先週,首都高で金沢区あたりを走っていたら巨大な風車が見えました。大きいなぁと思って調べたら,110m以上あるとのこと。風力発電というと,10年くらい前から話題になって,日本でも何カ所かに出来てます。わたしの実家からも天気が良ければ
阿蘇の風力発電所が見えたりします。
さて,ちょっと前に
北海道の風力発電が収入では修理費をまかなえないので停止するというニュースを見てました。…と思ったら
読売は再度同じニュースを取り上げてますが,なにか風力はダメとでも強調したいのですかね?。
風力発電が日本で話題になった頃,わたしは幾つか懸念がありました。一つは黒字運営出来るのだろうか?ということ,次に,騒音や振動など周囲への環境の影響はどうなのだろう?ということ,台風などの災害時に壊れないのだろうか?とういこと,そして,この建設の利益はどこにいくのだろう?…ということです。
北海道の件は維持費(修理費)を含めると黒字にならなかった…ということになります。黒字を出せないような発電器を無理に維持する必要な無いから,停止すること自体は反対ではないのですが,これで風力発電はダメ…という印象になってしまうとどうかな?…と思います。この様な話は多分これからあちこちで出てくるでしょうし,風力発電以外の他の,新しい発電方式でもそういうことが起きるでしょう。まぁ原発も燃料の廃棄コストまで考えると赤字ってことになるみたいですけど;-p。
一番大事なのは周囲の環境へ悪影響があるかどうかですが,それがもしクリアできてる,もしくはクリアできる場所に建っているのであれば,次にわたしが気になるのは,こういう設備をつくるときに,どこの(国の)技術と業者を採用するのか?ということです。赤字になるのは,売電の量が少ないということもありますが,管理費や修理費がかかるから,そして建設費用がかかるからでしょう。これらは普通に考えたら,同じようなものを何度も作って,沢山つくって管理を効率化すれば,下がっていくものです。最初につくるときは開発コストがかかりますが,再生産の場合は材料費と人件費と必要経費で出来ます。通常一番高いのは開発費です。
となると,その開発はどこがやったのか,が重要なわけです。もし開発を日本の会社がやっていれば,多少高い開発費でも日本の技術を育てることになるし,その技術を海外に売れば,日本の儲け(税収)や人材確保という点でメリットがあります。最近行政に効率化ばかりを求める声が多いようですが,本来は行政は未来の儲けに繋がる部分には損をしてもやるべきです。
で,今回の場合,風車はヨーロッパ製なわけです。わたし的にはそこが問題な気がします。もちろん工事とかは日本人がするのでしょうが,建設時の開発費はヨーロッパのメーカにそっくり行くわけでしょう。
もちろん,日本に技術がない場合,海外のものを導入し,それを勉強することは大事です。でもずっと海外のものを買っていれば,日本のお金が一方的に海外に流れていくことになります。日本のものを買っていれば,行政が赤字でも,雇用創出になりますし,儲けたメーカは日本に税金を収めます。
わたしは原発がうまく行かない以上,風力なのか太陽なのかその他なのかわかりませんが,新しい発電方式の開発を進めていかないとしょうがない…と思います。ですから,その中には当初は赤字なものが沢山あってもしょうがないでしょう。ただ,それは出来るだけ日本のメーカがつくって日本に技術を蓄積しなければいけない…そう思います。個々の発電が赤字かどうかは問題じゃなくて,それが長期的にみたら,日本に富をもたらすか?…という視点なんだと思います。
ちょっと余談になりますが,アメリカやフランスが原発に一生懸命なのは,それが自分の国の技術だからでしょう。彼らが原発を安全だと言いたいのは,海外につくる原発が自国に利益をもたらすからです。それが悪いとは言いませんが,そういう事だ…と思って彼らの行動をみる必要があります。
まぁ日本も原子力発電の技術を磨いて,海外に売りたかった…っていうのが本音なんでしょうけど。日本の地震に耐えたら大丈夫…って言えたのかも知れませんが,どっちにしても海外は運用がいい加減だから,日本でうまく行く技術が海外でうまくいくかどうかは,わからないのですけどね。