ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

北海道 稚内編

2020-08-03 20:08:23 | 旅行(国内)
北海道、稚内の宗谷岬へ行って来た。

日本の最北端、正確に言うと、本土最北端の地。ロシアのサハリンまで41キロ。行った日は晴れで、気温20度、けれど海風が冷たく、体感温度は15~16度の感じで肌寒かった。サハリンが見える日もあるらしいが、この日は全く見えずちょっと残念。観光客はほとんどいなかったが、バイクで旅するライダーの方々が結構、集まっていた。

稚内へは、札幌からJRの特急でおよそ5時間20分。北海道には元々、特急も含めすべての列車に5日間乗り放題で24000円という切符がある。今回、それが北海道版GoToトラベルとして半額の12000円になっている。これは窓口でこの金額で購入可能だ。普通に札幌ー稚内を特急利用で移動すると、片道1万円以上するので、かなりお得感のある切符になっている。なんでも、予算が尽きたら終了らしい。

札幌ー稚内を結ぶ特急列車は1日1本のみ。4両編成だが乗客は3割にも満たないほどガラガラだった。旭川を過ぎ、宗谷本線に入ると、無人駅が増え、周辺の風景も北海道のイメージそのものになる。時々、止まる駅もこじんまりしていて、人の乗り降りはほとんどない。たまに古い木造建築の駅舎のある駅もあり、さながら、健さんの映画「ぽっぽや」を思わせる。

突然、車内放送で「この先、列車はシカなどの動物と接触多発区間となります、急停車にご注意ください…」とアナウンスがあった。面白いと思って聞いていたが、帰りの列車で見事、シカと接触し急停車。列車は遅れる羽目に…。本当にあるんだなと納得した。

国境の町、稚内。

昨年まではサハリンのコルサコフまでの船が出ていたのだが、すでに廃止されてしまった。ようやく昨年から極東ロシアへ、電子ビザでの往来が可能になったばかりなので、そのタイミングでの廃止は、往来増の流れに逆行するようで残念でしかない。市内にある寂れた商店街のアーケードにはキリル文字の案内が数多く記されていて、少なからず交流があった痕跡が残っている。

稚内はうら寂れた最果ての港町という感じで、特に何があるわけでもないが、またそれが良い雰囲気を醸し出していて、個人的にこういう町は嫌いではない。稚内では車を借りた。宗谷岬までは30キロほどあり、人数によってはバスで移動するよりも安上がりだ。宗谷岬ともう一つ、ノシャップ岬というのがある。根室の先、納沙布岬と似ていて紛らわしいが、こちらはカタカナ表記、遠くに利尻富士が見えた。また高台には巨大なレーダーアンテナがいくつもある航空自衛隊の駐屯地がある。とても大きな駐屯地で、ここはまさにロシアと対峙する北方の最前線なんだなとつくづく…。

夏の北海道は湿度も低く、本当に気持ちが良かった。もはや本土は亜熱帯になりつつあるので、尚更そう思うのかもしれない。でも、もし今度来るなら、冬だなと思う。やはりこのうら寂れた感を味わうには、人のいない冬の方が、きっと味わい深いはずだ。今度は、ぜひ炭鉱町にも行ってみたい。

そんなことを思いながら札幌へ戻った。

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