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これは、20世紀を通じての経済成長の進め方が、各地域に産業活動の基盤となるインフラを、できるだけ均衡する様に、充実して行くやり方であった。
脆弱だった道路網は、よほどの奥地を除いて、ほとんどの地域社会で自動車が利用出来る国土になった。
電力供給は、全国10電力体制の独占事業として、発電と送電網を拡充してきたおかげで、停電のない社会とどこでも電力が利用出来る地域社会ができた。
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だが、モノ作り立国の優位性は21世紀になって急速に失い、普及型の工業製品は、ほとんどが新興国の生産に移行していったので、多くの生産地では仕事が流出する状況になっている。
地域に残れるモノ作りは、「特別の付加価値」が生かせる商品しか、成り立たない状況なのである。
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これを「中央政府が指図をして、地域産業を振興させる」ことは、ほとんど失敗に終わることを覚悟するべきだ。
『特別の付加価値』を、2年毎に交代して行く中央官僚や、地域に派遣されるエリート官僚には、生み出すことはもちろん、評価することすら出来ない。
地域社会に長期間に渡って密着出来る人の感性で、育成出来るモノなのだ。
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しかし、それ以外の開発の支援は、東京でコントロールすることは止めて、県レベルの開発支援に移管することが、地域密着の着実な活動になる。
県レベルでは支えきれない重要課題は、今後に具体化される『道州制導入』によって、経済規模が欧州の一国相当になる総合力を活かす制度にすべきである。
21世紀の前半は、この壮大な「国創りの転換」を着実に実施出来るか、の重要なチャレンジの時代になるのだ。
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