぁテリー伊藤はもともと番組制作者だしなぁ…。そういう人の欲望には敏感なんでしょうけど。
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上流社会下流社会

2005-11-12 11:12:27 | 時事
フランスの暴動の件…今一つ良くわかりません。「大変だ」という話も聞くし「でも一般市民は普通にしてる」と言う話も聞きます。実際に向うに住んでいる人の日記はないのか?…と回ってるといくつかありました。そこではてなのkanacさんの日記とかを読むと,暴動の話よりもフランスの階級社会の話とかの方がむしろ興味深いです。そこでリンクされている内田樹さんの言及とかも興味深いです。
こっからいきなり日本の話に飛ぶのですが…,今日紀伊國屋のWebをみていたら和書のディリーベストに「下流社会」と「日本の不平等」がランクインしていて,つまり日本でもこういう不平等化…というかまぁそういう事への関心が高まっているのだと思います。
まぁちょっと意図的に話をごっちゃにしてるのですが,今日本で格差が…って話は基本的にアメリカ型の自由経済というか自己責任というか小さい政府というかそういう自由競争で買ったやつは金持ちになるけど負けたやつはとことん報われなくなる…って話で,フランスとかの家柄…による階級とは話が違います。ただ日本にも海外からの労働者はいるし,あまり見えにくいけどやっぱり家柄…っていうのはあって,今日も会社の同僚と飲んでいたのですが,子供の頃から私立の学校に行き,結果的に大企業の社員になっていたり,役人になっている人は多いように思います。
まぁフランスのように移民は受け入れるけどしっかり中に壁はあるよ…というのもひとつの国家モデルでしょうし,日本のようになかなか移民は受け入れませんっていうのもひとつのモデルでしょう。まぁそういう中で海外からの労働者という問題は日本にもあるものの日本人の中での自由競争で経済格差が生まれているという現状は果たして本当に望むべき国家モデルなのか?…っていう辺りが挙げたような本が売れているって事なんだろうなぁ…と思います。
つまりやっぱり日本人はやさしくて…というわけじゃなくて明日はわが身ってことでしょうけど,まぁ負け組のことも結構気にかけてる…ってことなんでしょう。ただこれがまだこういう本レベルというか世論としてもまだ小さい気がします。政策は相変わらず小さな国家路線で…野党の中にも福祉国家モデルを提唱する人はいないのだよなぁ…。
あっフランスの話からは大きく話がずれてしまいました(^^;)…。ちょっとこの辺の事情は日本と単純には比べられないのでしょうけど,日本人はやたらとアメリカとかヨーロッパをモデルにしたがるので,こういう側面があることはやっぱり知ってないといけないな…と思います。
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脳のなかの幽霊,ふたたび~見えてきた心のしくみ (V.S.ラマチャンドラン著)

2005-11-10 14:04:28 | 書評
週末にあった録画していたNHK BSの海外のドキュメンタリーを見ていたら,ラマチャンドランが出てきてびっくり。丁度会社で昨日その話をしていたので…。
というわけで,その番組で取り上げていた話題はわたしが先月読んだ本とダブるので,他のところに挙げていた,その本の書評をこっちにもコピーしておきます…。というわけで…。

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ラマチャンドランというと「脳の中の幽霊」という本を以前読みました。物凄くおもしろくいろいろと勉強になりました。前著は結構前の本なのに今年になってなぜかTVとかで取り上げられていてちょっと驚いたのですが,…で今回の本…。前著が話題になったせいか,まるで続編のようなタイトルがついてますが原題はThe Emerging Mindつまり「見えてきた心のしくみ」の方が原題に近いです。
この本はあるところでした講演の書き起こしらしいです。そのせいでかなりわかりやすい内容になっていると思いますが(後述),本人が最初に述べているように概論ではなく取り上げた幾つかの事象を深く考察してるのでかなり深い内容にもなってます。
つまるところ先に書いた茂木氏の「脳と創造性」と同じように脳科学の視点から哲学的疑問について語れていて,さらにラマチャンドラン氏は臨床医師ですので,例が具体的でかなりおもしろいです。脳のある部分に障害が起きてその結果いろんな認識,特に自己の認識等に変化が起きた例を挙げていろいろ自己とかアート(人間が感じる芸術の要素の分析は芸術好き人間のわたしにとってはかなりおもしろいです)とかいろんな事を考察してます。
深くてあまり具体的にわたしは書けないので,こういうことに興味がある人は是非読んで頂きたいのですが,いずれにせよ印象的なのは,こういう思考のしくみを説き明かすことが,あたかも「本当の心」が無くなることだと思いがちな風潮があるのですが,ラマチャンドラン氏にしても先述の茂木氏にしてもしくみがわかったからといって本物じゃなくなるわけじゃない…という指向なのが強く共感を受けます。別に人間が人間の心が大事なのは神秘だからじゃなくそれ自体が真実だからです(著者は中で「心のしくみが解明されて外から観察できるようになったら,『気持ちが単なる化学反応』というのではなく『実際に起きていること』という風に捕らえられるべきだ」というようなことを書いてます)。
そういう意味じゃこの本の範囲ではありませんが,人間が物質や単なる動物だとしても人の命が尊いものであることには違いありません。科学がどうも逆のように解釈している人が増えてる気がして,そう危惧をわたしは感じます。
ちょっと話がそれましたが,とにかくおもしろいです。ひとつだけちょっと苦言を書くと元々講演を記述した割りには,ちょっとわかりにくいところがあります。これは訳の問題じゃないのかなぁ…と思うのですが…,どうなんでしょう?。
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サイボーグ技術

