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ディアネイラを略奪するネッソス

2013年09月23日 | My Diary
東京都美術館で開催されているルーブル展に行ってきました。最終日の午後だったこともあって大変な賑わいでした。

テーマは「地中海 4000年の物語」。ギリシャやローマの時代から中世十字軍の時代を経てルネッサンス。そしてナポレオンによるエジプト遠征と主として英国上流社会子弟によるグランドツーリズムに至るまでの絵画や彫刻、装飾品がこれでもかという位に展示されていました。

古代のギリシャやローマ時代は美しい肉体美を誇る彫刻が見ものですが、ローマ帝国が滅亡してキリスト教が中心の中世になると、美術のレベルがグッと下がるのが衝撃的なくらいに顕著に現れていました。ギリシャやローマ時代の彫刻は躍動美がありつつも美しいのみ対して、十字軍時代のヨーロッパの彫り物は小学生の作品並のレベルでがっかり。でも時代が経て、ルネッサンスを過ぎた頃からの絵画の美しさは何が理由で出来の悪い子が天才になっちゃたんだろうか!と思うくらいに変貌しています。

一番目を惹いた作品はこれ。「ディアネイラを略奪するネッソス」という題で1755年の作品。


何と言っても色彩の美しさが抜群でした。連れ去られようとしているディアネイラのピンクと金色の衣服、そして色白の肌が興奮でピンク色に染まっている色彩が何と美しいことか。他は暗い絵画が多い中、展示場のライトを浴びで浮かび上がったこの絵に目が離せませんでした。

ギリシャ、ローマ時代のオリンポスの神々を描いた彫刻が持つ力強さと躍動感は何時間見ていても見飽きない。でもその時代の絵画はほとんど目にすることが無く、絵画が素晴らしくなっていくのは中世以降。想像の世界を題材にしながら写実的に創造することが発展してきた作品の一つなのでしょう。

この作品の持つ色彩美や、前に書いた人物が着る衣服の質感といったものに私は大いに反応しますね。
コメント
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