Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

デ・ヤング美術館とミノル・ヤマザキの五重塔

2006-04-24 14:01:11 | Weblog
今日はSF在住のアーティスト、ルイさんと一緒にゴールデン・ゲート・パークにあるデ・ヤング美術館に行ってきた。改装されてから良くなったら行ってきたら、とコータさんに進められて行ってきたのだが、規模の大きさとそのクオリティに驚かされた。

ヘルツォーク&ド・ムーロンによるカッパーを全体に張り巡らした、まるで空港のような建物も印象的だが、それよりもコレクションが素晴らしい。今や新装した現代美術ミュージアムの定番ともなってしまったタレルのインスタレーションが、何といっても素晴らしかった。タレルは、庭の傾斜を切り取り半地下の空間を作り、そこにコンクリート打ちっぱなしの円筒形のインスタレーションを設置したのだ。その円筒形の空間の上部は円形に切り取られており、そこからは空が見えるのだが、その空を見るための空間のカッティングが実に絶妙に出来ている。円筒形の建物は反響音が全て中心に集約するように設計されており、円筒形の空間の中心に置かれた青い円形の石の上に立ち、しゃべると、自らの声が、その石の上でのみ集約されて聞こえる、という不思議な構造になっている。この細工は実に巧妙で、何度やっても感心してしまう。あっぱれ、タレル!

他にも、リチャード・タトルやジャン・ホァンの様な現代美術、ジョン・シンガー・サージェントの様なアメリカ近代美術からオセアニア、アフリカの美術まで、幅広い展示が見ものだった。かなり大規模なミュージアムなのだが、今日は頑張ってなんと全室制覇!久しぶりに美術品を、仕事とは全く無関係で、心行くまで楽しめた。

デ・ヤング・ミュージアムはセントラルパークそっくりのゴールデン・ゲート・パークの中心にあるという事もあり、カリフォルニアのメトロポリタン・ミュージアムになろうとしている、という印象を受けた。その後、公園を歩いてきたのだが、熱帯性の植物が大変美しく、気持ちよかった。鴨の親子が私達の目の前でくつろいていて、私達が近寄っても逃げないのが何とものんびりしていて、カリフォルニアっぽかった。

その後、ジャパン・センターの近くの韓国レストランで食事後、ミノル・ヤマザキの五重塔を見てきた。正直どうでも良い建物なのだが、ミノル・ヤマザキ、すなわちワールド・トレード・センターの設計者の建物と思うと、無視できない。6年ぶりに見る建物からは、ちょっと違う印象を受けた。特にミノル・ヤマザキの孫のタケイ・ヤマザキとアリゾナのアーコサンティで1ヶ月寝食を共にした後に見る建物は、他人事とも思えず、なんとも味わい深かった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。