光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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あの頃の「電車工作集」

2017-02-16 05:25:02 | 書籍
 昨年暮れの静岡行きで入手した一冊です。

 「TMS特集シリーズ・電車工作集」
 このシリーズは例えば秋葉原の専門店なんかだと大概2,3千円位はするのが普通ですが今回のショップでは本自体がボロボロだった事もあって500円位で入手できました。
 まあ、見ての通り本当にボロボロなので内容が楽しめなかったらこの値段でも高いと感じるかもしれないですが。

 本書は昭和30年代のTMSに掲載された電車モデルの記事をまとめたものです。
 当然今のモデルのレベルとは大きく異なりますし、本書で取り上げられている技法が今のレベルに通用するという訳でもないのですが。

 TMSのこのシリーズは安価な出物があれば押さえる様にしている物です。
 というのも記事の技法が古臭くとも、この頃の記事に共通している作者たちの「作るのが楽しくて仕方ない」様な雰囲気が活字を通して透けて見える気がするからです。

 時代を反映してか、素材はブラスありペーパーありと様々ですがプラスチックは流石に少ないですね。

 本書の出た頃は一般レベルでは80系湘南電車や151系「こだま型」なんかが人気車だった反面、車両工作に使われる様なパーツの類が少なく、例えば、151系のユニットクーラーなんかも木でスクラッチしていたようです。
 (度々紹介している機関士の親類が16番で151系を作ったのは昭和40年代半ばでしたがやはりユニットクーラーも木製でした。その頃には屋根上、床下パーツなんかはそこそこ出ていたと思いますが製作に使ったテキストが昭和38年の奴でしたからそれに準じる形でスクラッチしたものと思います)

 とはいえ、本書に出て来る電車モデルは大半が昔の私鉄モデル。
 阪和電鉄モヨ100とか阪急810系なんかの渋い選択のモデルも多かったですから、その製作記はワタシ的に興味と刺激を与えてくれます。
 特に製作の具体的な技法では結構図版が多く、製作のイメージがつかみやすいのも今どきの専門誌にない人徳です。
 これを読んでいるだけでも十分おなかいっぱいです。

 本書の技法をそのまま今の工作に当てはめるのは難しいですが、大概の記事に側面図や前面図がついてきているのでこれを参考にNか16番サイズで何か作ってみたい気になって来ます。