2011年春アニメ「Steins;Gate」第1話の感想文

2011-04-10 23:14:34 | 2011年春アニメ関連

 最近はニコ動とかでもアニメを配信しているのでそちらもチェックしています。今回は2011年春アニメの本命とも言われていた作品「Steins;Gate」の第1話を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Steinsgate26 Steinsgate27 「Steins;Gate」…5pb、ニトロプラス制作のXBOX360用ゲーム「Steins;Gate」のアニメ化作品で、アニメ制作はWHITE FOXです。原作のゲームがアドベンチャーゲームの傑作と呼ばれ人気が高かった作品なので、いよいよ満を持してのアニメ版が放映されることもあり前人気はかなり高く2011年春アニメの本命とも言われていました。このアニメのために急いで原作をクリアしたので今回は予備知識は万全です。

序盤からの岡部倫太郎の語り…これは原作には無かったですがこの作品の雰囲気を現していて良かったです。そして椎名まゆりはアニメでも原作でも全く変わらない安定感でした。

Steinsgate28 Steinsgate29 原作のプロローグで起きたイベントをアニメでも忠実に再現しつつ、微妙なアレンジが加えられていて、原作を知っていると分かるところが多く思わず納得してしまうところも多かったです。しかしかなり展開が早く、中鉢のシーンでオカリンが一瞬で怒ったり、牧瀬紅莉栖との会話が早めに終わってしまったり、メールを送った直後とか、もうちょっと間が欲しかったシーンもありました。

主人公の岡部倫太郎を演じた宮野真守も原作に忠実で安心です。相変わらずの痛さと共に英語の発音が妙にネイティブなのもさすがでした。橋田至も関智一とは思えないしゃべりでしたが原作とずいぶんしゃべり方が違うのが気になります。

Steinsgate30 Steinsgate31 1話で序章からUPXまで放映されていたので結構早足な印象を受けました。しかし重要なイベントをかいつまんでいたので要点は押さえてあったと思います。おそらくこれぐらい早くないと終盤まとまらなさそうなのではないでしょうか。原作未プレイならこの1話は後に重要な意味を持ってくるので終盤見終わったあと再び見た方がいいかもしれません。

Steinsgate32 Steinsgate33 作画は放映前は劇場版クオリティなどと言われていましたが実際は少々予想より下でした。huke氏の絵柄の再現という意味ではordetが制作したほうが雰囲気を出せていたと思います。音楽については、原作のBGMも使っていたしオープニングは入りも曲も良かったです。原作のオープニングは神すぎたので原作と比べるのは可哀想ですが、アニメとしてはこれは十分有りなんじゃないでしょうか。エンディングも原作と同じくファンタズムが歌っているので良かったです。

総評

Steinsgate34 1話の全体的な感想としては、これは原作知っているか知らないかで相当判断が分かれそうです。自分は原作を知っているので今回は十分楽しめましたが、原作を知らないと意味不明な展開の数々に飽きてきたかもしれません。

原作を知っている立場から見ると、今回の1話は重要な伏線を片っ端から選んで詰め込んだ印象を受けました。特に電話レンジ(仮)のシーンは説明も何も無かったので、おそらくこれは次回説明するとは思います。とりあえずかなり駆け足で話を進めていました。

個人的評価としては、とりあえず今のところは十分楽しめそうなので永久保存版のAランクです。あとはこの作品を2クールでいかにうまくまとめるかにかかってそうで、それ次第でBにもSにも化けると思われます。まずはあの重要シーンまでは様子見ですね。


2011年春アニメ「DOG DAYS」第1話の感想文

2011-04-10 21:20:57 | 2011年春アニメ関連

今回はキー局からだけでなくローカル局や配信ものも視聴していきます。今回はとちぎテレビで第1話が放映された「DOG DAYS」の第1話を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Dogdays1 Dogdays2 「DOG DAYS」…「魔法少女リリカルなのはシリーズ」で知られる原作・都築真紀、監督・草川啓造らのスタッフが結集して作られたオリジナルアニメ作品で、アニメ制作はなのはシリーズと同じくセブン・アークスです。今でも根強い人気を誇るリリカルなのはシリーズのスタッフがファンタジーものでオリジナル作品を作ったということで前人気は高く2011年アニメの本命とも言われていました。

