庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本の航空事業関係者の意識は、20世紀の立ち遅れのまま。

2009-10-14 | 交通問題・自動車
国土交通大臣が羽田空港の24時間化に伴い、国際ハブ空港として育成する方針を打ち出した。
早速、各方面からは反対や懸念を表明して、足を引っ張る動きがあわただしく動き出している。
国際航空路は、大空港を起点としたハブ化(乗り換え中継空港機能)を主軸として、とっくの昔に動きだし、今では、日本の成田をはじめ、関西空港は取り残される事態になっている。
羽田空港の拡張の遅れにより、世界の流れからはおいてけぼりを食っているは明らかである。

それを、遅まきながらも国際空港としての規模と機能を備えていくように羽田空港を整備してでも、追いつく必要性は、だれしも依存はない筈であるが、今までの国の体制では出来なかった。
成田空港を造った時代の遺物が足を引っ張り、その難問を避けて無理やり造った関西空港は、利便性が悪くて着陸料も高く、利用者や利用航空会社にとって、少しも良くない空港となっている。
交通システムの基本である、利用者サービスの最良レベルを目指して、絶えず進化を続けなければ、競争システムの中では脱落する運命は明らかであるのに、国土交通省の官僚は、解っていない。

官僚だけでなく、地方自治体の首長や関係者もそのことが分かっていない人種に含まれる。
成田空港は、当初の約束では首都圏の国際空港の専門であると規定されたが、利用者へのサービス向上は世界の変化からは大きく遅れてしまった。
都市からは遠くて移動時間がかかり、その時間もバスや自動車では不安定で、あてにならないので、かなりの余裕時間を取らねばならない。
その上、移動の長さは時間と費用を余分に消費する。
まさに利用者にとっては無駄な時間とお金を使わされる空港で、利用者満足度は低い。

関西空港にしても移動距離が多すぎるし、費用も大幅にかかるので、むしろ今までの伊丹空港を利用する人の方が多い。
結局、お役所が、こちらの空港を使え!といっても、不便で高ければ使う人は少ないのは当たり前である。
大阪府の橋本知事は、空港までのアクセスを改善する方策として、リニアー型の新幹線鉄道を引きたいと言い出している。
しかし、この路線の利用者数や利便性の向上の目標などは一切、検討もしていないで、ただ、願望を言っているに過ぎない。
いわゆる、お国頼みのおねだりの段階にとどまっている。

リニアー型新幹線は投資額は高く、その割には、到達時間の短縮はわずかである。
運行に消費する電力は多大で、運賃はかなり高額になるので、利用者数は少ないと見ざるを得ない。
その上、停車場所は限られるので、ほとんどの人には利用しにくい交通機関となる。
少しでも利用者の立場に立って、本当に便利で利用しやすい空港にして行く手段を検討していかなければ、莫大なお金をつぎ込んでも無駄に終わるのは明らかである。

成田空港は、開港以来、滑走路の拡張整備が大幅に遅れて国内便と国際便の乗り入れが制限されていたので、ハブ空港にはなり得ないし、今後も拡張できる見込みは薄い。
空港へのアクセスとして不可欠の、高速鉄道はやっと開業にこぎつけるくらいに遅れてしまい、自治体や役所の都合で利用者の利便性を損なうと、国際競争には後れをとる代表例が、空港行政である。

国土交通省と地域自治体の航空関係者は、頭を早急に切り替えて、利用者と航空会社の要求を素直に実現しなければ、税金をいくら投じても、無駄に終わることを覚悟すべきであろう。

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