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好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

大原美術館

2006年05月28日 | My Diary
倉敷に出張した折に、大原美術館に行ってきました。この高名な美術館は、個人が設立した日本初の美術館とのことで、西洋美術のみならず日本や東洋の美術品も幅広く揃えられておりました。


場所はJR倉敷駅から歩いて約10分。小さな川沿いにある「美観地区」の中にある立派な西洋建築の建物で、正面左右にはロダンの彫刻が鎮座し、大層立派な外観を有しています。


館内には、ピカソやモネ、ルノアール、エル・グレコといった高名な画家の作品が多々展示されており、田舎の美術館といった偏見は吹っ飛びましたね。東京の美術館にも決して負けない、むしろ勝っている。モディリアニの「ジャンヌ・エピュテルヌの肖像」が最も有名なようだが、私としてはパリの街頭を描いた2作、ジャン=フランソワ・ラファエリの「アニエールの街路」と佐伯祐三の「広告="ヴェルダン"」が気に入ったね。
 

実は前夜に、地域のケーブルテレビの集まりがあり、そのパーティーに館長さんが参加され、挨拶をされていました。「発掘」と「結びつけ」が自分の仕事には必要であること、これらは地域の情報発信にも必要な要素であり、ケーブルテレビが持っている強みだというのが内容でした。ご自分の思っていることを自分の言葉でしっかりと発信されておられ、この手のパーティー挨拶にありがちな他の参列者たちの当たり障りはないが内容が全くない挨拶とは一線を画していましたね。これを聞いて翌朝イチバンに行ってみる気になったのでした。

来ている客は地元の小学生の集団にお年寄りのグループ。それに外国からきた見学者が多かった。ショップ店員に聞くと、海外からのツアー客の訪問は多いとのこと。驚いたね、日本を代表する観光名所だったとは。展示物からしても、見て損は無いところか、是非見るべき美術館だと思いましたよ。

入館料はたったの1000円ですから、良心的です。パンフレットを見ると、寄付のお願いに併せて、寄付していただいた際の待遇もしっかり記載されていました。5万円以上はブロンズプレートに記名されて感謝状が頂ける。最も高額寄付の10億円以上ともなると、アーティストによるレリーフに記名がされるとのこと。運営がしっかりしているのでしょね。

大原美術館HPはこちら

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「神様もきっと、そういう目にばかりあうんでしょうね」

2006年05月14日 | パルプ小説を愉しむ
前回に続きロバート・ウォーカーの作品からです。『ハートのクイーン』は「女検死官ジェシカ・コラン・シリーズ」となっているが、前作で紹介した超能力者のキム・デジナーもジェシカ・コランと並んで主人公として活躍しています。

科学に裏打ちされたものしか信用にはジェシカが超能力者のキムと一緒に連ニューオーリンズの連続殺人事件を調査することになった時、お互いの能力を認め合いながらも警戒しあったジャブの応酬があります。自分の狙う別の連続殺人犯に怯えるジェシカはキムの超能力にすがろうともしますが、一時心を許しあうシーンでジェシカがキムに言った台詞。超自然的で説明のつかない出来事を見せ付ける超能力者に、頼りにしながら他方で全面的に信用しようとはしない、そんな多くの人間の態度をジェシカはこういったのです。

「神様もきっと、そういう目にばかりあうんでしょうね」

常々思うのだが、このような気の利く台詞が出せることが欧米のノベルの粋なところだと思う。こんな台詞を実生活で吐いてみたい。

粋な台詞の他に、物語の進行に併せて作者なりの哲学が登場人物の口を借りて出てくることも魅力の一つ。

「わたしたちが誰で、どういう人間かとか、これからどういう人間になるかを左右するのは、わたしたちが抱いている恐怖心と不安なのよ」

何気ない台詞なのだが、仕事なり恋愛なりで他人と相対峙するときに、相手方がこちらをどう思うかって気になりません?交渉に強い人間って、こちらがどう思おうと関係なくグイグイと攻めてくる。こちらは相手がどう思うかが気になってくると、相手の望むようなことをつい言ってしまう。「恐怖心と不安」を持つか、持ったとしてもどう対処するか、世に問うほどの名言ではないが、真理をついていると思う。作者の哲学がこんな形で出て来ることも読書の愉しみだ。

