もっとも成長性の高い新産業の「再生可能エネルギー」に対して、安倍政権の取組は口先だけの姿勢に終始して、ブレーキをかけている。
9月29日の所信表明演説では、次の様な言葉だけで取り繕っているのだ。
「安全性が確認された原発は再稼働を進めます。・・・[徹底した]省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限の導入により、出来る限り原発依存度を低減させていきます。」
安倍政権が発足後の2013年2月末に行った「姿勢方針演説」の中身から、この部分の変化は、上記の[徹底した]という言葉が入っただけの違いである。
1年半経過しても、方針がコロコロ変わらないとことは、ほめて良いのかといえば、成長戦略の要とするには、あまりにも認識がお粗末である。
再生可能エネルギーの電力の普及は、2011年の民主党政権時に国会で成立した(全会一致)時期から、国民の意識も民間企業の取組も大きく前進した。
ところが、「九州電力の再生可能電力接続中止」の動きが、始まってしまった。
一番手の九州電力に続いて、すぐに四国電力、北海道電力、東北電力は、【再生可能エネルギー発電設備の連系申込に対して、接続回答を10月1日より、数ヶ月保留にする】とそれぞれ発表した。
つまり電力会社の送電線網の増強が放置されていたので、新たな「再生可能電力は送電線に流せないので、「進入禁止」の看板を出してしまったのである。
安倍政権は、再生可能電力を最大限に導入と口約束しておきながら、原発維持の姿勢でブレーキをかけた上に、ついに急停止の事態に追い込んだのである。
施政方針演説の[徹底した]という言葉は、原発依存の姿勢にこだわることか。
欧州各国での「再生可能電力」の普及拡大においては、送電線網への接続をさせない事態は、一切、起こり得ない不詳事である。
政府と電力会社の責任で、状況に即した『送電線網の拡充は徹底』してきのだ。
近年の世界での再生可能電力の普及は、年率30%以上で増加拡大している。
裾野の関連産業は大きな恩恵を受けて、雇用の創出、経済成長に大きく貢献しているが、それには、政府や電力会社の施策がフォロ―しているからだ。
ところが、自民党政権は原発依存に頼りすぎた上に、送電線網の容量拡充には、一切の責任を負わずに、電力会社の経営判断任せにしてきた。
これが災いして、電力会社間の電力の融通も出来ない状況で、上記の電力は、都市圏に送電も出来ないので、進入禁止にする大愚策に追い込まれた。(続)