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民主主義

2005-09-30 14:18:34 | 社会
先日感想をアップした「痛快!憲法学」には日本で民主主義が実は機能してない…という話が書かれていて,その理由は日本が契約社会でないこと,そして神の下の平等…の意識がないことだったりしました。著者の説が一般的なものなのかわからないので,それを丸のみするつもりもないのですが,本の中で指摘されていることで,事実であることはたくさんあります。
契約社会ではないっていうのは政治に限らず経済活動でも良く指摘されます。西洋はそもそもユダヤ系宗教(キリスト教とイスラム教)が神との契約です。日本は契約ではなく「信用」の方を大事にします。つまり相手を信じて「丸投げ」。というわけで,選挙も契約(公約を守ってもらう)とは理解しておらず,信頼している人に投票してしまうと…。
もう一つこれは以前から気になっているのですが,日本は司法の力(能力も含めて)が弱すぎます。行政や世論に屈してるように思われるところが多々あります。国の政策を無効にするような判決をなかなか出しませんし,そもそも刑事起訴された裁判がほとんど有罪になるという状況もおかしいです。そして上の本に書かれてたことですが,日本は既存の法律と矛盾した法律を作れないという決まり(?)があるそうで,それゆえに議員立法が極めて難しいと…。複雑な法律を理解するのは専門である官僚は可能でも選挙で選ばれた元一般人である議員にはなかなか難しいと…。それゆえに官僚の都合が良い法律が作られてしまうわけです。
本来は複数の法律が矛盾していれば司法がどっちが正しいかを判断すれば良いらしく,そこも司法が弱いゆえに,官僚社会になっているという構図なのだそうです。
議員が国を動かしていれば,我々が契約した人がやってることで,民が国を動かしていることになりますが,官僚は「お上」であり,我々はその人事に関与できません。というわけで,どうも日本は行政等が何かをすると,文句をいうだけ…という人が多いですね。自分達が何とかしなくてはいけないという意識が無く,単に行政は国民と対立するものだ…という意識が強い気がします。
…などとイキナリこういうことを書いているのは今回の国会は自民圧倒という国民の選択の結果を受けているわけで,なるべく民主主義であるように運用されて欲しいわけで,そのためには,そういう視点で見つめる目が必要に思ったのです。まぁ新人議員を取材するのはワイドショー的には良いのかも知れませんが,それは政治とは無関係です。…というわけで,そういう視点でTVも取材報道して欲しいです。
郵政民営化は良いとして,定率減税廃止が自民の公約違反かはちょっと微妙だなぁ…と思いつつ,しっかりチェックしましょうね。
司法改革も…国民に裁判させる…というより,もっと行政に左右されない司法になる方が先だと思うけどねぇ…。
ついでに余談ですが,じゃぁ本当に西洋で民主主義が根付いているのかはわたしはわかりません。特にアメリカとか貧富や教育の差が激しいわけで,一部の人はともかく全員がそうなのか?…と言われると少し疑問だったりするのですけど…。
コメント (3)
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