お愉しみはココからだ!!

映画・音楽・アート・おいしい料理・そして...  
好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

不倫の恋から生まれた産業

2017年08月29日 | 美味しいを愉しむ
NYのマンハッタンで美味しいコーヒーを出す地元の有名店を運営している美人店主が、素人探偵としてコーヒーに絡む色々な殺人事件に無謀にも首をつっこみ、すったもんだの末に見事に解決していくライト・ミステリーのシリーズ 『秘密の多いコーヒー豆』(クレオ・コイル著)に書かれていたコーヒーに関する薀蓄。

    ====================

コーヒーは盗みと密輸によってグローバルな換金作物と育っていった歴史を持つ。

元々コーヒーは、エチオピア人が自分たちの土地で野生のものを発見したのが始まりと言われている。これをアラブ人が栽培し輸出し、長期にわたって独占事業として儲けていた。外国人はコーヒー園に入ることを許されず、豆は熱を通すことで発芽の可能性をなくした後でなければ他国に輸出されることはなかった。

17世紀に入りインドからのイスラム巡礼者がコーヒーの枝をインドに密輸入した。その後すぐにオランダ人のスパイがコーヒー豆の密輸入に成功し(密輸した場所はモカという港町でここから豆に名前がつくようになった)、自国の植民地でコーヒーの栽培を行うことで大きな儲けを生み出すようになった。

オランダが支配する東インドからのコーヒー豆に依存するを良しとしないフランスの海軍士官が苗を盗み、その苗からフランスは独自のコーヒーを栽培するようになったものの、フランス領ギアナの総督夫人がハンサムなブラジル人外交官に熱を上げた挙句に、コーヒーの枝を隠した花束を贈るという事態が起こってしまった。こうして、一つの不倫の恋からブラジルの一大輸出産業が生まれることになった。

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NY流魅せる「外見」のルール (日野江都子著)

2017年08月26日 | 人生の知恵
●イメージ・アナライズの3要素
 1) パーソナル・カラー:肌の色から似合う色を探す
   金色と銀色で肌に乗せて、より映えるのが
   ◆金色ならウォーム系
     頬にピーチ系の赤みがあるスプリング⇒ブライトカラーと相性がよい
     頬に赤みが少ないオータム⇒ディープカラーと相性がよい
   ◆銀色ならクール系
     肌が全体的にピンキーなサマー⇒パステルカラーと相性がよい
     頬に赤みが少ないウィンター⇒ビビッドカラーと相性がよい
 2) パーソナル・フィギュア:顔型と体型から似合う服を判断する
    フェイスラインが直線的か曲線的か
 3) 職業イメージ:仕事上必要なイメージからスタイルの味付け方針を決める


試してみたが、どうやら私はウォーム系らしい。これが分かっただけでもこの本には読む価値があった。

●ウォーム系の人が身に着けると良いもの
【スーツ】
温かみのある紺か黄色を強く感じるグレー。
ストライプ柄の生地の場合は、ストライプにグリーンやベージュ、茶などのウォームトーンの糸が使われたものが良い。

【ネクタイ】
柄にアイボリーホワイトや黄色、グリーン、茶等の暖色系の色が取り入れられたもの。

【ワイシャツ】
 白
 薄いブルー 爽やかさ
 薄いピンク やさしい甘いイメージ
 薄いイエロー 楽しいイメージ

【ビジネスカジュアル用のズボン】
ジャケットよりも濃い目の色
ベーシックカラー(グレー、ベージュ、黒、カーキ等)
ジャケットがツイードのようなものであれば、織り糸の中の濃い色をズボンに。


加えてこの本のすばらしさは、単に装いだけではなく、姿勢や仕草についても教えてくれている。

●自信に満ち溢れた表情と姿勢の造り方
 1) 表情
  【アイコンタクト】
    眉間の中央辺りにグッと力を入れる感じを意識すると「眼力」が生まれる
  【ポジティブ志向を生む口角上げ法】
    話終わった時に軽く口を閉じ、「ん」と発音する気持ちで口角を少し上げる
    両奥歯を噛み締めその上に唇をフワッと乗せるように軽く閉じる
 2) ポスチャー(姿勢)
  【美しい立ち姿】
    ①丹田(下腹部)に力を入れて同時に尾てい骨を前に押し出す
    ②背骨をまっすぐに伸ばす
    ③肩を持ち上げ少し後ろに半円を描くように落とす
    ④顎を少し引く
  【正しい座り方】
    ①いすに深く座る丹田(下腹部)に力を入れて同時に尾てい骨を前に押し出す
    ②丹田(下腹部)に力を入れる
    ③尾てい骨から二つ~三つ丈夫の骨を前にグッと押し出すようにする
    ④腰の上に背骨をスッと伸ばす
 3) ジェスチャー(しぐさ)
    腕組みと脚組みは威嚇と拒絶のメッセージ
    髪を触ると自信のなさの現われ


