穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

村上春樹訳チャンドラーの「高い窓」

2014-12-11 21:21:39 | チャンドラー

本屋で濃紺の地に白抜きで「高い窓」が平積みになっている。高い窓、なんか聞いたこと有るな、ひょっとしたらと思って作者と訳者(海外作品のコーナーにあったので)の名を探した。これがなかなか目に飛び込まないような地味な作りなんだな。やはりチャンドラーの作品で訳者は村上春樹。今月発行だ。とうとう訳したんだな、と思って買って来た。

まず訳者の後書きを読む。これまで村上春樹はチャンドラーを四冊訳しているがまず後書きをいつも読む。これが楽しみだ。普通の後書きとは違う。

それによるとチャンドラーの長編翻訳の5冊目だそうだ。実は先日蔵書の整理をしてチャンドラーの村上訳は処分するつもりだったのだが、思い直してとっておいた。書棚をみると、これで訳していないのは「湖中の女」と「プレイバック」になる。

後書きには全部7冊訳すつもりという。順番としても妥当だろう。「湖中の女」は色々な意味でもっともチャンドラーらしくない作品だし、「プレイバック」は晩年の最後の作品で出来にむらがある。それに当時勢威をふるっていたミッキー・スピレーンのマイク・ハマーばりのセックス描写が異様に彼の作品としては多い。

このブログでもっとも沢山記事を書いた著者はおそらくチャンドラーだろうが、そのなかで何作目だったか村上春樹が今後訳するとすればどういう順番が予想を書いたが「高い窓」は有力候補だった。

本文はこれから読む。

 


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