庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

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森友学園問題は総理大臣の意向を忠実に忖度する官僚の誠実さ。

2017-03-27 | 国創り政治問題

最近の一ヶ月以上も、マスメディアのトップを騒がせている問題に、「森友学園問題」が挙げられる。

国会での証人喚問も実施されて、この先の結末もわからない状況だが、安倍政権の対応が不備であったことだけは確かである。

もっと重要な問題が山積しているというのに、高々、8億円の国費が無駄に値引きされたと論評する指揮者も多いが、音大の本質が金額ではない。

従来の政治家や官僚の不祥事は、民間の事業で特別の便宜を図ってもらい、その見方として、多額の賄賂や、地位を保証する天下りの斡旋などであった。

 

しかし、今回の森友学園の学校敷地を斡旋して、廃棄物の処理まで、ご丁寧に多額の処理費を支給するなど、賄賂の正反対の「官僚側のサービス」ぶりである。

政治家側が賄賂も受け取らず、官僚側の利権のメリットもないのに、なぜ、このような忖度が働いたのか、現在の官僚機構の性格をうかがわせる事例である。

「ロッキード事件」の象徴されるように、大きなお金が動く政府案件では、裏取引で他悪の政治献金や賄賂が飛び交うのは日常茶飯事であった。

しかし、金権政治批判が、世論の反発で「政治的には命取り」になるリスクを抱える現代では、そのような単純な裏取引は通用しないし、リスクは犯さない。

そのような政治情勢であり、官僚もガードが固くなって、民間事業者の便宜を図ることは、単純な利権や天下り斡旋には動くはずは無い。

 

今回の「森友学園問題」のベースには、安倍総理大臣の個人的な意向が、意図せざる官僚の忖度を誘導した「官僚機構の欠点が表面化した」と見るべきだろう。

安倍総理大臣は、常々、右翼的な国つくりの意向を、いつも表明していた。

その総理夫人が、支援する「右翼的教育者」が、小学校を建設しようとしてが、通常の手続きでは「官僚機構の非効率」で、全く前に進まない状況になる。

そこで、【安倍総理からの寄付金がわずかでも入っている】との情報を流せば、「官僚機構は天の声の予兆と判断」して、直接に指示が全くなくても動き出す。

こうして、支援を要請した籠池理事長もびっくりするくらいの速さで、認可適当が出されて、想定外の廃棄物処理費相当額が、税金から支給されたのである。

 

安倍総理夫人には、金銭的な意図がなくても、その後ろだてにいる総理大臣の意向を想定すれば、最大限の忠実さを発揮して、迅速に対応したのである。

まさに、日本の官僚たちは、総理の一声がなくても、その意図を組んで動きを早める誠実さが備わっていると、今回の問題では「日本中に証明した」のである。

これくらいに一国の総理の意図を、「忠実に忖度し、迅速に誠意を持って実行」する官僚制度を備えているのだから、首相の意向表明は非常に大切である。

しかし、経済対策も滞り、「一億層活躍社会」と掛け声をかけても、具体策にはならない現実は、いったい何が原因なのであろうか。

筆者の推測は、安倍総理は具体的な国作りの意向を、打ち出せないでいるから、官僚は首相の意図を忖度して、「今は何も動かない」ことが適切だと判断する。(続)


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