ニューオーリンズでゲイばかりが狙われる連続殺人が起こる。被害者がすべて心臓を抉り取られているという共通がある。別の狂人殺人犯から付けねらわれているため、ボディガード付の生活で隔離されているジェシカは、殺人犯を誘きよせるためにもニューオーリンズ行きを希望する。一緒に行くのは超能力者のキム・デジナー。お互いに信頼しつつ、でも対抗意識を持ちつつ、現場に乗り込むが、担当の警官はどちらにも素っ気無い。自分の担当事件が取上げられると思っているから。有能だが敵意を持つ担当警官と一緒に事件に当たるのだが、このあたりの反発と次第に育ってくる尊敬の念は決してワザとらしくはないが、お約束のパターン。結末は、親からの愛情を嫉妬するあまり弟を妬む最初の被害者の姉(精神を病んでいる)が犯人で、この一族が政界に顔が利くばかりに、警察上部と地元FBI局長すべてに因果を含めて事件を歪めていた。それを科学捜査に超能力が加わって、一気呵成に解決していく。

謎解き自体は大した魅力ではないです。ジェシカとキム、そして地元警察のシンスボウのお互いの対抗意識とそれらが氷解するまでに進行が読みどころ。

「人生は振り返って理解することはできる。しかし、人は前に向かってしか生きられない」

キルケゴールが言った台詞として紹介されているが、これも実生活に当て嵌まる名句。例えば、ビジネスにおいて結果論からどうやこうや解説する輩がいるが、説明や解説が上手くても、自分がビジネスを実行できる訳ではない。人が気付く前に市場ニーズを見出し(これは時には独断的な判断のように見られることがある)、それへの対応を考え出す。誰もやったことがなく、気付いてないことだから、上手な説明ができる訳でもない。得てして廻りは反対意見。これを押し通して成功するやいなや、「顧客のニーズをうまく汲み取った」とかなんとか解説がなされて、成功するのが当たり前であるかのように説明をする評論家たち。最近そんな報道や社内での小ざかしいコメントにうんざりして来ている。
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「おれのためだったら、どうぞそのままで」

2006年05月05日 | パルプ小説を愉しむ
『肩の上の死神』(ロバート・ウォーカー)の主人公ルーカスが、同じ分署に勤める精神科医メレディスの自宅に深夜寄った時、身支度をしてくると言ったこの美貌の精神科医に対して言った台詞。何気ない言葉でありながら、意味深で気になる台詞。

ルーカスはテキサス・インディアンの血を引くヒューストン警察の刑事。そしてメレディスは才色兼備の白人の女性。この二人は惹かれあっているのだが、寄ると必ず言い合いが始まる。男女設定が逆だったら、何の問題なく恋愛関係をうまく進展させているだろうに、男が少数派民族だと白人女性との恋愛は難しいのはアメリカらしい。尤も、差別されてきたことが明白で、常に差別を主張し続けている黒人の場合は、逆に特別に扱わないと「人種主義者」というレッテルを押されてしまうので、相手が白人女性であっても物語の中での恋愛は自由なのだが。

ヒューストンで黒人少年ばかりを狙う連続誘拐殺人が発生。ルーカスは捜査チームに入れないが、担当となったFBI心霊捜査官の要請で、メレディスと三人で捜査にあたることになる。この事件と平行して、50年前のインディアン女性殺害の捜査も気になっているため、同時に扱うことになる。

心霊捜査官のキムは、超能力で被害者の意識に入り込み、どこで何をされているか、相手はどんな人間なのかを透視しようとする。インディアンの英知を持っているルーカスもちょっとは神がかり的な能力があって、独自のやり方で犯人像プロファイリングを作成する。捜査過程や謎解きには魅力がないのだが、たぶんにインディアン霊感を持っているがごとく描かれるルーカスのミステリアスかつスピリチュアル、ストイックな魅力がこの小説のキーポイントとなっているんだな。

著者はルーカスにインディアンとしてのアイデンティティを主張させるために、白人を意識した言葉を多く吐かせている。

「白人は、現実を簡潔でもっともらしい言葉にまとめるのが好きなんですよ。バンパー・ステッカーに刷り込むのにちょうどいい言葉にね」

別に白人の限らない。ちょっと頭が切れると自惚れている輩が吐く気取ったコメントに対して、言ってやるのに相応しい台詞だな。
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デイトレ初体験

2006年05月02日 | My Diary
今日はお休みをとったが、雨降り。そこで午後からデイトレを初体験。カブ.comのフラッシュというサービスで株価変動をオンタイムでチェックしながら、売買回転が速い2銘柄を選んで投資。

一つは現物株取引で、もう一つは信用売買。現物売買の方は300万円ほどの投資で2.6万円も儲けだから0.8%程度の利益。信用売買の方は1500万円も使ったのに、2千円弱の損。上がり基調の時に、もっと上がるだろうと欲を出したら、下がってしまい、2時40分頃に買値近くまで戻したのだが、ここでも又もっと上がると待ったがために結局は1/3ほどを買値よりも5円ほど下回ったところで売らざるを得なかった。

反省点:
信用のデイトレはすぐに利食おう。一回の利幅ではなく、確実に儲けて、その分回転させよう。
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