経済産業省は、「温室効果ガスの削減」について、京都議定書の時代から、環境規制を法制化して企業に義務付けるのではなく、自主規制を採用した。
これは、民間企業側が業界の話し合いで、国の方針に沿って目標を達成する活動を実施するにあたって、経営の自由度を確保したい為の方策である。
だが、電力業界と言っても、大企業から最近算入した小規模のベンチャー企業を入れると、2014年には3283社も新設された。
電力業界の自主規制という枠組みは、2000年頃には大手電力会社ばかりであったのが、[FIT]制度ができて、新規参入企業は、2011年の50倍にもなる。
電力業界は、昔は護送船団方式で、一番対策が遅れている企業を救うために、できる限り規制は緩くするのが常識であった。
しかし、2015年の電力業界は、その様な自主規制が合意できるような、馴れ合いの合意がとれる様な状態には、まったくならない。
2016年からは、電力の小売り事業も、基本的に名自由化されるので、各企業は競争相手になるので、手の内を見せる様な経営談合はもはやあり得ない。
経産省が、業界に「自主的な枠組みに対する具体化」を要求したと言うが、競争相手になる他企業に、具体策を提出する様な、気の優しい経営者がいるのか。
これから新設する火力発電所は、現在の実力の[CO2排出係数]を、下回るレベルでなければ、新設の火力発電は、認可しないとすべきだ。
つまり、何も[CO2排出]の削減策を計画していない設備は、この規制をクリアーしていないから、当然、新設工事は不許可になる。
高効率の石炭火力発電は、従来の旧式な石炭火力発電よりも、[CO2排出]の削減に貢献する、などの詭弁は通用しないのは当然だ。
例えば、排出される[CO2ガス]を分離して、近隣に「藻類の培養地」を新設して、水中に[CO2ガス]を溶かしこんで、藻の培養の原料にする。
これで、半分以上の[CO2]を空中に放出しない様にすれば良い。
この様に、無責任に[CO2ガス]を大気の放出するのを規制すれば、新規の技術に挑戦しないわけにないかなくなる。
それをやる資金も意気込もない「新規電力事業者」は、石炭火力発電の計画を取りやめるしかない。
どうしても、火力発電事業に新規参入したいのならば、「天然ガス火力発電」の新設計画を具体化すれば良い。発電コストは、十分に経営が成り立つ。(続)