世界中を巻き込んだ【プラスチックごみ海洋汚染問題】は、石油系から製品化された全種類のプラスチック製の商品に影響を及ぼす。
これは、専門業界では「ニュープラスチック革命」と呼ばれるくらいに一大転換期を迎えることになり、企業にとっての生死がかかる。
当然、現状のプラスチック主力企業は、社の命運をかけて、新技術のプラスチック開発に総力を挙げて取り組むだろう。
一例として、三井化学グループはG20閣僚会合に向けて、新技術である「バイオプロピレンの革新的な製造方法」を展示紹介した。
「プロピレン」という呼び名のプラスチックは、自動車部材をはじめ、医療、家電、住宅、食品分野、などの、必需品の原料となっている。
プラスチック全体の2割強を占める重要な材料で、今は石油系だ。
これを植物を原料とした「バイオマス系素材からプロピレン」を製造する新技術を、世界で初めて開発した。
従来からあった製法では、高コストすぎて、実証は実験段階である。
今回、公表された新技術で量産化できれば、従来の製造法よりも、安価に製造できる、との公表である。
ここからは、政府と消費者の出番が重要で、大きな役割がある。
良いものができて、従来の石油系プロピレン製品よりも大幅に割高であれば、消費者は商品を選択しないから、普及がほとんど進まない。
それでは、新技術を開発する企業だけに負担がかかり進展しない。(続)