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好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

「そんなに長いこと待てないわ」

2005年10月22日 | パルプ小説を愉しむ
『ラヴァーズ』(ジュディス・クランツ)の中で、主人公のジジの父親と親友が出会った瞬間に恋に落ちたときの二人の台詞。

「今夜のディナーに付き合ってくれないか?」
「だめ」
「どうして」
「そんなに長いこと待てないわ」


こんな台詞を吐いてくれる女性に会ってみたい。「うっそぉ~」とか「まじで?」としか言えない馬鹿女が最近は多いぞ。

高級通販会社から小さな広告代理店のコピーライターにヘッドハントされた主人公ジジは、元気とやるきと可愛らしさのオーラが500%発しているようなキュートな女性。映画監督のザックと分かれた途端、大金持ちの若手事業家ベン・ウィンスロップに気に入られて、仕事と恋の両方を手に入れる。個人ジェットでヴェニスに連れて行かれ、楽しい旅を愉しみつつも、スクラップにされそうな船体を改造して超高級クルーズ船にしようなどという突飛もないアイデアを出して実行させる。それがまた馬鹿当たり。やる事なすことすべてビンゴという、少女漫画そこのけの活躍お嬢さん。

最後は、ベン・ウィンスロップが汚いビジネスをやっていたことを発見して縁を切って元の恋人と寄りを戻すのだが、こちとらにとっては汚いビジネスとは思えない。ちょっとやりすぎかも知れないがビジネスはビジネス。縁切りするほどのものでもなかろうと思うのだが、潔癖熱烈な少女漫画ヒロイン風には許せないのかな?

お金がたんまりとあって、贅沢のし放題。しかも見目良き男が次々と自分に恋してくれて、最後は純粋な心が勝つといったミーハー女性が描きそうな夢の世界が綴られておりました。

中に登場するビジネスで成功した女性がこのように描かれている。嫌いなタイプの描写となると残酷になるのも女性らしさかな。

ミリセントはまだブロンドで、まだきれいで以前よりもっと活発になっていた。極端に女らしい服装と巨大な宝石のコレクションを身に着けて彼女のスタイルと富を誇示していたが、その姿は極彩色の小鳥をおもわせるところがあった。力を振り絞って飛んだり囀ったり、かつて自然に振りまいていた黄金色のオーラを維持しようとしてますます干からびて人工的になっていった。

客観的な描写のようでありながら悪意がプンプン匂う。男には書けない文章だと思うな。

それはそうと、広告業界で大成功したこのミリセントの実の娘は母親に逆らうのだが、最後は負けてしまう。その対価は、何と母親の代理店の東京支社に送られるという設定。東京に駐在するって島流しのような感覚なのかな?
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Whoever loved, that loved not at first sight?

2005年10月10日 | Cinemaを愉しむ
「ディヴォース・ショー」の中で、やり手離婚専門弁護士のジョージ・クルーニーが、食事の席上でキャサリン・ゼタ・ジョーンズが引用した下の台詞に切り返す引用。

Dismiss your vows, your feigned teras, your flattery. For where a heart is hard, they make no battery.

キャサリン・ゼタ・ジョーンズが扮する女がなかなかのツワモノで、金持ちの男を誑かして結婚しては慰謝料をふんだくるという危険な女。そして何と行ってもモラルのかけらもないワル。何の古典だか分からないが、こんな台詞を自由に引用できるのだから、お頭も良い美人で超魅力的な女。引っ掛けられたのが南部の石油成金かと思いきや、実は自分だったという冴えない弁護士役のクルーニー。それでも愛はすべてを超越するという今の時代のおとぎ話よろしく悪女も愛に目覚めて、一件落着と相成りました。

冒頭シーンで掛かっているSimon&Garfunkelの"The Boxer"がこの2つの台詞以外では印象的だったな。
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