酒タバコ肥満撲滅委員会

市民マラソンを楽しみながら、酒とタバコと肥満は嫌いだ、と呟く日常をうだうだと。

北海道マラソン、制限時間緩和

2008-01-22 12:44:50 | マラソン大会
旧聞に属することですが(私は昨夜知った)、北海道マラソンの制限時間が現在の4時間から段階的に緩和し、最終的には7時間・3万人規模を目指すそうです。
(元旦の北海道新聞に載っていたそうです。昨夜まで知らなかった。)

この大会、制限時間を緩和する動きがあったのは知っていますが、こんなに早くなるとは思わなかった。
私は、この大会は「真夏に4時間を切れる人しか出る資格がない大会」という位置づけで見ていましたし、それに挑戦することが楽しかったし誇らしくもあったので、制限時間の緩和は大反対です。
…まあ、反対したところで今年から制限時間も参加資格も緩和される訳ですが。

毎年、この大会目指して夏場に練習をしていたけど、出場は今年が最後かなぁ。
夏場に自分を鍛えるためには、この大会の存在は大きかったんだけどなぁ。
4時間という制限時間が私的にはキツくて、制限時間に追われながらヒリヒリした気持ちで走るのが快感だったのに。
現在の5000人規模でも混雑するのに、数万人の規模になったら走れたもんじゃないぞ。


前にも書きましたが、なんでもかんでも「市民マラソン化」するのは反対です。
みんなで楽しくというお祭り大会も大切だし、初心者向けの大会(底辺の拡大)は大事なことです。
でも、なんでもかんでも5時間だ6時間だ7時間だといったゆるゆるの制限時間にするのはいかがなものか。

公共の道路を使うのに一部のランナーしか出られないのは不公平という意見もあるようですが、「制限時間4時間をあたかも一部の特別なランナーのことと思いこむのは間違い」と書くのは乱暴でしょうか?。

フルマラソン4時間は、健康な成人男性なら努力すれば誰でも達成できます。
(女性と高齢者は除く。)
だから、出たければ練習すればいいだけだと思うんです。
練習はしないけど出たい、というのは間違っている。
スポーツなんですから。

市民マラソンの世界で4時間というのは面白い数字です。
本格派の人にとっては遅すぎるタイムだけど、一般ランナーから見たら「それなりに」練習しないと達成できない数字です。
逆に言えば、努力さえすれば誰でも達成できる数字なんです。
私のように学生時代から運動が苦手で運動とは無縁で、中年になってから走り始めたような人間でも、それなりの努力さえすれば達成できる数字、それが4時間なんです。

これが3時間を切るとなると、それなりの才能も必要だし練習時間もかなり必要になってきますし、4時間半程度だとあまり練習しなくても到達する人も多い。
平均的な市民ランナーにとって、4時間を切ることは努力の象徴でもあるんです。
それも、
「仕事も家庭も犠牲にして走り込むような普通の人にはまねのできない凄い努力」
ではなく、
「ごく普通の趣味として、仕事や家庭と両立させられる程度の努力」の象徴なんです。
それだけに制限時間4時間は味わい深い数字なんです。


例えば、ボストンマラソンのように年代別に制限時間を緩くする手もあります。
そういった方法で参加者を増やすのならまだ一つの方向性として評価できます。
でも、たぶん単に制限時間をゆるくするという一番安直な方法になるんじゃないかなぁ。
観光客を呼びたい気持ちは分かるし、その道具としてマラソンを使うのもいいでしょう。
公道を使わせていただいている以上、文句を言う権利はないのかもしれません。
しかし、マラソン界全体のことを考えると、安易な制限時間の緩和は大きな損失だと思うのです。

この調子でマラソン界全体が、「ごく一部のエリート大会」と「ゆるゆるの市民マラソン」の二極化になってしまうのは、マラソン界の器が浅くなるだけだと思います。
選ばれしエリート達の大会も、初心者向けの大会も、両方とも大切で必要な物です。
でも、そのすき間を埋めることも絶対に必要なはずです。


いくら制限時間が緩くなっても、8月の暑さは変わりません。
制限時間が緩くなるとレースを甘く見た練習不足のランナーも増えて、脱水で倒れるランナーも大幅増となるでしょう。
やがて夏場の開催は初心者には厳しいから秋に、なんてことになるんじゃないのかな。
そうなると、もう北海道マラソンじゃなくなるよなぁ。

「そんなに悔しいならもっと練習してエリート大会を目指せよw」、という声も聞こえますが、北海道の先のハードルが別府大分の2時間50分じゃねぇ…。
まだ3時間半を切れない私としては、たぶん一生無理。
だからこそ、この大会の4時間という数字に魅力を感じていたのですが。

しかしマラソンの世界も格差社会っぽくなってきたなぁ。
二極分化はマイナスだと思うけどなぁ。
コメント
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