庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

安倍内閣のマトハズレの政策の悪影響は今年の後半には明白。

2013-05-06 | 経済問題
日本の製造業は、この20年の間に円高対策と称して「生産工場の海外移転」を積極的に進めてきた。
円高による輸出競争力の低下を補うには、新興国の人件費が低い地域に工場を設立して技術移転を図れば、従来の生産コストよりも大幅に抑えられる。
現在の日本に残っている製造事業分野は、円高の影響の受けない「国内向けの価値を持った独自商品」であるか、ここ10年くらいに間の「新開発された技術」による新製品、新産業の分野である。

日本政府は、産業の空洞化を図る「老朽産業分野の経営者」から、円高を抑えないと「工場の海外移転をせざるを得なくなる」と、ずっと言われ続けてきた。
製造業を支援するとして、安倍内閣は「超金融緩和政策」に転換し、円安誘導の姿勢を採り、20%近い円安に市場が動くコトに「当面は成功している」。
しかし円安の誘導が出来ても、製造業の収益への影響は、マイナス面の方が大きく、自動車や電機業界のプラスは1.4兆円程度で、それも短期に限られる。
その一方で、原材料の輸入品の値上がりで、食料品加工などや、化学・鉄鋼などはマイナスの3兆円に達する。

「大企業が利益を増やすから、従業員の給料は上がる筈だ。」と想定していた【アベノミクスの第一の矢】は、今のところ当てが外れていると言える。
企業利益が増えるのは、一部の企業と金融業界だけで、総合的にはマイナスになるのが見えている。
その上、利益が増えた企業もポーズ程度のボーナス加算で、政府に協力するフリだけをしているだけで、来年以降は全く見えない。
安倍内閣の副総理の麻生氏は、この【マトハズレの政策の繕い】に躍起となって、経団連の会長らに「国益のために賃金アップ」に協力するように求めた。

この先の【第二の矢の公共事業の大判振る舞い】においても、一部の土建業界が潤うだけで、他の業界や働く人たちには、【国の借金増大】の心理的な悪影響により、さらに賃下げの圧力は強まるばかりである。

さらに第3の矢と称する経済成長戦略の先駆けとして【TPP交渉参加】は、経済産業省の効果試算とは、全く見当違いに終わる可能性が大きい。
反面、農業分野などに及ぼす悪影響は、計り知れないマイナスで、与党の内部にも内紛の火種を増やし、対策を迫られる農林水産省では無策か、従来路線の惰性的な対策で繕うだけになる。
7月の参議院選後は確実に迷走の戦場になる。

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