お愉しみはココからだ!!

映画・音楽・アート・おいしい料理・そして...  
好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

「神様は画家だったに違いない」

2004年12月30日 | Cinemaを愉しむ
精神分裂症を病んだ天才数学者と彼を支える妻の物語『ビューティフルマインド』。ハリウッド映画ならではのヒューマンドラマといったところ。
"神様は画家だったに違いない。Why else would we have so many colors?"
"Conviction is a luxuary for those on sidelines"といった面白い文句が聞けたことが収穫。

監督:ロン・ハワード
主演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー
音楽:ジェイムズ・ホ-ナー
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「年を取るってこういうことなんだな、最近わかってきたよ」

2004年12月28日 | パルプ小説を愉しむ
『匿名原稿』(スティーブ・グリーンリーフ)の知性派探偵ジョン・タナーがふと口にする台詞 - 「年を取るってこういうことなんだな、最近わかってきたよー人間は、最初の40年で自分を支えてくれる原理原則を使い果たすんだ。だから、今おれは、新しい原理原則を見つけようと努力しているのさ」

友人の小編集会社からの依頼で事務所に突然現われたベストセラー間違いなしの原稿の著者を捜し回るうちに、5年前の名門高校で起きたセックス・スキャンダルという実際の出来事がプロットであることに気づいたタナーが当時の関係者に接触。スキャンダルに巻き込まれて刑務所に入っていた元教師が殺され、無事タナーが事件の真相を暴くのだが、こうやって内容を記録するにも大したプロットでないことが分かる。それにもかかわらず夜中まで読ませてしまう力はなんなのだろう。

【その他のお薦め台詞】
一人の登場人物のアメリカ観 -
「ウォール街のビジネスマンにはジャンクボンドやストックオプションという名の紙幣を刷ることを許す一方で読み書きの満足にできない貧しい女性には子供を養うために食料援助を受けなければならないことを6ページの書類に記入して証明しろというアメリカ、エリートたちが価値あるものを作り出すかわりに生産手段を外国企業に売り渡す仕事で高い報酬を得るアメリカ、・・」
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「いまはファンタスティックは時代は終りを告げ、経理屋どもが音楽の楽しさを数値化しようとしている」

2004年12月15日 | パルプ小説を愉しむ
『A&R』(ビル・フラナガン)の中で、業界の大立者のCEOが最近の業界を嘆いて言う台詞がこれ。
「いまはファンタスティックは時代は終りを告げ、経理屋どもが音楽の楽しさを数値化しようとしている。この業界を支えていたすべての忠誠心は、”クビになるまえに百万ドル儲けるにはどうすりゃいいんだ?”という底なしの欲望にとってかわられた。」
ジム・カントーンは小さい音楽会社から大手ワールドミュージックに引き抜かれたやり手A&Rマン。この会社のCEOは音楽界では伝説となっている人物。1年前から目をつけているバンド「エルサレム」と契約を結びデビューは成功。音楽業界ならではははちゃめちゃな刺激的で派手な生活を楽しむとともに2人の双子をかわいがる家庭的な男でもある。そのなジムのまわりで会社をめぐる覇権争いが勃発。CEOの旅行中をいいことにNo.2の社長がCEOの追い落としを画策。CFOと組んだこのたくらみは成功に終り、CEOのビル・ドゴールは投げ出される。ビルはまえから手がけていたバミューダーのリゾート地の開拓、それもミュージシャンをよべるようにレコーディングかつはでな遊び場にしてしまう計画に夢中。ジムはクーデター派には加わらずに正直な気持ちをTVや雑誌に語ることで新体制からは目をつけられてしまう。ところが野心家の新CEOはオセロよそしく他人を信用できなくなり会社はぼろぼろ、本人もつまらぬことからケチがつき会社をほおリ出されてしまう。結局は正直もののジムは目出度し目出度し。
音楽業界の一員が中から見た業界を描いたとってもポップでヒップな小説。

【その他のお薦め台詞】
業界の伝説男を語る熱いラブコールをひとつ -
「ビル・ドゴールのような人間は会社の作業工程図さえ読めないし、社員の序列を無視ばかりしていると主張している者もいます。・・・しかしそもそもわたしたちのいるこの業界は、そうしたビルのような、欠点のある人々が創りあげたものなのです。ガッツと忍耐力を備えた彼らは、森に分け入り、三角州を下り、海を渡っていきました。さもさければ、大音響が轟く薄汚いバーへ入っていき、"すべての人間がこの音楽を聴くべきだ"と熱く反応したのです。」
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「そんな消極的な考え方はあんたらしくないと思うがね。もっと積極的に考えなきゃ」

2004年12月04日 | パルプ小説を愉しむ
『グリッツ』(エルモア・レナード)で、自家用飛行機を出せと脅されて抵抗したジャッキーに主人公が吐いた台詞。
かつて逮捕した男の逆恨みで撃たれた警官ヴィンセント・モーラがリハビリ兼休暇で訪れたプエルトリコで一人の女と知り合った。彼女は大金持ちの誘いで、アトランティク・シティのカジノホテルでホステスで働くことになったが、高層マンションの部屋から身を投げた。自殺か他殺か。連絡を受けたヴィンセントはNJへ飛び、地元の警官と一緒にフリーで捜査にあたる。ホテル王のトミー・ドノバンと美しく聡明かつ打算的な妻のナンシー。カジノ支配人のジャッキーとボディーガードで元ドルフィンズのラインバッカーだったディリアン。皆一癖も二癖もありながら魅力的な人物。半ばおかま口調で次から次へと迸り出る言葉に負けず頭の中が回転するジャッキーの自己顕示欲旺盛さはこれでもかこれでもかというほど繰り返される。ボディーガードでありながら大胆不敵なヴィンセントに惚れ込み、肩入れするディリアンは身長195cmの巨漢でありながら、頭脳の冴えがみごとな実はインテリ。上司のおしゃべりに適当に付き合いながら冷静に出来事を判断して人物評価を的確に下す。ヴィンセントを助けながら殺人犯を追う。
何より見事なのは、ごくさりげない物腰の中に不適な面だましを秘めたヒーローのヴィンセント。物に動ずることなく、冷静客観的に物事を判断。マスクはあまく、39歳の男前はホテル王の妻ナンシーに言い寄らせながらもすげなく扱う。金も女もなにもこの男を操ることが出来ない、心がハードボイルドな警官。読みながらも次の展開が待ち遠しくストーリーというよりも人物の描き方、言葉の交わし方が気になって次々読み進んでしまった。
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