
今夜も本の話です。
先日お借りできた機関区の写真集、無事故記念列車の時にも少し触れましたが、鉄道ファン向けの書籍ではなかなか出てこないイベントやアイデアが多く、これから情景創成の上で重宝しそうです。
これを見て知ったり気づいたりした点をいくつかあげると
機関区の本部詰所前には簡単な庭園が配されている事。石炭まみれで薄汚れている印象のある機関区でこうした風致の存在は大きい事。
敷地内に殉職者の慰霊碑がある事。この写真集ではご丁寧に「廃車機関車の慰霊碑」まで存在する事。
駅の新築や新線の開業に合わせてのイベントではかつては「ありえなさそうなイベントや車両の入線が実現しうる事 (まさか私の故郷で義経号が入線していたなどとは知りませんでしたし、映画の撮影や実地検証で列車事故の再現が行われる事もあります)
このほか、機関区に隣接して職員の福利厚生用のグラウンドがあるケースがある事や定期的に「機関区公開のイベント」「職員家族の慰安イベント」がある事などは写真で見てはじめてその雰囲気がわかる事だけになかなか貴重と思いました。
これらの事はいずれもレイアウト作りでは参考になる物でした。
そしてこれらに共通しているのは「人間の匂い」です。施設やディテールを実物と同じに縮小しただけでは表現できない何かがそこから感じられるというのは言い過ぎでしょうか。
もう一つ1972年の鉄道百年を記念した部内用の小冊子も拾い物でした。
ローカル線建設の際の工事そのものの苦難や政治上の駆け引き、連結器の一斉交換や戦時体制の中での列車運用の苦闘などの題材を通して、時代の流れの中で鉄道マンたちが如何に鉄道の運営や建設に心血を注いできたかが一般向けの書籍にはない筆致で書かれている所に興味深いものがありました。

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