トランプ次期アメリカ大統領が政権公約している、「不法移民の強制送還」は、政権発足後の優先的な計画に入っている。
その中でも、200万人以上の「犯罪歴のある不法移民」を送還させる政策は、トランプ氏を支持した白人層に人気の高い政策である。
メキシコとの国境を守る警備が手薄で、3800kmの3割くらいにしか、国境防護柵が設置されていない。
この柵も、越境支援プロの手によって誘導される箇所には、【乗り越える足がかり】などが作られて、闇夜に紛れて越境するのは容易となっている。
これを、全部の国境線の越境が絶対できない「高い塀を作る」との政権公約を掲げて、メキシコ側からの「不法越境者」を取り締まろうというのである。
そして、今までの不法に越境したまま、アメリカの国内で臨時雇い的な仕事について暮らしている「不法滞在移民」を、本国に送り返そうとしている。
この不法移民締め出し政策を、非人道的だとしてトランプ氏を「人種差別主義者」だとか批判する勢力が、相変わらずの論法で暴言呼ばわりをしている。
しかし、この不法移民対策を批判する方が「暴言と言わざるを得ない」。
国境管理をきちんとしないで、成立する法治国家があり得るのだろうか。
アメリカと言う一つの価値観を共有する国が成立する基本は国境をきちんと守ることから始まるのだ。
アメリカの国内で、不法滞在者が1100万人に達しているのに、本格的な対策に取り組まないできた「民主党政権の8年間」は、国のやるべき仕事を放棄してきた。
不法滞在者の中には、メキシコ国内で犯罪者となって、逮捕される前にアメリカに逃亡してきている者も多く含まれる。
しかしメキシコ政府は、厄介な犯罪者を国際手配をすることなく、厄介モノ払いを出来た、と歓迎している。
また、失業率が高いままの国内では、非熟練の人たちの職場を確保することもできず、国外に逃亡してもらった方が、国としても助かるのが本音である。
アメリカの民主党政権は、安い人件費の人たちが大量に必要となっている企業側の利益を優先して、「不法滞在者を確保し、職場につけるように優遇」してきた。
こうした「一時しのぎ的な失業対策」を実施して「元からの移民立国のアメリカ人」から、賃金の低下の原因が不法滞在者にあるとの、恨みを増加させたのだ。
アメリカ国民の生活よりも、【人件費の安さを求める企業側の要求】を優先させたのが、今回の大統領選での【敗北の最大要因】である。
日本では、「不法越境者もなく、低賃金への悪影響もない」のに、それでも、「非正規雇用従業員」の非合理な増加を招いてしまった。
国民の不満を買って「政権交代した民主党政権」では、効果が全く出せない。
安倍政権は問題の深刻さに気がついて、官製春闘にやっと本気で取組む。(続)