安倍首相のやり方は、自分の打ち出した政策が成果を上げていると強調して「都合のよう数値を持ち出して」実績を宣伝する。
しかし、都合の悪い面には、一切触れずに責任を他の原因に転嫁する「逃げの姿勢に終始する」政治スタイルである。
華々しく公言した「アベノミクス政策」は、今では自分の口からは言い出さない。
日銀が打ち出した「超金融緩和政策」は、円安誘導によって「株価を意図的に引き上げ」ての、企業収益向上であったが、これを手柄として宣伝している。
その一方で、デフレ経済からの脱却は、4年以上も経つというのに、物価上昇目標は達成不可能と諦める状況だ。
同時に経済成長率は低迷を続けて、実質賃金の上昇は限定的であり、消費購買力の向上もほとんどない。
アベノミクスで成果と言えるのは、国土強靭化の流れに沿った公共事業の増加で、建設と土木業界に人手不足をもたらして、賃金の上昇が図れたくらいである。
当初のアベノミクスになかった「恒常的な賃金上昇の流れを作り出す」ことが、デフレ脱却に必須の政策であるのに、2016年になって、やっと取り組んだ。
それを明確にスローガンに打ち出せば良いのに、「一億層活躍社会」の実現などと、カモフラージュをして、「消費購買力不足」の対策は遅きに失した。
長期の都知事を勤めた「石原慎太郎氏」は、同様な姿勢で、自分の手柄を大げさに強調することで、失敗の責任を逃げまわる小心者の性格を露呈している。
豊洲市場移転問題の最高責任者は石原氏であることは「天下の公然の事実」であるにもかかわらず、トボケと記憶喪失に逃げ込んでばかりいる。
移転問題の発端は、東京ガスの跡地であるからには、【汚染物質が地中に浸透して】いることは、専門家でなくてもわかるくらいの常識である。
しかも、購入を決定する前には、東京ガス側から「汚染物質がある土地だから、食品を扱う事業所には向かないとして、譲渡を止める意向も示していたのだ。
それを、水面下の交渉とかで、価格を秘密裏に取り引きしている。
これらの【すべてを部下に任せていた】、として自分の責任感をぼやかしていた。
それでも、汚染物質が何百倍も検出されていたのに、専門家が技術的に可能だと評価したのだから、それを承認した自分には責任がない、との一点張りである。
そして最後には、専門家の評価で安全だと言っているのに、蒸し返した小池知事の判断が、混乱の原因だと言い出す見苦しい有様である。
そもそも、安全性と、『国民、都民の安心を保証』する責任が行政のトップにあるのに、安全だからと言う数字だけで強行するのは、時代錯誤の感覚である。
日本人のように『繊細な感覚と几帳面さ』が尊ばれる国民性を理解していない。
安倍首相は原発は世界一の安全性だ、と言い。石原氏は豊洲はは安全だ、といって、不安感を言い出すのは国民が悪い、都民が悪いとしての責任逃れである。(続)