庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

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再生可能エネルギー電力全量買取り制度の開始が経済活性化に。

2010-12-23 | 快適エネルギー社会問題
日本の再生可能エネルギー産業を育てる政策として、『再生可能エネルギー電力全量買取り制度』の検討が経済産業省の委員会で進んでいる。
この制度は、まだ揺籃期にある「再生可能エネルギー発電事業と技術」を将来において、化石燃料発電の事業に匹敵する水準に引き上げるための政策である。

例えば、風力発電は適地に建設すれば、発電電力の販売(送電線網を所有している電力会社の買い取ってもらう)によって、その建設資金と運営費を回収して、事業として成り立つ様に展開している。
しかし、日本は国土が狭い上に、送電線につなげる地域は限られているので、適地以外の場所に建設すれば、送電線までつなぐための追加の費用が余分にかかる。
その余分な経費を回収するためには、発電した電力を高めに買い取ってもらう必要がある。

今回、経済産業省の委員会から、「買取り価格と期間」の基本案が示されて、国民からの意見を聞いたうえで、来年の1月中にまとめ、国会に法案を提出する予定となっている。
この基本案では、太陽光発電以外は、買取り価格を20円/kWhとし、期間は15年間としている。
現在の買い取り価格は、10円/kWh近辺であるから、約2倍の買い取り価格とすることになる。
これによって今までは採算が合わないとして見送られてきた地域にも、風力発電が検討されるであろう。

このブログでも書いてきたが、風力発電を海上に建設すれば、騒音被害もなく建設適地は増えるし、日本周辺の海上風力に恵まれた地域を開拓することで、関連産業の活性化と、建設地域の経済振興にも貢献する。

風力発電だけでなく、地熱発電(日本は適地が多いが建設費が高くつく)も、今までは、採算が無理とされてきた地域でも、建設が可能になるであろう。

同じ様に、日本での海流、潮力による発電技術も、これからの技術進化によって、採算の取れる技術と地域の選定が進むようになる。
海洋国である地の利を生かした潮力発電は、日本においてこそ、世界の最先端の技術レベルを実現出来る、大きな可能性を秘めた産業分野である。

そして、このブログで何度も書いてきた「バイオマスエネルギー発電」においても、この制度が大きな促進力になる筈である。

この制度による国民の負担をどうなるか、気になるところであるが、経産省の試算によると、標準的な家庭における電気代が「月に175円、上乗せ」される。
この程度の負担ならば、省エネ家電を使えば、すぐに節約可能な範囲である。
広く国民から集めた資金が、「再生可能エネルギー産業」=【次世代のグリーン産業の本命】を、一気に経済活動の中枢に押し上げる事が期待できる。
今まで、どうして実施しなかったのか?

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