2010年夏・アニメ最終回の感想文その4

2010-09-05 22:53:50 | 2010年春アニメ関連

 色々と秋アニメの情報も集まってきましたが今回は夏に最終回を迎えたテレビ東京×アニプレックス共同プロジェクト「アニメノチカラ」の第2弾作品「閃光のナイトレイド」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Nightrade5 Nightrade6 「閃光のナイトレイド」…テレビ東京とアニプレックスが共同で立ち上げたオリジナルアニメ制作プロジェクト「アニメノチカラ」第2弾作品で、アニメ制作はA-1Picturesです。第1弾だった前作「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」が微妙だったため今度こそはと期待されていたこの作品、放映前から特番まで組んで気合いが入っていて、1話は潜入任務でしたがクライマックスでメインテーマが流れたりしてそれなりに面白く1話のつかみは良好でした。

Nightrade7 Nightrade8 2話からは主人公三好葵の元婚約者だった遊佐静音が登場したり行方不明になっていた今作の重要人物高千穂勲が登場したりと盛り上がるはずが…なぜかあまり盛り上がらず淡々と話が進むためどうもイマイチでした。

この作品、作りは硬派で好感は持てるんですがとにかく盛り上がりに欠け、他にも声優達が中国人翻訳家から本格的なレッスンを受けて中国語を見事に話したりするなど努力はすごいんですが代わりに字幕が見づらくて演出として空回りしたりとことごとく外していました。

Nightrade9 Nightrade10 そんな状況にも関わらず、4話は猫探しのギャグ回だったし7話は大人の事情で1クールアニメなのに総集編をやったりして尺も足りなくなり、さらにオリジナル作品ゆえにキャラクターや桜井機関の設定もあまり説明が無く、見ていて良く理解できなかった部分も多数見受けられました。あと女性キャラは結構魅力的な人物が揃っていて良かったんですが男性キャラ達の特徴があまり無く印象に残る人物がほとんどいなかったのも残念でした。

作品のジャンルが超能力スパイアクションと銘打っているだけにバトルシーンもあったためその部分の出来も期待していたんですが…大半が普通に戦っていたのでこの辺りも非常に残念でした。ただ伊波葛と久世の瞬間移動バトルはこの作品で最も面白く緊迫したバトルだったのでこれは素晴らしかったです。

Nightrade11 Nightrade12 色々と気になったところばかり挙げてしまいましたが、この作品個々のポテンシャルはかなりのものを秘めていて、まず作画はA-1Picturesなだけあって人物は非常に丁寧に描かれていて最後まで安定していました。さらに特番でもやっていましたがスタジオ美峰が気合いを入れて1930年の上海をイメージして描いた背景作画は非常に美しかったです。

そしてこの作品で最も金がかかった気合いが入っていたのは作曲家葉加瀬太郎作曲のメインテーマ「The Mission to Complete」で、かなりの良曲で印象にも残るものでした…が、なぜせっかくのメインテーマなのに作中で3回ぐらいしか流さずCMでしか流さなかったのか、非常にもったいなかったです。

Nightrade13 Nightrade14 クライマックスが近づくにつれて高千穂勲の真の目的が明らかになってきたり、桜井機関の創設理由や真の黒幕が登場してきたりしましたが、あ…そうだったんだふ~んといったかんじであまり意表を突くほどの衝撃では無かったのがこの作品の盛り上がらなさと直結していました。最後は次々とキャラクターが死んでいったり行方不明になったりとすごい勢いでまとめに入ってしまい、ラストシーンの集合写真は少々切なかったですがそれ以外は特に印象に残ることも無く、これから世界はどうなってしまうんだろう…せめて希望のかけらをENDでした。

総評

Nightrade15 全体的な感想としては、A-1Picturesの良好なキャラクター作画に加え背景作画担当のスタジオ美峰が作り上げた1930年の上海の街並み、萌えに走ったり視聴者に媚びたりすることの無かった硬派な作りに葉加瀬太郎の音楽と、個々では非常に素晴らしかったんですがいざ混ぜてみたら見事に空中分解してしまったといったかんじで非常にもったいない作品でした。これは脚本が悪かったのか構成が悪かったのか監督が悪かったのか…。

Nightrade16 個人的には視聴していて眠くなってくるほど良く分からない展開や設定もあったしランク的には余裕で視聴打ち切りのCランクでしたが、前述の通り作画や音楽は素晴らしかったためなんだかんだで最後まで視聴したので総合Bランクといったところです。しかしやはり硬派な作りで盛り上がりにも欠ける作品だったため、当時は2010年キー局春アニメの中で視聴率は0.4%でワースト1位、BD・DVD売り上げは580枚のワースト3位という散々な結果で、放映終了当時は「アニメノチカラ」終わったなと酷評の嵐でした。このときにはもう完全にアニメといえばTBSといったかんじで優劣が入れ替わっていたと思われます。


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