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キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

時をかける少女 - 80's Movie Hits ! -

2013-07-05 | 80's Movie Hits !

- 80's Movie Hits! - 目次はこちら

■時をかける少女/原田知世
from「時をかける少女」(1983年・日本)

監督=大林宣彦
主演=原田知世 高柳良一 尾美としのり

 80年代アイドルの中でも”角川三人娘”は、活躍の場がほとんど映画というフィールドだったという点でもかなり異質な存在だった。薬師丸ひろ子が「ザ・ベストテン」で歌う!となるとオオッ!と思ったものです。それくらいにテレビ出演は少なかった。しかし知世チャンのデビューは「ねらわれた学園」や「セーラー服と機関銃」のテレビシリーズ(残念」ながら僕の出身地では放送されていなかった)。同じオーディションで1位を獲得した渡辺典子は「伊賀忍法帖」の主役(知世チャンが憧れていた真田広之の相手役)を獲得、知世チャンは特別賞であった。それで映画からデビューということにならなかった訳。

 角川映画に知世チャンが初登場するのは、ご存じ「時をかける少女」。僕は当時筒井康隆の小説(特にショート・ショート)に夢中で、同氏のジュブナイルが原作だけでも嬉しかったものだ。劇場公開時は見逃してしまったが、テレビの特別番組で観てから、僕は映画にそして知世チャンに夢中になった。大林監督の色彩美、原作にはないどこかおセンチなムード。そして大ヒットしたユーミン作の主題歌 時をかける少女。「時かけ」はファンだから認めるというタイプのアイドル映画ではなく、多くの人を魅了し、心に残る作品となった。それ故製作に関わった人々にも忘れがたい「時かけ」は、97年に角川春樹氏のメガホンでリメイクされている(主役は中本奈奈)。主題歌 時のカンツォーネ を担当したユーミンは、知世チャンヴァージョンと同じ歌詞に違うメロディをのっけた。そして同原作は、細田守監督によるアニメ版など多数のリメイクを生み、世代を超えて語り継がれている。

 「時かけ」以後の知世ちゃんの活躍振りは、申し訳ないけど渡辺典子のはるか上を行く。ひろ子・知世の2本立て公開された「愛情物語」ではバレエの経験を生かしたミュージカル映画だった。当時はキャアキャア言って観たものだが、冷静に考えるとこれは単なるアイドル映画だったようにも思う。森村桂原作の「天国にいちばん近い島」、「少年ケニア」や「幻魔大戦」ではアニメの声優も経験した。主題歌も美しかった「早春物語」では初のキスシーン。幸運なお相手は林隆三、ファンにはドキドキものだった。「黒いドレスの女」はハードボイルドサスペンスだったが、これはすっかり知世チャンが浮いていた。

 映画だけでなく、シンガーとしての活動は他の角川アイドルとは違い積極的だった。僕はそのほとんどを所有している(恥)。1stの「バースデイ・アルバム」ではユーミンの楽曲をカヴァー、2ndの「撫子純情」(名作!)では坂本教授のプロデュースの下で白井貴子や大貫妙子の提供曲を歌った。3rd「パヴァーヌ」は大貫妙子プロデュース作で、その雰囲気に癒される佳作。でもミーハーだった僕の一番のお気に入りは4th「NEXT DOOR」。秋元康、後藤次利の80年代を代表する名コンビ(?)と組んだポップなポップな作品。僕はこのアルバムのコンサートツアー”マスカット・リップス”に足を運んだ。熊本市民会館の前から2列目!。素敵でしたぁ・・・。中崎英也の名曲 早春物語 (後にセルフカヴァー)、どうしてますか 雨のプラネタリウム 等良い曲が多い(ひいき目)。

 角川事務所から独立後は、スクリーンでも大活躍。「私をスキーにつれてって」と「彼女が水着にきがえたら」のホイチョイ・プロ作品は、リゾートムービーとして大ヒットを記録した。歌の方は、この頃からアーティスティックな面が開花する。フレンチに挑んだ名作 ♪彼と彼女のソネット はエルザのカヴァー。そして90年代のトーレ・ヨハンソンプロデュース作は、従来のファン以外にもアピールして成功した。近頃は映画での華々しい活躍がなくなってきた。ちょっと寂しくはあるけれど。

※原田知世の歌が流れる主な映画
1983年・「時をかける少女」 = 時をかける少女 愛のためいき(duet with 高柳良一)
1984年・「愛情物語」 = 愛情物語 地下鉄のザジ ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ~ Curtain Call
1984年・「天国にいちばん近い島」 = 天国にいちばん近い島 愛してる 草冠の姫君
1985年・「早春物語」 = 早春物語 星のデ・ジャヴ
1985年・「二代目はクリスチャン」 = 二代目はクリスチャンのテーマ(BIRDS with 渡辺典子・原田貴和子・野村宏信)
1995年・「あした」 = あした





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2 コメント

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Unknown (imapon)
2013-07-06 02:06:21
原田知世の「時かけ」は今でも私の邦画ベスト10に必ず上位で入るお気に入りです。
映画をそんなに見なかった頃、確かニ番館で「戦メリ」との2本立て。
デビッド・ボウイ目当ての「戦メリ」も勿論良かったですが、筒井康隆の愛読者でありながら「ジョブナイルだからな」とノーマークだった「時かけ」の芳山くんにイチコロでした。
その後、林隆三との共演作も観ましたが、原田知世は私の中では芳山君ONLYです。
尾道の階段をゲタで駆け降りるシーンが最高でした。
理科実験室の煤を頬に付けて歌うエンディングに感動しました。
TV放映をビデオに録って何度も観てましたが、現在VHSデッキ故障中。さらにDVDも買って置いておきたいと常々思っております。(買ってないんかいっ!)
久しぶり聴きたくなりました、桃栗三年の歌・・・
このさいポチッと行っとく?
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imaponさんへ (tak)
2013-07-06 13:42:49
コメントありがとうございます。「時かけ」に思い入れあるんですねー、って僕ら世代は人並み以上にこの映画、原作に惚れてますもんね。

僕は筒井康隆のジュブナイルを、そうと知らずに小学校3年で初めて読んでトラウマになしました。子供の喧嘩に親が介入して、町と町が全面戦争に発展する「三丁目が戦争です」。挿絵が永井豪だったのがいけません!。純粋な少年はだまされたのです(笑)。

尾道三部作はどれも好きです。でも実験的な映像も含めて、ビジュアルとして心に残るのは「時かけ」。また観たいなぁ。
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