2009年秋・アニメ最終回の感想文その13

2010-01-31 22:49:14 | 2009年春アニメ関連

 今さらながら現在放映されているアニメももちろんのこと秋に最終回を迎えたアニメも逐一チェックしているような状況です。今回はファンタジーものだった作品で、NHKで放映されていた「グイン・サーガ」とローカル局で放送された「ティアーズ・トゥ・ティアラ」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Guinsaga Guinsaga1 「グイン・サーガ」…栗本薫の長編小説「グイン・サーガ」のアニメ化作品で、アニメ制作はサテライトです。正伝130巻・外伝20巻でいまだに未完という世界最長の長編小説のアニメ化ということで一部では話題となっていたこの作品の第1話は、パロ王国がモンゴールに攻め入られて危機に瀕し、その後豹頭の戦士グインが登場するところで終わっていました。

 正直なところ自分は原作を全く知らなかったので、グインをカッコイイチーターマンくらいにしか思っていなかったんですが、視聴を続けているうちに正統派ファンタジーものとして何やら非常に面白くなってきていました。

Guinsaga2 まずなんといっても豹頭の戦士グインがカッコイイ!見た目こそ異形ですがその知恵が回るところと腕っぷしの強さ、そしてまるで王のような風格といい、子供達がピンチのときに颯爽と現れて助けるなどまさに主人公と呼ぶのに相応しいキャラクターでした。主人公もカッコイイですが傭兵のイシュトヴァーンやパロの双子に始まり、他の大国間のアムネリスやアルド・ナリスと次々と魅力的なキャラクターが出てきてそのほとんどが国をかけて暗躍するなどして盛り上げていました。

 作品の壮大さも特徴で、序盤で圧倒的に不利だったグイン達がモンゴール軍からノスフェラスを守るために知恵を使い、さらにセム族やラゴン族を見事に仲間にして戦ったシーンは素晴らしく、近年まれに見る見応えがある戦いでした。

Guinsaga3 Guinsaga4 その後も婚礼の儀などでは大国間の裏で暗躍しているキャラクターが登場していましたが、裏の裏をかく展開で非常に面白く、見ているこっちも思わず緊張してしまうほどのシーンが続いていました。そしてついにモンゴールが起こした戦争は中原全域近くにまで発展して一度区切りがついたところで最終回になっていました。

作中の音楽をファイナルファンタジーシリーズで有名な植松伸夫が作曲していて、オープニングの「グインのテーマ」も非常に素晴らしく、エンディングのカノンの歌も物語に合っていて良かったです。NHKアニメのため萌えなどはほぼ皆無で、さらに流血シーンは全てカットされていて、火が変なところから出たり剣から衝撃波を出して戦ったりと少々気になるシーンはありましたがそんなことどうでもよくなってしまうほど面白い作品でした。正直なところこの作品は2009年が終わるまでに見終わってなかったんですがもし見終わっていたら2009年のアニメでベスト10に入るほどの素晴らしい作品でした。

 このアニメが放映されている最中に原作者の栗本薫氏が死去してしまったため事実上未完の作品となってしまい非常に残念です。個人的には「銀河英雄伝説」のように何クールかかってでも長くやってほしいと思いました。今回のアニメ版は26話で原作16巻までしか消化していないのでまだまだ先は長そうでした。栗本薫氏のご冥福を心からお祈り申し上げます。

Tearstotiara Tearstotiara1 「ティアーズ・トゥ・ティアラ」…LeafのPS3用ゲーム「ティアーズ・トゥ・ティアラ 花冠の大地」のアニメ化作品で、アニメ制作はWHITE FOXです。一部では有名なLeafのゲーム原作アニメ作品「うたわれるもの」のスタッフが制作しているということで一部での前評判はなかなか高かったこの作品、第1話ではオープニングでリンゴ回し食いという斬新な演出から始まり魔王が復活するところで終わっていました。

 そして魔王が復活したためこのキャラがラスボスになるのか…と思いきや、あれ?なんか良い人のようでした。それどころかなんか主人公のようでその後いきなり族長になってしまったのでこの設定はちょっと意表を突かれました。

 しかしこの作品、決してつまらなくは無いんですが作りが無難すぎてイマイチ盛り上がりに欠け、前述の「グイン・サーガ」と比べたら比較にならないほどの差を感じました。一体何がそう感じさせたのか色々考えてみましたが、「ティアーズ・トゥ・ティアラ」はRPG原作なので仲間になるのがキャラクター(主に女性)なのに対し「グイン・サーガ」はセムの4部族だったりするので個人ではなく集団を仲間にしたところや、「ティアーズ・トゥ・ティアラ」は神聖帝国とゲール族の戦いだったのに対し「グイン・サーガ」はパロとモンゴールの戦いから始まりノスフェラスやアルゴスまで巻き込んで複数の勢力や国家が入り乱れて複雑な話だったからか。どちらにせよこちらの「ティアーズ・トゥ・ティアラ」は前作「うたわれるもの」に比べ全く話題に上がらず空気アニメとか呼ばれていました。

 作画に関してですが、この作品は流血シーンに関して全く規制が無く血が流れまくりで、魔法の演出シーンも結構出来が良かったし作画に関しては終始安定していたと思います。しかしあまりにも女性キャラが多くちょっとファンタジーものとしてはおっさんがもう少し欲しいところだと思いました。

 肝心のシナリオでは前半が味方になる各女性キャラの話ばっかりで、「グイン・サーガ」でノスフェラス連合がモンゴール軍と戦っているときにこちらでは牛乳ぶっかけシーンなどやっている場合では無かったかもしれません。女性キャラクターも魅力的なキャラがオクタヴィア以外特にいなく、主人公のアロウンとアルサルのほうがよっぽど魅力的でした。

Tearstotiara2 しかし最後にラスボスぽいキャラが登場して世界をかけた最後の戦いのような展開になり、リアンノンの自己解決シーンは少々納得いきませんでしたがちゃんと完結させてエンディングまで描ききったのは見事でした。ラストシーンで約束を果たしたことを報告するところとかが特に良かったと思います。なんだかんだで終わりが良かったし、Suaraの歌も良かったし全体的にバランスの取れた作品だと思いました。


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2 コメント

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グインサーガは、不世出の鬼才、栗本女史による (N樽)
2010-02-01 10:51:42
グインサーガは、不世出の鬼才、栗本女史による
未完の超大作なので、ティアーズと比較するのは
酷かなぁ、と思われます。


80巻くらいまでは物凄い面白いと思いますよ!
そこから先は自己責任で(笑)
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ううむ…同じ時期に放映されたファンタジー (高崎)
2010-02-01 21:46:30
ううむ…同じ時期に放映されたファンタジー
ものということで比べてしまいましたが
ここまで圧倒的に差が出るとは思って
いませんでした。

モンゴールのここまででまだ16巻だから
まだまだ面白くなるのか…素晴らしいですね。
そして某猫モンクのあの方もグイン・サーガ
を読んでいたのにはびっくりしました。
結構知名度高かったのね。んで80巻
以降一体どうなるんだろうw
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