Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

プレートテクトニクス・パンサラッサ・天皇海山群

2009-09-20 21:10:09 | Weblog
最近、仕事が忙しかったり、病気になったりと大変で、ブログの更新が滞ってしまった。もう少し経てば、いろいろ具体的な報告ができると思うので、しばらくお待ちを。

最近、プレートテクトニクスとプルームテクトニクスについて勉強をしていたら、いくつか面白い名前があったので書きとめておきたい。

まず、パンサラッサという名前。パンサラッサ、と言えば、音楽好きの方ならビル・ラズウェルがカバーしたマイルス・デイビスのリミックス音楽だと気づくのではないだろうか。このパンサラッサという名前、Panthalassa=古典ギリシア語で「全ての海」という意味であり、パンゲアを取り囲んでいた唯一の大洋のことだと言う。プレートテクトニクスでは、パンゲアが分裂して大西洋と北極海ができた結果、パンサラッサはインド洋と太平洋になったとされている。マイルスのリミックスにパンサラッサという名前を付けたラズウェル、憎いねぇ。なんの気はなしに聞いていた音楽も、与えられた意味が分かると理解が深まった様で、嬉しい。

また、ハワイのすぐ近くにある海山に「天皇海山群(Hawaiian-Emperor seamount chain)」という名前が付いる、ということを初めて知った。これらの海山は、個々に

* 桓武海山(約4,000万年前)
* 雄略海山(約4,300万年前)
* 光孝海山(約4,800万年前)
* 応神海山(約5,500万年前)
* 仁徳海山(約5,600万年前)
* 推古海山(約6,500万年前)
* デトロイト海山(約8,100万年前)
* 明治海山(約8,500万年前)

と名づけられており、何故ハワイの山に天皇の名前が付いているのだろうか?と不思議に思い、Webで調べてみた所、ある程度のことだけ分かった。

天皇海山群という名前は、1954年にアメリカ合衆国の海洋学者ロバート・シンクレア・ディーツによって付けられたという。この名前は、彼が1953年からフルブライト研究者として東京大学に留学し、海上保安庁水路部において研究を行った際に付けられたそうだ。54年と言えば日本がGHQ支配から抜け出してまだ2年目、火山に天皇の名前を付けたアメリカ人学者は、一体どの様な気持ちで、その名前を付けたのだろうか?

私の予想はこうだ。アメリカ大陸から日本列島へと渡って来たアメリカ人学者は、火山活動という自然活動に、神道的な要素を見出してしまったのだろうか。それにしても、海山に天皇の名前を付けた際、同僚だった東大の研究者は一体どんな気分だったのか、と思うのだが、日本においてプレートテクトニクス論の受容そのものが遅れてしまった背景に、学会の派閥闘争があったと言われているが、もしかしたらその一端が、こういった名称に表れているのかもしれない、と思った。

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1 コメント

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Unknown (グリム伊藤公雄)
2010-04-25 12:40:34
「天皇」つながりということで、天皇制に関して思ってることを書かせていただきます。

天皇制は廃止すべきだと思います。なぜなら天皇は皇居、皇族は元赤坂に住むことが定められており、職業選択の自由、居住および転居の自由、選挙権などの人権がなく、天皇制は非人道的な制度です。

愛子さまいじめられてますね。チャールズ皇太子も学校でいじめられていて、理由は王様になる人だからというので、はっきり言ってかわいそうです。

去年12月のの中国の習近平国家副主席との会見のように、天皇が政治的に利用されることがあっても、自由に政治参加や政治的発言をすることは許されていません。この会見は天皇の政治利用だと批判が沸き起こっていますが、これが天皇制を廃止すべきだという議論につながればいいなと私は思います。
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