ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

逃げるが勝ち

2013-12-28 21:02:46 | つぶやき
中国での定宿の近くにマックがある。ビルとビルをつなぐ通路部分が
店になっていて、その下は片側2車線の車道になっている。
ちょうど歩道橋の上に店があると言えば、イメージしやすいかもしれ
ない。

日本ではめったに入らないマックだが、中国では日に2回は必ず行く。
しかも滞在時間は1時間以上いる時もある。
もちろん、食事しに行くわけではない。コーヒーを飲みに行くだけだ。

私の朝はコーヒーから始まる。なんて言えば、ちょっとスカした奴
ぽいが、要はコーヒーさえあれば食事は抜きでもいいし、コーヒー
ならまぁ、何でもいい。ただとにかくコーヒーだけは飲みたい。

もっとも定宿にしているホテルにはちゃんとした朝食が付いている。
そして一応、コーヒーも紅茶もある。しかし、不味い。というか不味
過ぎるのだ。どう少なく見積もっても、泥の味以外の何ものでもない
代物だった。

初めて宿泊したとき、そのあまりの不味さに何かの間違いかと思い、
次の日も試したが、やっぱり泥味だった。以後、毎回泊るたびに今
度こそは、と試すのだが、何度試してもやっぱり泥の味しかしない。

一度は、「これはもう、こいういう味のコーヒーであって、別段、悪
いモノが入っている訳ではない…」と言い聞かせ、我慢して飲んだら
間髪入れずに下痢になった。

おそらく、いや間違いなく、何か悪いモノが含まれていると思われる。

それ以後は試すことなく、朝食後と仕事が終わったら、このマックに
直行しコーヒーを頼み、下を通る車を眺めながら帳簿付けやら事務処
理をしている。

前置きが長くなったが、このマック、人だらけの中国にあって、なぜか、
いつも空いていて大変居心地が良いのだった。これまで何十回と通った
が座れないことはなかったし、ましてや日本人に遭遇することもなかった。

しかし、今回、そこに日本人おやじがいた。別に居たっていいし、来るな
という権利もないが、まぁ、これが物凄い胡散臭いおやじで、しかも大き
な声で電話をしていた。

「あのチャンコロにちゃんと言っとけよ!…」

「チャンコロ」

戦前に使われた中国人への蔑称だ。この時代に生で、しかも中国で聞くと
は思わなかった。もし、この言葉の意味を知っている中国人が周囲にいた
ら袋叩きにされてもおかしくない言葉だ。

アホな人なのか、勇気のある人なのか、きっと前者だろうけれど係わりた
くないバリヤーを最大限張って一番遠くに座った。しばらく目を合わせず
にいたのだが、なんとなく気になってチラチラ見てしまう。その後、少し
経ってから、なんとこのオヤジが中国語で「○×○×」と話かけてきた。

「ヤバイ!」

中国語はわからないし、「わかりません」と言ったら日本人だとバレてし
まう。バレたら長くなりそうな気がしたので、どうしようかと悩んだが、
意を決して飲みかけのコーヒーを持って逃げてしまった。

逃げた後、少し経って「なんで毅然とした対応ができなかったのだろう」
と、そして「なんて小さな人間なんだろう…」とちょっと落ち込んだ。

人は見かけで判断してはいけないし、暴言のひと言で判断するのはどうか
とも思う。

ただ、それにしても「チャンコロ」はないだろう。

しかし、今となっては、やっぱり「君主危うきに近寄らず」で良かったの
だと思っている。

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