世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【「円高デフレ」消費者も財政当局もともにハッピー】消費増税:政策を一つだけ変えれば済む話?②

2018-10-27 00:11:03 | 日本

前回からの続き)

 金融政策を現行の実質マイナス金利誘導から実質ゼロ、ないしは緩やかなプラス金利誘導を図るものに転換することで、輸入原材料の円建て価格の値下がりを促し、これによって消費増税に伴う消費者の負担を軽減することで個人消費の落ち込みと景気へのマイナスの影響を軽減する―――この前述、「円高デフレ」策がもっとも合理的な消費増税時の政策だと考えています。すでにこれ、前回の消費税率引き上げ(201510月:5→8%)に関連して、こちらの記事に書いたことですが、今回も、そしてこれからも、消費増税をする気なら、日銀には上記の金融政策を合わせて実施してほしいと思う次第です(って、もうそろそろ消費税ではなく、他の増税策を真剣に考えるべきだろうが・・・)。

 ところで・・・たしかに円高デフレになれば上記のコストの低減が図られ、消費者や勤労者には前回書いた恩恵がもたらされますが、他方で財政当局にとっては微妙なところがあろうかと思われます。というのは消費税が適用される商品の価格が下がったら、同税率を上げても税金相当分の金額が増えなかったり、場合によっては減ることもあるからです。

 これを税抜き価格100円の商品Aで考えてみましょう。現在、この商品の税込み価格は108円、つまり8円が税金分に該当します。で、これが上記の円高デフレで税抜き80円にまで価格が下がったとします。このとき消費税率が10%に上がっていたとしたら、同相当額は8円と、税率を引き上げたにもかかわらず、その額は8%のときと変わりません。商品A価格がもっと下がって70円になったら同7円と、8%のときよりも10%のときのほうが税収が下がってしまう、といったことに・・・

 ・・・とはならず、10%のときのほうがやはり消費税収は増えるでしょう。たしかに商品Aの価格が70円に下がったら上記のとおり、その消費税分は7円です。でもこのとき消費者の手元には、円高デフレ前の108円-77円=31円のおカネが残ることになります。となると消費者は、消費税率が10%に上がったのに、商品Aに加えて税抜き価格29円の商品Bも一緒に買えることができるようになります(29円×1.131円)。つまり、円高デフレ後の消費者は108円という同じ金額で商品Aと商品Bの二つを買うことができ、それだけ生活の質が上がるうえ、財政当局には税率引き上げ前(8円)より多い約10円(=70円×10%+29×10%)の消費税収が入ることになって、双方ハッピーということになります。

 ・・・「そうだろうか。いまの消費者は上記で浮いた31円を消費しないで貯蓄に回すのではないか。これでは個人消費の額は円高デフレ前・増税前の108円から77円に減ってしまい、消費税収はもちろん、GDPの増加も望めないのでは」―――たしかにそうですね・・・

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする