今期のフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」は思い切って完全オリジナル作品で攻めてきました。今回はその2作「C」と「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の第1話を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。
「C」…「モノノ怪」や「空中ブランコ」で監督を務めた中村健治による完全オリジナルアニメ作品で、アニメ制作はタツノコプロです。「ノイタミナ」枠歴代最高BD・DVD売り上げを記録したオリジナル作品「モノノ怪」の監督が再び「ノイタミナ」枠に帰ってきたということで一部では期待されていた作品です。
どうやら金を賭けて異世界でバトルを行うストーリーなようですがバトルの内容は意味不明でした。相棒と一緒に戦うようですが相棒はアバターのような人外だったし、これは1話ではちょっと理解できなかったです。
そして負けて資産がゼロになったら死ぬんでしょうか。こういう設定を見ると「東のエデン」のセレソン達による王様ゲームのような印象を受けましたが、こちらの「C」ではあそこまで深みがあるわけではないようです。
主人公に何かと世話を焼いてくれる女の子に彼氏がいることが判明したときは実況とかでは荒れていましたが、その彼氏が金持ちのお坊ちゃんだったことや、主人公の父親が蒸発した原因が借金らしきことから「金」が今作の重要なキーワードのようです。
そして冒頭で死んだおっさんの補充要員として主人公が選ばれたようで、振り込まれていた謎の50万に手を付けたことにより契約が成立したらしく2話から本格的に物語が始まりそうでした。自分の将来を担保にして金を借り、それを資産運用していく話のようですがそこでなぜこのバトルが発生するのか?金融街とは何なのか、そしてどんな結末になるのか全く予想できないので1話では判断せずにもうしばらく様子見したいところです。
作画は安定していて良かったです。タツノコプロが深夜アニメを制作するのはかなり珍しいと感じました。
総評
1話の全体的な感想としては、オリジナルゆえに1話ではなんとも判断しづらい内容でした。何より中村健治作品は非常にクセの強い作品作りが特徴で中盤以降盛り上がる傾向があるのでまだまだ様子見といったところです。
1話の個人的評価としては、これから面白くなることを期待して視聴継続のBランクです。
かつて個人的に第1話でDランクをつけた「空中ブランコ」が終わる頃にはAランクにまで昇格したことがあったし中村健治作品は後半化ける可能性があるのでこれからに期待しています。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」…A-1Pictures、フジテレビ、アニプレックスが共同で制作した完全オリジナルアニメ作品で、アニメ制作はA-1Picturesです。監督長井龍雪、脚本岡田磨里、キャラクターデザイン田中将賀と、2009年アニメ屈指の名作「とらドラ!」スタッフが再び集結したため注目されていました。
舞台は夏の埼玉県秩父のようで、子供時代はずっと一緒だった6人組が高校生になりみんな変わってしまった中、幼なじみの一人本間芽衣子が現れ幼少の頃の願いを叶えて欲しいと、主人公宿海仁太に話すところから物語が始まっていましたが…
こんな泣かせに来る作品だなんて聞いてないぞ!予想以上に涙腺に来る話でした。
あだ名の付け方や幼い頃は誰にでもあったような現実味のある設定に、あの絶妙な雰囲気、そして何より終盤の本間芽衣子の「…知ってるよ。」のシーンからエンディングまでの流れの絶妙さはまさに長井龍雪監督ならではの演出でした。
放映前は「あなるとかいうあだ名は無いわー」とかネタとして言われていましたが放映後となってはそんなことどうでもいいといった雰囲気で、1話の時点で絶賛の嵐でした。「とらドラ!」が好きだった人なら文句無しにハマれる作品だと思います。
作画は非常に良く田中将賀のキャラクターデザインを忠実に再現しつつ、埼玉県秩父の設定を生かし背景も美しかったです。このあたりはさすがA-1Picturesといったところでした。そして監督の長井龍雪が自ら書いた絵コンテと演出はさすがです。BGMも良く何よりあのエンディングのカバー曲が作品に合っていて絶妙でした。
総評
1話の全体的な感想としては、正に別格!「とらドラ!」スタッフらしい素晴らしい作品で、欠点らしい欠点が見つからない理想的な1話でした。
1話の個人的評価としては、全体的に完成度が高く2011年春アニメの中でも頭一つ抜きん出た存在だったため文句無しにSランクです。
もうこれで2011年春アニメの1位は確定でしょう!「とらドラ!」から続く長井龍雪監督作品にハズレ無し。今期も圧倒的な存在感でした。