冒頭からいきなり戦争でビスコッティ共和国とやらが窮地に立たされているらしく、最後の切り札として勇者召喚を行おうとし、その勇者は日本の国際学校に通う少年のようです。しかしいきなり2階から空中バク転で着地しガードレールでもバク転したりと、ずいぶんアスレチックが得意なようです。そして幼なじみの女の子がいるあたりもお約束を踏まえていました。

Dogdays3 Dogdays4 そして犬がいきなり短剣を構えたと思ったら魔方陣を発生させて主人公シンクがいきなり異世界に飛ばされ…と、まさに王道ファンタジーものを感じさせる展開でした。

その直後早速戦争が始まっていましたが…どうも一般の兵が手抜きにしか見えず感情移入が全くできません。将軍クラスは子安武人や若本規夫、水樹奈々や堀江由衣など声優も豪華で見た目もそこそこですがそれ以外が思いっきり手抜きです。そしてあの鳥…どう見てもチョコボで、しかも可愛げがありません。

Dogdays5 Dogdays6 しかしそんなことどうでもよくなってしまったのが…え?実況?なぜかアナウンサーがいて戦争を実況していました。しかも大人数の兵士たちが挑んでいるのは、棒渡りや雲梯、ジブラルタル海峡…「風雲!たけし城」じゃないですかコレーー!なんかすごい拍子抜けしてしまいました。あと斬られたりすると猫になってしまうらしく、別にケガもしないそうです。

そんな中将軍クラスが必殺技を出すときは魔方陣が発生し爆発する演出は、なのはスタッフらしいと感じました。

Dogdays7 Dogdays8 戦争に負けても別に占領されるわけでは無いらしく、「しょんぼりするから」という理由で勇者召喚を行ったというのもびっくりですが、それに応じ勇者としてシンクが見参したところで第1話は終わっていました。正直もっと緊張感のある熱いバトルものかと思っていましたがフタを開けてみれば声優が豪華な風雲たけし城でした。せめてバーチャロンのような限定戦争のようなものだったらまた変わっていたかもしれません。

作画は1話なだけに良好でした。ただ名前がややこしいキャラが多いので顔と名前が2回見ても全く一致しません。あと作画崩壊に定評のあるセブン・アークスなのでここからは少々心配です。BGMは控えめでしたが主題歌はOPが水樹奈々、EDは堀江由衣と歌は贅沢でした。

総評

Dogdays9 1話の全体的な感想としては、オリジナル作品でファンタジーもののようだったので、リリカルなのはのような熱血魔法バトルが行われるのかと思ったら、まさかの風雲たけし城で盛り上がる展開が皆無だったので予想の斜め下を行くかんじでした。

だったら人が死ねば面白いのかと聞かれたら別にそういうことではなく、少なくとも公式とかを見ていると正統派ファンタジーもののようだったし、なのはスタッフということでガチファンタジーものかと先入観を持っていたらたけし城だったと…正直熱い展開を想像していたらぬるま湯をかけられた気分でした。

個人的評価としては、オリジナルものだしなのはスタッフの作品ということで様子見のBランクといったところですが、ここからの巻き返しに期待したいところです。

これから次第にやっぱりガチバトルものとかになっていくのなら面白くなりそうですが、このままずっと風雲たけし城なら駄作になりそうです。


2011年春終了アニメ「放浪息子」最終回の感想文

2011-04-10 15:51:58 | 2011年冬アニメ関連

続いて同じくフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放映されていた「放浪息子」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Houroumusuko13 Houroumusuko14 「放浪息子」…月刊コミックビームで連載されている志村貴子の漫画「放浪息子」のアニメ化作品で、アニメ制作はAIC Classicです。志村貴子作品といえばその独特のクセから視聴者を選びやすいですが、やはり今回の1話も主人公二鳥修一が姉の服を着たところで怒られて街中に逃げるところで終わっていました。

正直自分はあの志村貴子作品の雰囲気を出せるのはJ.C.STAFFくらいじゃないかと思っていて、いつも萌えアニメ作ってるAIC系列があの雰囲気を出せるのかオイと考えていましたが…すいません甘く見ていました!

