忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

私の家です

2009-06-29 | 日々
 帰り道でいつもの大きな果物屋さんに立ち寄る。「出て来なさいよ」と警察の犯人逮捕のような呼びかけにも応じず、私は一人頑固に駐車場の車内で一休み。
 やがて一人が車に戻って来た。二人揃って待っているのもと私が外に出た。黄色い壁のくだもの屋さんの屋根越しに見える家の屋根が、さっきから気になってもいた。
 以前新築中の屋根の上で、大工さん二人が垂木を打っていたあの家かと見に行きたくなる。確かめる時間くらいは大丈夫と勝手に考えた。
 やはり屋根から笑顔の家だった。道路側に電気工事だろうか脚立に上がった人の背中が見える。通り過ぎると裏側で子供たちがにぎやかに遊んでいる。
 丁寧な木造りの格子が遊び道具、近所の子供でなければよいが。それとも作業している人が、仕事を見せるために子供を連れて来たのかも。
 引き返すとさっきの人は脚立から下り角材を手ノコで見事に加工している。振り向いた笑顔であの時の大工さんだとわかる。
 「ええ、私の家なんですよ。屋根には特に凝ってみました」私が見上げていたのも知っている。「子供たちが居たでしょう。もう住んでるんですが、どうぞぐるっと見てください」
 庭は工事中そのものだが、玄関やベランダから家族の幸せな暮らしがある。職人のお父さんは休日返上で、より良い家に。「どうぞまた見に来てください」家を建てるならこんな大工さんに頼みたい。