新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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オシロイバナ:白粉花(晶子が選んだ新七草)

2005-10-01 06:26:29 | 植物観察1日1題
夕方4時、西日を受けてオシロイバナ(オシロイバナ科)の花が開きます。
夕方に開く花は多くは夜でも目立つように白色が多いのですが、この花は例外的に黄、紫紅、などがあります。花は小さいですが、夕花の常として、思いがけず良い香りを放っています。
熱帯アメリカ産の多年草ですが、冬季地上部が枯れてしまうなどで、1年草として取り扱われています。
伸張した各枝の頂に、直径2~3cmくらいの高盆状の花を数個ずつ集散花序につけますが
花弁は退化し、これは花弁状をした萼です。咲き始めは雄蕊が花外に出ていますが、花粉が熟すと雌蕊が巻き付いて自家受粉します。
黒い実の殻の中にある白い胚乳をつぶすと白粉状になることからオシロイバナの名がありますが、ほかにも、英名のfour o’clock flowerや、夕化粧、夕錦、野茉莉、臙脂などの名もあります。
昭和10年、ある新聞が当時の7人の文人に”新”秋の七草を選んでもらったところ、与謝野晶子の選んだのがこのオシロイバナでした。
晶子は、この花が本当に、秋の七草にふさわしいと考えたのでしょうか。もしかして、1人の女性として、女性に縁の深いお化粧にまつわる花として、これら綺麗な名を持つこの花を選んだのかもしれません。