
昨日に引き続き本の話です。
先日の帰省の折に機関士をしていた親類からお借りしてきた本の中には70年代初頭のSLブームを反映した写真集が何冊か入っています。この種の写真集では関沢新一の「滅びゆく蒸気機関車」などが有名と思いますがそうした有名所ではなく自分のいた線区や地方の写真の多い物を選んで購入されていたようです。
「栄光への~」は明治・大正期の写真が比較的多いのが印象的でしたが、新聞社発行というせいもあるのかやや食いたりない印象もありました。とはいえ、明治末期の東北線の急行列車の写真などを列車編成図付きで載せていたのが面白く感じました。これには自分の故郷の100年前を見られたという感動も含まれていますし、親類の方も自分の子供時代の写真が載っているのに惹かれて購入したのかもしれません。
「東北の~」は70年代はじめに活躍していた現役機を中心に集められた写真集で各線区ごとの撮影ガイドが付帯している辺りSLブームのライブ感を感じさせる印象でした。この雰囲気は最近の回顧系SL誌には見られないもので、実際これらを観ていると70年代初頭(当時私は幼児に毛の生えたような年代でしたが)にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。
掲載されている機種には特に目立つような機種は取り上げられていません(C62、C53、C59といった花形機がなかったか、少なかったところでしたし)が地元の人間の視点で風景にとけこんでいるSLの姿をよく捉えている所にも好感を持ちました。
こんな写真集を見ているとその後がよく眠れる気がします。

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