単に綺麗な装いができるだけでは服に「着られてしまう」だけだが、そうならないためにも姿勢と仕草にも気をつけることとしよう。
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料理は人生とよく似ている。過程を無視して急ぐとやけどをしてしまう

2017年08月20日 | パルプ小説を愉しむ
マンハッタンで超美味しくてイケているコーヒーショップの店長にして、仕事にもプライベートにもバリバリ充実しているあらフォー独身女性、クレア・コージーの素人探偵シリーズ第9弾、『深煎りローストはやけどのもと』(クレオ・コイル)の中の台詞。

このアラフォー女性もいいが、それ以上に良いのは義理の母親。とっくに齢60を超えているだろうに、人生を愉しむ術を知り尽くした感のある女性で、気品と教養、そして何よりも強さと逞しさを持っている。十分な貯えがある余裕だろうか、それとも今まで生きてきた人生からであろうか、滲み出る品性と趣味の良さが年齢を感じさせない女性であり、いつまでも「女」でいることを止めない欧米諸国の女性の鑑のような存在である。

台詞は、その義理の母にではなく、クレアの一人娘に対して発せられた言葉。なにせ、働いているレストランのオーナーシェフにして、親子ほど年が違う遊び人の恋人を持った娘に対して、恋愛の苦労を知り尽くした母親が言う台詞がこれだ。

こんな台詞が自由に発せられる男になりたい。尤も、私が言うのであれば、

恋愛は料理と似ている。過程を無視すると、碌なものができない。

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『キャスターという仕事』  国谷裕子著

2017年08月20日 | 読書雑感
20年以上の長きに渡り、日本のジャーナリズムのトップを走り続け、降板時には色々な噂があった「クローズアップ現代」のキャスターの国谷裕子さんが、自分のキャスター時代を振り返りつつ、自分とジャーナリズム、そしてその時代の日本という国の歩んできた道を見返している。

新しい情報番組「クローズアップ現代」のキャスターとして、に大抜擢された著者は、以前のキャスターとしての失敗という傷を持ちながらも、キャスターとは何をする仕事なのかを問い続けた。その結果が、

「想像力」「常に全体から俯瞰する力」ものごとの後ろに隠れている事実を洞察する力」、そうした力を持つことの大切さ、映像では見えない部分への想像力を言葉の力で喚起することを大事にしながら、日々番組を伝え続けることになった

として仕事をスタートし、更には

時代感覚を言葉にする力(コメント力)と、ゲストに向き合える力(インタビュー力、聞く力)を研ぎ澄ますことが、キャスターの仕事であることが見え始めてきた。

と発展し、遂には

言葉による伝達ではなく、「言葉による問いかけ」。これが23年前に抱いたキャスターというのは何をする仕事かという疑問に対する私なりの答えかもしれない

という自分なりの結論に至っている。そこに至るまでの思考の過程で、このようにも言っている。

情報を直接発信する手軽な手段を誰もが手に入れ、ややもすればジャーナリズムというものを「余計なフィルター」とみなそうとする動きさえ出てきている。(中略)質問を投げかけていくことで、その質問からかえって問題の所在、解決へのアプローチの視点など、その問題やテーマをとりまく状況を浮かび上がらせることができる。

そして、そのことはテレビ(のみならずメディア全般)が、

問題の複雑さを切り捨てて「分かりやすさ」ばかりを追い求めていないか。テレビ報道の抱える危うさを意識しながら、問いを出し続けなければならない。

ここに到達することになったのは、

「事実の豊かさを、そぎ落としてしまう」という危うさ
「視聴者に感情の共有化、一体化を促してしまう」という危うさ
「視聴者の情緒や人々の風向きに、テレビの側が寄り添ってしまう」という危うさ


というテレビ報道の3つの危うさを見抜けたのも、NHKの社員としてではない一種のアウトサイダーとして、メディアの側に身を置いていたこともあるのだろう。そして、こうも言っている:

