Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

本当の55年体制の終焉と、新しい日本の夜明け

2010-09-07 16:24:19 | Weblog
9月14日の民主党代表選挙の期日が迫るにつれて、小沢一郎に対する大手メディアの批判がすさまじい。今までもずっとそうだったが、今回の小沢批判は、新聞社やテレビ局が総力を挙げて小沢潰しにかかっているとしか思えない。

多くの方が指摘している通り、インターネットメディアと大手新聞社の世論調査の間には、どう考えても異常な開きがある。

小沢批判の急先鋒である読売新聞社が9月3~5日に実施した電話による全国世論調査では、民主党代表選にて次の代表に菅首相がふさわしいと思う人は66%、小沢一郎前幹事長は18%だと言う。さらに、争点となっている昨年衆院選の政権公約(マニフェスト)の取り扱いに関しては、状況に応じた修正を主張する菅氏への支持は71%で、マニフェスト通りの政策実現を目指す小沢氏支持は17%に留まっている。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100905-OYT1T00635.htm

しかし、同じく読売新聞社が行っているインターネット上での世論調査においては、どういう訳か、管氏と小沢氏の立場が逆転するどころか、小沢氏が管氏以上の得票率を実現している。

【設問】民主代表選の討論会などで、09年衆院選政権公約(マニフェスト)について、菅直人氏は修正もあり得るとする立場を取っています。小沢一郎氏は政権公約の実行に「全力を挙げる」としています。どちらの政策を支持しますか?
【投票結果】菅氏:13%  小沢氏:87%
http://sum.qooker.jp/O/election16/ja/sp1.html

おそらく、読売新聞社の世論調査は、新聞テレビで「小沢悪玉論」を繰り広げていることに賛同する読者、視聴者に向けて電話アンケートを行い、都合の良い報道だけ行っているのだろう。そう考えないと、この世論調査の結果は説明不可能であり、これは明らかに世論誘導であると言えよう。

今まさに、戦後の55年体制の残滓が一掃されようとしている。それは、戦後アメリカ支配のゆるやかな終焉であり、さらに戦後日本の世論の誘導を行ってきた記者クラブの終焉でもある。

1955年に社会党が再統一し大政党となると、自民党と民主党はアメリカ政府の反共政策を進めるCIAの助力の下合併し、自由民主党が成立した。初代幹事長に就任にした元A級戦犯容疑者である岸信介が首相に就任すると、60年安保を強行採決し、その後、「戦後」と呼ばれるStatus Quoが続いている。今回の小沢批判の筆頭である読売新聞と日本テレビのオーナーであった正力松太郎は、A級戦犯指定されていたが不起訴となり、巣鴨プリズンを出獄する際、CIAの意向に従って行動することに同意したことを、有馬哲夫早稲田大学教授がアメリカ国立第二公文書館によって公開された外交機密文書から明らかにしている。

戦後の日本が、GHQとCIAによる支配構造の下、買収された日本人エージェントによって日本国民の独立や資産、さらには生命さえも米国に売り渡されてしまったという歴史を、それに関わった自民党、加担したメディア、そして一般の日本人さえも認めたくないのは分かる。しかし、冷戦構造が終結後、アメリカからの年次要求に応えてきた自民党が解体し、日米安全保障条約だけが残った今、日本は未曽有の危機と同時に、チャンスを手にしているのだ。

管内閣が11月のオバマ大統領訪日に合わせて準備を進めている「日米共同宣言」では、「対中脅威認識の共有」が盛り込まれる予定だが、これはもう日本にとって足かせになりつつある。日本にとっての念願であった中国との国交回復を行った田中角栄が、ロッキード事件でアメリカ共和党に失脚させられたことを間近で見ていた小沢一郎は、対アメリカとの軍事同盟を軟着陸させるべく、政治的な対応を取ることになるだろう。第七艦隊発言はその一旦であるし、それを恐れるアメリカ側が、官房機密費のマスコミ汚染問題で解散の危機へと追い込まれている記者クラブと結託し、読売新聞を筆頭に最後の攻勢を行っているとしか思えない。

私は、小沢一郎が必ずしもクリーンな政治家だとは思わない。しかし、今、日本という国家そのものが存亡の危機に瀕している時に、小沢一郎以上の政治家がいるのだろうか?

今の日本国民には、熱い気持ちと、冷静な判断が求められている。ベルリンの壁を打ち破った人々は一般市民であったことを、思い出そう。新聞購読者は、これらの大手メディアの新聞購読を即刻辞めよう。そして、大手メディアに就職した皆は、ジャーナリストとしての気概を持って、現場で内乱を起こそう。

そう、これからやって来る、55年体制の終焉と新しい日本の夜明けのために。

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