2009年春・アニメ最終回の感想文その3

2009-06-27 22:59:29 | 2009年春アニメ関連

 ロック界のピーターパンと呼ばれたマイケル・ジャクソンが突然の急死という悲報に芸能界は大荒れですがアニメ界は1年に4回大荒れが訪れます。今回は「リストランテ・パラディーゾ」「けいおん!」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Risupara4 Risupara5 「リストランテ・パラディーゾ」…マンガ・エロティクス・エフで連載されていたオノ・ナツメの漫画「リストランテ・パラディーゾ」のアニメ化作品で、アニメ制作はdavid productionです。フジテレビ水曜深夜アニメ枠「NOISE」の新作ということで第1話が放映されたときはどのようなものか期待して視聴してみましたが、老眼鏡紳士萌えという新たな世界を見せてくれて第1話を見た当時では春アニメの中で一番面白かったです。あとで知りましたがアニメを制作していたdavid productionは、かつて「巌窟王」等を作った元GONZOスタッフが独立して立ち上げた会社のようです。オサレ臭が全くしなかったので気づきませんでした。

 老眼鏡をかけた紳士のみのリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」を舞台に、様々な客や紳士達のプライベートや過去の話が語られる内容が多く、音楽が独特だったため「ARIA」に似た雰囲気を醸し出していました。料理が全てフルCGなのは賛否両論でしたがドルチェの質感はかなり良く、見てて結構うまそうでした。さすがにフレンチが多いので見てて味が想像できない料理が多いのはご愛敬。シナリオは基本的に従業員達それぞれの話が1話完結で語られる内容が多かったので、この従業員誰だっけ?ということが最後のほうにはほとんど無く安定したイイ作りだと思いました。そして後半は主人公のニコレッタがメインとなり話が展開していきましたが、まかないの話も結構良かったし、最終話もうまくまとめられていて非常に良かったです。ジャンルとしては落ち着いた雰囲気を楽しむアニメに分類されますので見てて眠くなるかもしれませんが、全体的に品質が高くこの手の作品好きなら見て損はない作品だと思います。というか見てくれないと…困ります。

Keion3 Keion2 「けいおん!」…まんがタイムきららで連載されている、かきふらいの漫画「けいおん!」のアニメ化作品で、アニメ制作は京都アニメーションです。何かと作った作品が話題になる京都アニメーション制作のアニメということで放映前から人気が高く、たしかに第1話を視聴した当時は細かいところに手が込んでいて面白かったです。

 そしてこの作品の真骨頂はやはり話題性で、オープニングとエンディングの歌がそれぞれオリコンデイリーランキングで1位と2位、ミュージックステーションやカウントダウンTVでもベスト3に入ったり、後に発売されたキャラクターソングや新曲もベスト3に入るなど歌の話題も高く、なおかつこの作品は実際にある土地や学校、楽器や小物をロケして使用していたため放映終了後に実況の住民が場所や小物を特定して聖地巡礼をしたりその小物を購入したりする現象が多発しました。中でも黒髪ロングの一番人気キャラ秋山澪の小物は顕著で、使っていた携帯電話D902iラスターホワイトやヘッドフォンのAKGのK701が売れまくって価格が高騰したり、使用していた楽器の左利き用フェンダー・ジャズベースまでもが在庫無くなるほど売れたようです。

 これほどの異常人気を誇った「けいおん!」、アニメのほうもさぞかし素晴らしい作品に仕上がっていた…と言いたいところですが、正直それほどの作品とは思えませんでした。京都アニメーション制作といえばどうしても旧「涼宮ハルヒの憂鬱」の12話で見せた超絶作画のライブシーンと比較してしまうんですが、あれに比べたら演奏シーン自体があまり無く、しかも1年の学園祭では曲のシーンが全てPVという仕様で実況は荒れに荒れました。

Keion4 結局一番動いていた演奏シーンはオープニングの澪のベース演奏のとこでしたね。でも最終話の作画はがんばっていたと思います。キャラの作画に関しては特に文句無しで、堀口悠紀子の絵とこの作品の雰囲気は非常に合っていたと思いました。

 この作品の一番の問題と言われるポイントはなんと言ってもシナリオで、中でもシリーズ構成の吉田玲子が書いた脚本の話は大抵荒れました。特に11話は原作では軽いギャグ程度だったのを異様に重い展開にしてしまい、「けいおん!」のキャッチフレーズである「ゆるやか部活アニメ」とは明らかに違った展開になっていました。それとは逆に予想外に良かったのがアニメ界のA級戦犯花田十揮の書いた脚本で、澪の萌え萌えキューンや水着回や最終回など絶賛されていました。たしかに面白かったのでこれは予想外。

 「CLANNADは人生・Fateは文学・けいおん!は生きがい」などと言われて、春のアニメでは一番の話題となった今作ですが、熱くなりやすく冷めやすいのがオタ事情。勢いで澪や唯の使っていたギターを買うのは大いに結構だと思いますが、数ヶ月後に中古屋に大量に出回るなんてことにないよう切に願いたいところです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