2005-11-10 13:59:15 | 所感
週末から月曜にかけて録画したNHKスペシャルを消化中。昨日はサイボーグ技術の話を朝から夜にかけて視聴(朝起きてみたのですが,会社にいく時間になったので続きは夜観たの意)。
おもしろかったです。要は体の一部を無くした人,もともと障害がある人の機能代行を機械にやらせるという話ですが,神経や脳に直接電極を打ち込んでやるやり方の紹介。人間の脳はもともと一部を無くしても他の部分がそれを代行するだけの寛容性というか,順応性があるので,電極が元々の場所と多少ずれていても,人間の方が合わせてしまう…というのは容易に想像できます。というわけで,わりとうまくいってる例ばかりを紹介してました。
ただ一方でこういうのを観て,それも「すばらしい技術」みたいな紹介方をされると,一方でリスクはどれくらいあるのだろうか?とか考えます。腕の神経とかから電極を取り出している人は,まぁ何かあっても多少は大丈夫な気がしますが,脳に打ち込んでいる人とかは事故が起きた例は無いのでしょうか?。水を指すようで申し訳ないのですが,かってロボトミー手術が通常の手術として行われていた例とかを見ると,未来から見るととても野蛮なことをしていた…と思われることもあるのかも知れない…と思ってしまいました。まぁ今生きていくのが困難な人が受けるのがほとんどなので,現状仕方ない…という事なのでしょうけど…。
そういう意味でいうとそういう機能代行はともかく,体の能力アップとか制御のためにも使えるというような言い方もしてましたが,そちらの方にはちょっと慎重な気分になってしまいます。こういうことを思うのは保守的なのかなぁ…。
とはいえ,研究者としては非常におもしろそうだというのは事実で,5年前にはほとんど誰もやってなかったのが爆発的に増えてるというのは,やることがたくさんあるわけで,羨ましい限りです。…というか「おもしろそう」と感じてしまう自分がいるので,「人の体いじるのにおもしろいというモチベーションでやって良いのか?」という迷いが生じているというか…。
以下…見ていて思ったことを脈絡無く…。
人工内耳をつけた少年が,まったく普通の人と同じように喋っているのに驚きました。24個の電極…ってことはBark(臨界帯域)ですかね?…。それだけで十分な情報量がとれるって事はむしろ時間パターンの方が重要なのか?…等と思ったり。
5年前に誰もいなかった…って事はどういう分野の人がこの分野に参入したんだろうなぁ…とか思ったり…。わたしは音響屋だけど,今だったらバイオとか医療とか物性とか…そういう風に進んでいたらもっとおもしろかっただろうなぁ…と常々思っているので,そういうところって気になります。個人的なたわごとですが,これからはもう情報処理じゃないような気がします:-p。
という感じで…。ちょっと一回の番組でやるにはもったいない内容だったなぁ…とも思ったりも…。
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杉村太蔵氏

2005-11-09 11:44:12 | 時事
杉村太蔵氏が意見交換会を開催という話。こういう試みはすなおに評価したいのですが,参加資格が書かれてないって事は,実際は誰が来るかわからないのですかね?。一応「ニート・フリーターの声を聞きたい」と書かれてますが,大丈夫なんだろうか?…とか思ったりも…。
それから,みて思ったのは,ニート・フリーターと言ってもブログにアクセスできる人だよなぁ…ということ。ディジタルデバイド…っていうのは年代じゃなくて経済格差でもありそうな気がするけど…。つまりここで意見を求められてる人らは,定職はないもののネットにアクセスするくらいの水準の暮らしをしている人…ってことになるのかな…とか思ったりもしました。
すんません。ちょっと皮肉ってしまいました。まぁなにはともあれやってみないとわからないことなので,頑張ってくださいとは応援します。マスコミ取材押し掛けてきて潰されません様に…。
ところで女性でもニートというんですかね?。昔は家事手伝い…と言っていた気がしますが…。
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