日本の中には、多数意見と異なるものへの反発や、多数意見への同意、あるいは同調を促すう雰囲気のようなもの、いわゆる「同調圧力」と呼ばれる空気のようなものがある。(中略)流れに逆らうことなく多数に同調しなさい、同調するのが当たり前といった同調圧力は、日本では様々な場面で登場してくる。(中略)テレビ報道の待つ3つの危うさの一つとして「感情の一体化」を進めてしまうテレビ、そしてそれが進むほど、今度はその感情に寄り添おうとするテレビの持つ危うさ。こうした流れが生まれやすいことを、メディアに関わる人間は今こそ強く意識しなくてはならない。

「空気を読む」という言葉が生まれ、いまだに使われているこの社会において、確かにこの同調圧力は存在している。でも、これは別に日本だけではなかろう。例えば米国では、自分の主張をすることが美徳とされてはいるが、自分の主張を押し通すことが正義と思うあまりに、他者の意見を尊重せずに攻撃するということが恐ろしいほどに行われてきた。戦って勝たないと正義ではない、という思考に凝り固まることが却って、自分と異なる意見を認めずに過度に攻撃的になってしまう、これが行く所まで行ってしまっているのがトランプという人間を大統領に選んだ結果の混乱を引き起こしている一因であるはずだ。

最後に、柳田邦男の「危機的な日本の中で生きる若者たちに八か条」が出てくる。

1. 自分で考える習慣をつける。立ち止まって考える時間を持つ。感情に流されずに論理的に考える力をつける。
2. 政治問題、社会問題に対する情報(報道)の根底にある問題を読み解く力をつける。
3. 他者の心情や考えを理解するように努める。
4. 多様な考えがあることを知る。
5. 適切な表現を身につける。自分の考えを他者に正確に理解してもらう努力。
6. 小さなことでも自分から行動を起こし、いろいろな人と会うことが自分の内面を耕し、人生を豊かにする最善の道であることを心得、実践する。特に、ボランティア活動など、他者のためになることを実践する。社会の隠された底辺の現実が見えてくる。
7. 現場、現物、現人間(経験者、関係者)こそ自分の思考力を活性化する最高の教科書であることを胸に刻み、自分の足でそれらにアクセスすることを心掛ける。
8. 失敗や壁にぶつかって失望しても絶望することもなく、自分の考えを大切にして地道に行動を続ける。


この八か条は素晴らしい。特に、「感情に流されずに論理的に考える力」、「情報の根底にある問題を読み解く力」、そして「自分の考えを他者に正確に理解してもらう努力」が素晴らしい。すでに60過ぎとなった身ではあるが、今からでも身につけたいと思う。これを読んだ時に思い出したのは、DeNA創始者の南場智子が「日本人に求められる4つの力」として言っていた中の『自分の意見、情熱を伝えて他者に共感してもらう力』を思い出した。集団として生活せざるを得ず、他者との繋がりを絶って暮らすことが困難な人間である以上、伝えて相手を動かすことの大切さを教えてくれている。

ただ、残念なことは、311の震災後の福島の惨状についてのコメントの最後が、

先の見えない日々を送る福島の人々をこれからも伝え続けることは、メディアの大切な役割ではないだろうか。

という紋切り型であったこと。確かに、これはメディアの重要な役割であることには違いはないが、キャスターを退いた人間としてはメディアに対して責任を押し付けているだけに聞こえる。特に、インターネットという情報発信という手段が簡単に手に入る時代においては、国谷さんご自身として出来ることもあるはずであり、メディアに責任を押し付けるだけで一章を終えて欲しくなかった。

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『老後は銀座で』 山崎武也著

2017年08月17日 | 人生の知恵
60を超える年となった割りには、人生に豊かさとゆとりを感じない日々が続いている中、これからの老後人生の参考となるかと思って『老後は銀座で』を手にとって見た。何せ、20代前半で会社勤めを始めてから費やし総労働時間と同じだけの時間が、天寿を全うするまでに残されているのだから。

これはいいなぁ、と思ったのは以下の3点:

1.よりよりみどりの買い食い
この食べ物をここで買い、あの料理はあそこで選ぶといった調子で食の調達減を使い分ける。(中略)限られた時間内に一つのことをするのではなく、一つのことをするために最も楽しめる方式を考えるのだ。

