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コージーミステリを読み耽る愉しみ その22 バブルズ・ヤブロンスキー(サラ・ストロマイヤー著)

2022年11月09日 | 小旅行を愉しむ
バツイチで子持ち(毎日髪の色が変わる高校生)の34歳美容師のバブルズが、自らの生活を変えようとコミュニティカレッジでジャーナリストの講座を取る。美容師として客の噂話に耳を傾けることが第二の天性となっているバブルズにとって、ゴシップ集めは大好物であり得意技。橋から身投げしようとした高校教師の取材で現場に潜り込んだところ、かつて物理を教えてくれた教師であることがわかり体を張って自殺を思いとどまらせる。この時に一緒に組んだカメラマン、スティレットがメグ・ギブソンばりのいい男だったので心はメロメロ。だが、今までの性生活から学んだ経験からしっかりと股は閉じたままにしておく。

事件解決した直後に母親がバスの乗っ取り事件を起こしたと聞いて現場にスティレットと急行する途中、早道として通った公園の中で人が死んでいるのを発見。側にあったレンジローバーに乗っていたのは地元有力者の若い妻。酒か薬でへべれけになっている。証拠写真のフイルムを渡してスティレットはズらかってしまう。地元警察との関係を考慮してのこと。残されたバブルズはヒールが道の割れ目に入ったかなにかで倒れて気絶。気付いたたら、手にしていた携帯電話と証拠写真フイルムがなくなっている。新聞社に戻ったバブルズは今見てきたばかりの事件を記事にする。地元有力者の妻を名指しで殺人と結びつけ、警察官の言葉を拡大解釈して台スクープに。翌日、有力者から訴訟すると脅された編集主幹から呼び出され事実確認をされたものの、証拠がない。新聞社は日和って謝罪記事を出し、その中で記者ノバブルズはボロクソに言われてしまう。自身も訴えられるおそれもある中、自分に掛かった汚名を晴らすためにバブルズは事件の渦中に飛び込んでいく。母親のルールーはぶっ飛んだ行動をするし、母親の同居人のジュヌヴィエーヴは傭兵も顔負けするくらいの戦闘オタク。家の警備のために有刺鉄線を張りめぐらし、廊下には小豆をばらまき、窓に乾燥豆とポテトのブービートラップを仕掛けてバブルズを守ろうとする二人。

母親と同居人、美容室の経営者、娘に助けられながらバブルズは事件の真相にグイグイと迫っていく。そこへ地元有力者が雇った殺し屋がバブルzを狙う。いつも寸前のところでスティレットが現れて命を取り留める。二人の関係に疑問を持ちつつ、遮二無二渦中へ飛び込み続けるバブルズ。そして、10年前の高校生チアガール自殺事件も字図からが信じていたように他殺であり、今回の事件とつながっていることをつかみ出す。そして汚名返上するのみならず記者としての実力もいかんなく見せつけて無事に美容師の職へと戻っていく。記者はあくまでも趣味としてやるだけと宣言。

作者のサラ・ストロマイヤーは、ジャネット・イヴァノビッチから励ましを受けてこの処女作を仕上げたと後書きにあったが、主人公ノバブルズはイヴァノビッチが書くステファニー・プラムにそっくり。素人ゆえのハチャメチャな行動、回りのやっかむくらいの男前でプレイボーイ(らしい)のスティレットからは深く好奇心を超えた複雑な心情を持たれている。そして、自ら墓穴を掘ったようにでいながら最後はしっかりと宝物を掘り当てるというラッキーさ。このシリーズは7作まで出版されていることがウィキペディアに出ていたが日本ではこの1冊のみのようなのが悔やまれる。

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女装したゴジラでも見るような目でわたしを見つめていた。
天然素材にはアレルギーを持っているバブルズが好む服装はストレッチ・チューブトップとホットパンツ。髪は美容師として盛り上げており、化粧もばっちり。そんな恰好で事件現場に行ったがために、警官からこんな目で見つめられてしまう結果に。

わたしはタバスコにどっぷりつかった赤唐辛子よりも過激な女なのだ。
自分で自分を形容したことば。前後を考えないめちゃくちゃな行動が可愛く見えてしまう。

「いったい全体、あれは何だ。おっぱいのついたシャーマン戦車か?」
バブルズを助けに地元有力者邸に忍び込んだ完全武装のジュヌヴィエーヴを見て発せられた言葉。気取っていた名士も一皮むけば品のない男であることが暴露される台詞だ。

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