日本は、アメリカの現状よりも妥当な政策がすでに実現していて、トランプ次期大統領が実行しようとしている政策の大部分は実現済みである。
それを、共和党の競争候補者を次々に退けて行ったのは、アメリカのメディアが偏った報道をしていて、トランプ氏の言葉の一部を切り取っているからである。
確かにトランプ氏は、政治経験をしたことがない特質を際立たせるために、あえて、既存政治家の怠慢ぶりを批判していた。
しかし、その批判の大半は当たっていたので、アメリカの現状に不安を持つ人々が、隠れトランプ支持者となって、メディアの予想を覆したのである。
アメリカのメディアが偏向していたので、彼らにとっては、想定外の事態である。
メリカのマスメディアが、大手の金融資本側の傘下にあるのは、よく知られた
事実である。
このことを知っている大半のアメリカ人は、マスメディアの伝える報道内容を【半分以上は嘘である】としている。
日本国民の大半が、マスメディアの報道内容を信じる人の多さに比べたら、アメリカ人は、メディアを半分以上が信用しない。
ヒラリークリントン氏をはじめとして、民主党政権の大半の政治家が、金融業界や大手企業からの政治献金で活動していることを、アメリカ国民は知っている。
だからヒラリー氏の言葉と行動を、信用しない人が多いのは当然である。
日本の自民党政権は、国民の代表にように思われているが、実際には、政治献金を多額に出している「大手企業団体」の代弁者に成り下がっている。
それでも、総選挙での多数派を占めるためには、政権公約では、一般国民の利益を最優先するかのように、言葉では表明している。
しかし選挙が終われば、政権公約の言葉を棚に上げて「経済界の利益を最優先」する政策に奔走する。
今回の「TPP交渉の批准」を急いだのも、【大手の産業界の利益優先】を実行して、政治献金の効果を実行している姿勢が重要だからである。
アメリカは、国際金融資本家側に利益がある課題ばかりを優先してきた。
それが、稀に見る【収入格差拡大の不公平社会】を生み出してしまい、失業と低賃金の喘ぐ人々の不満を爆発的に高めてしまった。
アメリカ中部の「錆び付いた工業地帯」の反乱を招き、鬼っ子のトランプ氏を次期大統領に当選させたのだ。
国際金融資本家側と、その代弁者である「民主党」「共和党のエリート政治家」は、
この素人政治家を、うまく使いこなそうと、今後の作戦を練っているのだ。
一方の日本では、経済界の代理首相が、当面の支持率も高く維持できるので、とにかく、「経済を上向かせてデフレ脱却を図ること」を最優先するだろう。
それには、経済界の利益よりも「官製春闘」を成功させることしかない。(続)