欧米では、のお話で「経済政策の信ぴょう性」を説明する専門家は、相変わらずの論法で「政権の政策に関与」している。
しかし、「非正規雇用」の低賃金制度は、欧米にはお手本がないようである。
もともとの非正規雇用の対象は、専業主婦が子育てを終えて「家計費の上乗せ」をできるように「パートタイム雇用」を希望したから、双方の希望が一致したことで成立した雇用形態であった。
それを、専門性の高い特殊な職種にも広げている「派遣社員制度」を導入したことで、「フルタイムの自由契約制度」にも拡充したのが間違いの元である。
専門性の高い職種に限れば、正社員の制度にこだわるよりも、人の価値の活用機会を広げる狙いが歓迎されて、社会的にも正当性がある制度になる。
これを悪用した「派遣社員を多く利用する人材派遣企業」が、デフレ経済の進行に悪のりしたのを、騙されたのが自民党政権のお粗末さだ。
いや、一部の企業と人材会社の画策によって、正社員の仕事を無理矢理に派遣社員制度の方が、企業経営的に合理性があると、こじつけ論理をひろげたのだ。
政治献金をあてにした「お金亡者の政治家」が騙されたふりをして、「経済活動の自由度を広げる」規制緩和政策に便乗させてしまった。
派遣社員を多数にした方が「人件費の削減になる」との、経済合理性だけに目を奪われて、消費購買力の減少を加速させてきたのが、自民党政権の愚かさだ。
政治家は政治献金者の意向には「正邪の区別」をしないで、取り入れてしまう。
派遣社員制度の弊害に目を向ける人はいなかった。
単純な作業をするひとを、仕事の山谷を埋めるには好都合とだけ考えて、生産性が向上すると勘違いをしていた。
正社員だと「配置転換」が難しいから、多くの企業が「派遣社員制度」を利用して、自社の都合だけを考えて【正社員を減らし続けた結果】がデフレ経済である。
生活の基盤は不安定になるひとが増えるばかりで、その上に、外国人労働者も増やし続けて「低賃金労働者」の給与水準を下げ続けてきたのである。
デフレ経済を進行させることばかりを優先的に実行してきて、今になって「デフレ脱却」が最優先の政策だ、声高に言うのがお粗末の限りである。
「派遣社員制度」を拡充して「非正規雇用」が4割にも達する社会をつくって、いったい誰が恩恵を受けたのか、考えたらどうなのか。
派遣企業以外は全て弊害の犠牲になっていることに気がつくであろう。
派遣企業に頼って正社員の待遇だけを自社の企業力としてきたので、海外進出のしたのと同じような「事業形態」にしてしまった。
つまり単一事業には強くても、多様なイノベーションには、全く不向きの社員ばかりが占めるような企業体質になっている。
これでイノベーションが期待される、と言っても「空念仏に終わる」だけだ。(続)