安倍政権の最優先政策は『デフレ脱却』によって、産業の活性化を図って経済成長と進めることにある。
資本主義社会をとる国では、確かにデフレ経済は産業を委縮させるばかりでなく、社会的弱者にしわ寄せがいって、底辺での生活を強いられる人が増加する。
日本は20年近くに渡って「デフレ経済を克服することが出来なかった」。
この重要問題を従来の様な経済対策や、規制緩和による構造改革などで、こう着状態を乗り越えようとしたが、果たせなかった。
デフレ経済では、恒常的に物価の下落や停滞が起きる。
需要が飽和した先進国経済では、物価の下落は経済活動の縮小を引き起こすので、とにかく物価上昇を金融政策で引き起こすことが、提言されてきた。
その目的のために「超金融緩和」によって、市場に潤沢なお金が供給されれば、物価上昇への圧力が高まって、インフレ傾向に市場がなる筈である。
しかし、実際に起きた現象は、「超金融緩和」の動きを、金融資産の値上がり、バブルの好機と見た、外国資本の流入が起きて「円安誘導」がおきた。
これにより、輸出企業が有利な状況で、輸出促進が起きることになった。
しかし、日本はすでに貿易立国の構造ではなく、多くの生産拠点は海外に移転している。
輸出は増えても、輸入品の値上がりの影響の方が大きく、貿易収支は大幅な赤字の転落してしまった。
海外に進出した企業の利益や、海外への投資・債権の利益を還元する「所得収支」が、日本の収入の大きな割合担っているのである。
それで、金融関係企業や大手企業は利益が最大に回復したのも事実である。
安倍政権は、この事態と自分たちの政策の効果だと、満足げに披露している。
デフレ経済の停滞した気分を塗り替えたかもしれないが、本当の国民生活への恩恵はほとんどない。
「国内総生産」[GDP]の数値は、20世紀の時代には、国民生活の豊かさにつながった。
しかし、グローバル化して先進国経済では、一部の超富裕層、大企業資本が裕福になるだけで、そのお金は国内に還元されずに、海外での投資資金に向かう。
日本の1月~3月の[GDP]は前期比で2%成長し、年率換算で5.9%だと発表されたが、国民の9割は[GDP]成長とは関係なく、貧困化している。