光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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鉄道模型のクラブと趣味の本質に思うこと

2013-10-20 17:36:14 | 思いつくままに・考察

 先日の運転会に参加していてふと思った事から

 ~「オーディオマニアのクラブというのは今でもあるのだろうか。昔はたくさんあった。非常に団結力が強く、がっちり固まっていた。
 でも土の団子を力いっぱい固める様なもので必ずひびが入る(中略)

 本来マニアというものはひとりひとりがお山の大将であり、集まってクラブを作るというのがおかしいのである。集まってくるのはマニア予備軍だろうと思う。
 だからクラブの中で成長して本物のマニアになると独立してしまう。

 クラブの中にはマニアではなく、信者によって構成されているのもある。
 こういうクラブにはたいてい教祖がいる。教祖はキャリアの長いオーディオマニアであることもあれば販売店の店主やチーフという事もある。(中略)

 マニアのクラブはマニアであるという点では共通点を持っているが特に信仰の対象というのは持っていないのがふつうである。それだけ扱いやすいともいえる。
 信者のクラブというのは挑戦的でクラブ外の人間に食ってかかったり入信、改宗させようとしたりするのである。

 マニアのクラブも信者のクラブもうまくいかない事は分かっていたし、またそんなものはつくりたくなかったので(中略)本物のマニアではなくいい加減なマニアの集まりであり主義主張に一貫性はまったくない。
 分派活動は黙認でも公認でもなくむしろ奨励しているので勝手に色々な事をやっている連中がいる。それでも会員なのである。
 反自民をぶち上げる自民党員がいるのと似ている。数が多い方が有利という事はお互い承知しているわけだ」~

 オーディオ評論家の故長岡鉄夫氏の「いいかげんにします」からの引用ですが、これと同じ事は鉄道や鉄道模型のクラブについても言える感じがします。
 特に最後の一節については今現在「オトナのクラブ(年齢のみならず趣味人としての成熟度においても)」の理想像を体現している印象があります。

 そして、私が事あるごとに聖典(笑)として取り上げている「模型と工作別冊・鉄道模型工作ハンドブック」にも「これが鉄道模型だ!」と題してクラブの運転会風景を語る記事がありました。
 以下はそこの一節です。


 ご存知のようにわれわれ(クラブ名省略)はウルサイ事を言わずにとにかく鉄道と鉄道模型が好きなメンバーで構成されておりその目的は趣味を通じて社会の中に良い人間関係を作ろうというものであります。
 ファンの世界の中に良い社会の縮図を作ろうというものであります。また真に良い物を見抜く目を養成しようというものであります。 
 要するに趣味を何とはない道楽で終わらせるよりは積極的に世の中のために役立てようというものであります。
 難しい事を言いましたが、鉄道およびその模型を趣味とする皆が仲良く楽しく、誇りを持って社会の中で生きてゆこうという事です。

 われわれDOCの模型も●●さんの4ミリゲージ、■■さんの45ミリゲージ電車、▼▼さんの電機制御ライブなど国鉄と並んで世界に誇りうるものを持っており実にうれしい次第です。これも我々が常にモットーとしている「常に実物の先を見る」事によってなされたもので一時代前の「実物を追いかける」ファンから日本独自のファンへの脱皮を表している物と言えるでしょう。

 こうした出だしで始まる鉄道模型の運転会の描写は当時も、そしていま読み返す段になっても私の中で一つの理想像を結んでいます。
 NだけとかHOだけとか国鉄形だけとか言った狭小なセクショナリズムを超えるからこそクラブは、運転会は、祭りは楽しいのではないかと思えます。

 思えば今の時代ほど趣味のクラブを成立させる、あるいは続けてゆくことが難しい時代はないのではないかと思います。
 上記のようなマニアの本質の問題は、自己主張の強すぎるマニアそのものの増加でよりクラブはおろか親睦会の成立すら難しくしていますし、そもそも素朴な意味で「一人もいいけどみんなで楽しめる事もおもしろい」という楽しみそのものを知らない層が増えている事も問題を複雑にさせている気がします。

 ですが、それでも仲間がいる事は心強い事ですし、お祭りは楽しくないはずがない。
 そのためにはそれぞれが趣味の中でも「覚めず溺れず」の呼吸を常に心得ている必要はありそうですね。

(写真は本題とは関係ありません)

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