2.ライブを見る
本物を目の前で見るというのは、とんでもない感動を経験する機会である。大都会の住んでいればいつでも好きなときに本物に触れる機会がある。

3.時間を2倍かける
スピードを半分に落として見る。すなわち同じことをするのみ、これまでの二倍の時間をかけるのである。(中略)
座っているときであれ歩いているときであれ、また乗り物で移動しているときであれ、自分の周りを詳細に見回してみるのだ。これまでは無意識のうちに香味がないとして気にも留めなかったことでも、よく見れば面白くなってくる。


確かに、迅速化や効率化だけでは人生愉しめないだろう。効率化はあくまでも仕事をする際に、少ないインプットで大きなアウトプットを産むために必要な働き方ではあるが、一日一日を愉しく暮らすための方程式ではないことに改めて気付かせてくれた。自由に使える時間がある分、それを活用して愉しむ方法を見つけることにしよう。

そして、これもよい:

余生を豊かに生きていくヒントは、幼児期の子供を育てたときの方針の中にある。おいしくて身体によいものを適量食べさせ、常にきれいなものばかり見せるようにした。こんどは自分に「適用」するのである。


貧乏性のためか、ついつい食べ物を大盛り、そしてバイキングがお得に思い勝ちだったが、バイキングはそれなりのモノしかないことは多々試して実感済み。それに、最近はお腹が張ることもあるので、量より質を重視することにする。

場所に相応しい身なり、廃物利用はほどほどに

これまた、貧乏性の私には耳が痛い。ついつい、古いものが捨てられずに使いまわしてしまっているが、見た目は如何だったのだろうか、と反省。それでなくても、年をとることでカジュアルが似合わなくなってきている、少なくともある程度は装わないとみすぼらしい外見になってしまうのが、他のお年寄りを見て感じていること。自分はどのように見えているのかがとても気になってしまった。



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スタイルとファッションの違い

2017年08月14日 | 人生の知恵
このところ、落合正勝さんが著す服に関する本を続けて読んでいる。『男の服装 お洒落の定番』の中にこんな記述があった。

服が本当に好きなら、ブランドなどどうでもよくなる。そこにスタイルとファッションの大きな相違がある。本当に好きで、好きだから自分だけのスタイルが成立するのと、他人の視線を意識するために何かに頼り、ファッションを完結させるという違いだ。(中略)スタイルの目的は、自分の視線によるその人らしさで、ファッションの目的は他人の視線を意識した流行の領域に属する。

ファッションとは流行を追いかけた一種の借り物でしかなく、スタイルとは自分らしさを表に現したものということなのだと理解した。だから、スタイルとは単に何を着るかのみに止まらず、その人の目指す生き様の現れということなのだろう。そして、こうとも言っている。

カジュアル・ウェアとカジュアル・フライデイは全くの別物である。前者は衣類という具象、後者は思想そのものだからだ。(中略)僕たちが常に考えなければならないのは、「服」ではなく「服装」で、服を身に着けたときの状態である。「服」は単なる具象としての服であり、人が服のなかに収まった「服装」の「装」は思想だと考えるべきなのだ。

その人が目指す生き様であるならば、確かにそれは思想の領域だ。服に「着られる」のではなく、どう「装う」かを志向した上で服を選ぶことで、服と人格が一体化した「スタイル」に昇華する。

そして、トドメとして氏はこう言っている。

「どう」着るかこそ、まさに服装の基本なのだ。(中略)「どう」着るか分からず、さらに「何を」着るべきなのかも分からず、挙句の果てにブランドに走る。それを着ていれば、本人にとって間違いなく楽だからだ。お洒落を目指す人にとって、これは一種の怠慢である。

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『誤解されない話し方』梅田悟司著

2017年08月06日 | 人生の知恵
講師という仕事をしているために、発言に信憑性を与える立ち振る舞いには気をつけているし、興味がある。この本で述べられている方法の、

① 言動にムダがないか=シャープな印章は相手に話し聞く姿勢を取らせる
   身だしなみ、フラフラしない歩き方、キョロキョロしない目線、えーと・・・などの余計な言葉、等々。
② 確信を持って話しているか
   どれだけ考えたか、どれだけ熱意があるかといった話している際に現れる姿勢
③ 話が整理されているか
   頭の中の考えをいかに正確に言い表すか。5W1Hで整理する


