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好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

『優雅なハリネズミ』 ミュリエル・バリベル著

2024年08月19日 | 読書雑感
文明とは、抑制のきいた暴力にすぎず、人類はサルの攻撃的性格を永遠に克服できません。なぜなら我々はサルであり、苔寺の椿の花を楽しむことを知っても猿でありつづけるからです。教育の役割はまさにそこにあります。教育とは何か?人類の欲動を紛らわすものとして苔寺の椿の花をたゆまず与えていくことです。人類の欲動は決して止まらず、生き続ける命の脆い均衡を脅かしつづけるからです。

言葉は人間の財産であり、言葉を使うという社会共同体の発展は貴重な産物です。(中略)社会において選ばれた者たちは、貧しい者の宿命である隷属状態とは別の運命にあり、ゆえに言葉の素晴らしさを大切にし、守っていくという二つの使命があるのです。

最も高貴な概念は、最も野蛮で下衆なものから生まれるということなのでしょう。”美とは相応しくあることだ”という崇高な考えが心に浮かんだのです。美学とは、すこし親権に考えれば、相応の道、つまり確かな形の直感に対応した武士道のようなものへの通過儀礼以外の何ものでもないと分かります。(中略)私のように取るに足りないものの偉大さに昆布された者は、本質的でないものの核心までそれを突き詰めます。するとそこに、平凡な衣に飾られたそれが、ありふれた現実と”これがあるべき姿である”という確実性、、”まさにこの通りである”という確信の構造が浮き上がるのです。
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