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好きなことを好きなだけ楽しみたい欲張り人間の雑記帖

「ヘルペスや淋病のことを知ったからって、セックスをあきらめましたか?」

2007年01月20日 | パルプ小説を愉しむ
『幽霊の怯えた男」(パトリック・A・ケリー)の素人探偵、ハリー・コルダーウッドは落ちぶれたマジシャン。場末のショッピングセンターでの冴えない興行でくびになった直後に、超常現象を調べてくれとの依頼を受ける。思いもよらない大金を積まれてOKしたものの、依頼人は翌日飛び降り自殺を遂げる。未亡人からも自殺の理由を探るように依頼されて、地元の美人記者といっしょに事件を探る。

物語は込み入ったままで謎が上手な伏線になっていない。マジシャンという役柄を生かしてトリックを交えて解いた謎を披露することが見せ場。未亡人の居間で引田天功ばりのマジックを見せつつ真犯人を暴いていく。犯人は遺言で古書店を譲られた後継者なのだが、自殺に見せかけた殺人に結びつかない事実が大半。結末に行くまでにこれでもか、これでもか、と事件や新事実が出てくるが、真犯人の動機はその中のチッポケな事実。超常現象は、殺された男が若い頃に捨てた女が身篭っていた実の子供が起こしたもの。この子供がマジシャンの見習いであったために、実の父親を脅かして復讐しようとマジックのトリックを悪用して超常現象らしく見せかけていた。これも反則だろう。物語を盛り上げようとする努力は買うが、何の脈絡もなく不自然ですよ。

なんじゃかんじゃと悪口ばかりになってしまったが、読んでいる分には可笑しくて愉しいダメ探偵ものではあった。
コメント
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