は、自分なりに理解していた講師としてお3要素、「心・技・体」に通じていて、しかも具体的な行動として整理されているから有難い。そして、何気ないことだが、以下も参考になる:

●伝える力
相手の意見に対しての感想を述べたり質問をする。その中に自分の言いたいことを織り交ぜていくことで、質問しながら自分の考えてきた意見を述べるようにする。相手にとっても、自分の意見に対しての質問なので「意見を押し付けられるのではないか」と言う心理的なハードルが下がる。

●「だからこそ」の力
「だからこそ」を上手く使うことであいてが述べた理由をそのまま自分の意見が正しい理由に置き換えることができる。
例)
A:ありきたりな提案に思えます。
B:だからこそ、提案をしています。今一度基本に立ち返ることで戦略を練り直すことを再認識していただくために、あえてお話ししております。

●説得と交渉の三層構造
 感情 相手の感情=自尊心をなおざりにしてはならない
 理論 提示したものが理に「かなっていることと、相手の理論にも沿うものであること
 利害 納得の上での後押し

●笑声を使いこなす
張りが合って口を大きく開けて母音をしっかりと発音する。この声が誰の耳にも心地よく、相手の関心を惹き付ける魅力的な声であるとされている。

●相手の本音を引き出すためのコミュニケーションスキル
相手の意見を反論としてとらえず、何を考えているかを冷静に判断するために相手の意見に耳を傾ける。相手何を話しているかも重要だが、本来は何を思っているかを探ることが最重要。行間を読んだり言葉になっていない気持ちを察する必要がある

マネジメントに通じるものとしては、以下が参考になった:

●エンパワーメント(=人を前向きにさせる力)が成立するための要素
① ビジョン・目的の共有
② 正当な評価と報酬
③ 能力の把握と資源の提供

●フォロワーシップの構成要素
① 貢献力: リーダーの指示に対して自主的に動く力
② 批判力: リーダーの指示に対して意見を述べる力


「だからこそ」が持つ力を見極めていることには驚くとともに、この言葉の力は是非使ってみよう。又、エンパワーメントとかフォロワーシップといったワードは研修でよく出すものの、受講者に正しく届いているのだろうか、人それぞれ独自の定義に置き換えられてはいないだろうかと気になっていた。言葉の定義もさることながら、それらを実践するために必要な要素や行動内容をしっかりと伝える方法が役に立つことを教えられた。

加えて、著者の以下の見方も興味深い:

●環境には外部環境(自分と直接接点がない)と内部環境(自分と直接接点がある)の2種類がある。企業という組織の中ならば「社風は変えられないが部風くらいなら変えられそうだ」「市場を活性化するのは大変だが、自社商品を改良することならできそうだ」といった具合に、より小さなユニットを見ていけば、おのずと自分の占める割合は高くなり、自分の影響力は増していく。

●「キレる」人間の増加の背景
① 我慢力の低下
オンデマンドの時代ゆえに、我慢力が低下している。コンビ24時間化から生まれた「やりたいことを、やりたいときに」という考え方は、ネットの常時接続で爆発することとなる。(中略)それは「習慣」の恐ろしさである。知らず知らずのうちに誰かに合わせる機会が減り、その連続の中で無意識に我慢する力が低下していく。最終的に自分の都合を優先して動くことや、誰かの都合を合わせてもらうことに罪悪感すらなくなっていく。
②修正力の低下
自分が正しいと思っている意外の意見を許容し、お互いに納得できる考えを捜していく力が低下している。多メディア化が進む中で「情報は与えられるものである」という意識が進んだことに起因している。(中略)現代ではポータルサイトで調べたいトピックスを検索すれば、何千、何万件の記事を瞬時に見使えることができる。そこには事実だけではなく、個々人の意見が付随されていることも多く、ピンとくる解釈があればあたかも自分が考えたかのような気分を味わうことができてしまう。答えを導くまでの思考までもが簡略化されてしまっている。(中略)ネットでの『取捨選択は、消去法をもって情報を選択しているにすぎず、結果自分の頭の中に感じている正解のイメージから離れた意見が出てきたときに、代替案を提示したり正しい方向性を示唆することができなくなる。

●周囲半径5メートル以内にいる人たちへの接し方
感謝の念をもって接する。そして彼らの良いところを見つける。そうすると今まで気付かなかった「何か」に出会う。身近に「いる人の尊敬できるポイントを発見できるようになると、自分がどう変わればいいかがおのずと見えてくる。

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