Houroumusuko15 Houroumusuko16 志村貴子作品といえば、良くも悪くも普通じゃないキャラクターが多く、女の子になりたい男の二鳥修一や男の子になりたい女の高槻よしの、そしてその2人の秘密を知っている千葉さおりの3人を中心に多くの個性の強すぎるキャラクターが登場していましたが、それぞれに見せ場もあり痛いシーンもありつつ心情を描いていて面白かったです。あの中盤で評価を下げまくった土井も最後はイイ奴になっていたのは見事。ただメガネをかけていた二宮は最後まで評価は下がりっぱなしでした。

Houroumusuko17 Houroumusuko19 Houroumusuko18 Houroumusuko20 そして魅力的なキャラは多く、中でも普段は仏頂面をしているのに二鳥修一の前では表情が一変、しかも演劇も見事で凛々しい千葉さおりに、自他共に認める変わり者ですがエロく子供っぽさも残りつつ自分の考えをちゃんと持っている、ちーちゃんこと更科千鶴、序盤こそあまり出番はありませんでしたが7話から一気に頭角を現し最終回の「…だったんですよ。」が可愛すぎた末広安那、そしてこの作品で数少ない常識人で最後の良心とまで呼ばれた佐々かなこ、と個性的かつ良いキャラクターが揃っていました。

Houroumusuko21 Houroumusuko22 シナリオも良くできていて、原作の中学生編が描かれて思春期の中高生の心情や、女の子や男の子になりたいと思っていても次第に第二次成長期を迎えて理想と現実のギャップに悩むところが細かく描かれていて良かったです。ただし中学生ならではの痛い言動や行動も多く重い話もあり視聴者を選びそうでした。

その極めつけはやはり9話で、土井に言われたのがきっかけでにとりんがセーラー服で登校したときは実況でも荒れましたがやってしまった感が強すぎでこの作品でもっとも痛いシーンかもしれません。

Houroumusuko23 Houroumusuko24 しかしその痛さも含め面白い回も多く、文化祭での倒錯劇ロミオとジュリエットや最終回の雰囲気も良く、千葉さおりの語りはアニメオリジナルとは思えないほどで終わらせ方も区切りが良いところで終わらせたので、とても小学生編カットで原作連載中の作品の最終回とは思えないほどの素晴らしさでした。それだけに全ての始まりだった小学生編のカットは惜しい…もし2クール作品で小学生編から始めていればもっと面白かったと思われます。

Houroumusuko25 Houroumusuko26 作画は全くブレることなく安定して、なおかつ独特の水彩画タッチのエフェクトが作品に合っていて最高でした。J.C.STAFFとは違う手法で志村貴子作品の雰囲気を出していたと思います。シナリオ、演出も良く、BGMもピアノやアコースティックギターで淡々とした音楽が雰囲気に合っていて主題歌も特にエンディングが良かったです。主人公二鳥修一の声を演じていた畠山航輔が現役中学生だったのも細かい気配りでした。

終わってみれば「フラクタル」はこの作品のための前座に過ぎなかったとも言われていて、実際自分もそんな感じでした。話題にこそならない地味な作品でしたが確実に2011年アニメの中で上位に入る秀作だと思われます。

総評

Houroumusuko27 全体的な感想としては、中学生ならではの痛さや考え方を表現しつつ、志村貴子作品独特の個性が強いキャラクターも良く面白かったです。惜しかったのは一部の登場人物の影が薄く顔と名前が一致しなかったのと、小学生編を丸々カットして中学生編から始まっていたことでしょうか。

個人的評価としては、作画は非常に良く文句無し。シナリオもとても途中で終わったとは思えないくらい区切りのいい終わり方だったし、音楽も作品に合っていて主題歌も慣れてきたら良く、全体的にかなり完成度が高かったので文句無しのSランクです。

