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『東大現代文で思考力を鍛える』 (出口汪著)

2023年09月09日 | 人生の知恵
少子化により、年々大学受験競争は緩和されつつある。そのため、東大合格者は二分されているという。論理的な頭を持ち、軽やかに受験を乗り越えていく人と、青春時代の大半を受験に費やして、才能をすり減らしてしまったガリ勉とにである。(中略)東大が求める「柔軟な思考力」と「論理力」の二つの能力が重要なのは、むろん東大生に限った話ではない。これからの時代を生きるすべての人に、要求される能力なのだ。(中略)つまり、ものを深く考えたり、鋭い感性でものを捉えたりするときは、私たちは英語ではなく日本語でそれを行うということである。日本語でものを考えることができない人間が、いくら英語が喋れても、それで国際人だとはとても言えない。(中略)まずは母国語である日本語の現代文を自在に扱えることが肝心であり、東大が真に求めているのは、そのよな人材なのだ。

東大の出題者が求めるのは、固定観点にとらわれない柔軟な思考力と、それを他者に正確に伝えるための論理的な思考力である。(中略)考えてみれば、私たちはずっと答え探しの教育を受けてきた。大切なことはあらかじめ決まっていて、それを有無を言わさずに詰め込まれてきた。だが、人生において、さらには、これからの時代において、誰かが決めた正解などどこにもない。政治家や宗教者、あるいはお金儲けが得意な人が答えを出してくれると、心のどこかで信じている。ずっとそのような教育を受け続けてきたのだから。その結果、思考停止状態に置かれてしまったのだ。
現代文というのは不思議な教科で、あらかじめ決められたものをこたえるのではなく、文章のな中からその答えを自分の頭で探し出して来なければならない。現代文の問題を解くというのは答え探しの教育から脱却するための、処方箋となるのかもしれない。

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