庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

中央政府がやるべき重要課題を後回しにする安易な仕事。

2012-10-10 | 国創り政治問題
野田内閣が「今冬の電力需給」の不足を懸念した、節電対策の検討を開始した。
福島原発の大事故以来、各地での電力不足の問題が、各電力会社の管内での、会社側の出すデータの不確かさに、需給不足に対する国民の疑問が沸騰した。
これに中央政府が関与して、データの正確な再検討を実施して、今年の夏場を節電要請によって乗り切ったコトは、緊急避難的な措置として、政府の役割を果たした実績になる。

特に関西電力管内で、原発依存が極端に大きかった反動もあって、やむを得ずに「安全確認が不十分」なままの、大飯原発2基を稼働容認した。
実際には、原発の稼働をなしでも、電力供給量は足りたことが判明した。

今回は冬場に電力需要が増加する北海道の電力需給問題である。
これに対して、北海道の自治体が何を要求したのか不明だが、1000km以上も離れている永田町に集まって、北海道では「節電要請が10%程度」は必要である、などと、議論を始めている。
当事者の北海道は何をしているのか、報道もないので分からないが、「マスメディア」も、北海道に対して東京が指示することに、何の異論もはさまない。

北海道地区が、「自分たちでは決められないから、中央政府で決めて欲しい」と要請したなら、国の役割として、支援するのは妥当であるかもしれない。
しかし、電力会社は北海道に存在し、北海道の道民と企業が電力を使っているのに、イチイチ、東京にお伺いを立てるコトが必要ないのに、全く不可解である。
中央政府は、その作業を始めることで、経済産業省や内閣府の仕事が動きだす。
経産省は、本来の国全体のエネルギー政策の重要な課題を決めることが出来ず、次々に先送りをしている。
これによって、膨大な税金の無駄使いが発生しているにも拘らず、だ!

人間は、仕事が錯綜してくると、ムズカシイ【困難な仕事を後回し】にして、従来のやり方でカタズク「易しい仕事を先に取り掛かる」習性がある。
北海道に任せれば済む仕事を、自分でやると言い出して、それをキチンとやり遂げることで、官僚と政治家は自己満足に浸るのだ。
目の前に、困難な課題を突きつけられるまで、現状維持を保つ習性は、こうして体の芯まで染みついてしまう。

領土問題、財政再建問題、エネルギー問題、すべて、困難な課題は現状のままで先送りに終始する。
それを助長しているのは、【無策なマスメディア】である。

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