素晴らしい作品でしたが、志村貴子作品はその独特の作風から視聴者を選ぶ傾向が強く、前作「青い花」は良く出来ていたのにDVD売り上げ500枚以下という結果を出したため、今回もまた同じ結果になるのは余りにも忍びないので自分はBD版を予約しています。

このような「売れそう」よりも「面白い」作品を積極的にアニメ化するフジテレビと日本テレビは個人的にも大ファンです。


2011年春終了アニメ「フラクタル」最終回の感想文

2011-04-10 15:04:52 | 2011年冬アニメ関連

春アニメが予想以上に多く実況とアニメのチェックをひたすら行っています。そんな中今回は2011年冬アニメの本命と言われていたフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」の作品「フラクタル」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Fractale13 Fractale14 「フラクタル」…東浩紀・岡田磨里・山本寛達が集結して制作されたオリジナルアニメ作品で、アニメ制作はA-1Picturesです。フジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」冬の新作で、何かと発言や行動に話題性があるアニメ界のリトルボーイ山本寛が監督なこの作品、作品がコケたら引退も辞さないと言っていたため話題性は2011年冬アニメでトップでしたが、第1話から急展開の数々に視聴者は困惑されっぱなしでした。

第1話の放映から、ジブリ作品や不思議の海のナディアの劣化版などと叩かれていたこの作品でしたが、個人的にそういうのを抜きにしても面白かったかかどうかと言われたら…正直つまらなかったです。

Fractale15 Fractale16 まずキャラクターが全く魅力的ではなく、主人公のクレインは個性が赤フン以外何も無く、ただ周りの状況に流されるだけのキャラだったのが痛すぎます。あとヒロインのフリュネは後半が…。主人公達の言うことを聞かずに僧院に説得しに言って逆に言い負けたりして迷惑をかけたりしてたしかなり印象は悪かったです。人気が出たのは脱いだときだけだったかもしれません。

Fractale17 Fractale18 そんな中ネッサが唯一の良心とも言われていましたが、どうも個人的には安易に花澤香奈を起用していた風にしか見えなかったのもきつく、キャラクターとしてはそれなりに良かったんですが惜しかったです。そして安易といえば、3話でいきなり銃撃戦になって人やデブがいきなり次々と死んだあたりも、とりあえず人が死ねばインパクトがあるだろうという思想にしか見えませんでした。そういう意味でもこの作品はとにかく毎週叩かれていた気がします。

Fractale19 Fractale20 そして何より世界設定の説明がなさ過ぎる…。フラクタルシステムについての説明はある程度ありましたが、ドッペルの存在意味がアニメだけ見てるとほとんど分かりません。他にもターミナルやソリッドオブジェクトなど良く分からない設定もあるため公式サイトとかで情報収集するのが当然のようになってるのもなんとも。自分は公式とかわざわざ見ないため全く分かりませんでした。

そんな良く分からない設定に加えキャラクターも魅力的でなかったうえに、最後は結局フラクタルシステムは再起動して世界はいつも通りに戻ったし…結局何がしたかったのか分かりませんでした。オリジナル特有の、謎が判明してきてこれまでの伏線が明らかになったときの盛り上がり感が全く無かったのが痛い。そういう展開があればまだ評価は変わったかもしれません。

総評

Fractale21 Fractale22 全体的な感想としては、山本寛監督があれほどデカイことを言ったわりには全くの期待はずれでした。萌えや視聴者に媚びない作品を作るという姿勢は素晴らしいと思いますが内容が全くついてきていなかった気がします。これを「ノイタミナ」枠でやるのは失礼ではないかと…。おそらくもう視聴者もほとんどこの作品の存在を忘れていそうです。

個人的な感想としては、作画は特に悪いわけではなかったし(キャラデザはアレですが)、音楽及び主題歌も結構良かったですが内容が…。山本寛監督の話題作だったのと「ノイタミナ」枠だったため視聴していましたがそれ以外だったら余裕で視聴打ち切りのCランクです。「ノイタミナ」枠歴代最低視聴率0.9%も記録したし、もう山本寛は監督やらないでいいんじゃないでしょうか。