36歳のヘミングウェイはなかなか好調のようだ。短編集2で「マカンバー」と「キリマンジャロ」はいい。マカンバー第一位、二位キリマンジャロというところだ。
ヘミングウェイは自伝的作家のようだ。私小説作家という意味ではない。多くの作品は彼のどの時期の経験の反映か、というのが容易にたどれる場合が多い。
私小説の様に、ルポ風に心理を深刻めかして深堀りするわけではない。うまく料理はしてある。
36歳にしては早すぎるが、キリマンジャロは彼の白鳥の歌のような趣が有る。「日はまた昇る」の始めの方に「ぼく」と友人のユダヤ青年ロバートとの会話で、ロバート(26歳くらいか、)が「知ってるかい、あと35年もすれば、ぼくらは死んでしまうってこと」という。
当時の平均寿命はそのくらいだったのかな。しかし20年とか2、30年と丸めて言わないで、35年と刻むのは妙で引っかかる。
26歳足す35年は61歳だ。実際ヘミングウェイは61歳で猟銃自殺している。自分の(どうもヘミングウェイの)終末を25歳で設定するのは尋常ではない。
「キリマンジャロの雪」は金持ちの妻をもらって、贅沢三昧に暮らしているうちに才能が鈍麻して行く作家の自覚を書いている。実際アフリカにサファリに行った頃の妻の叔父はべらぼうな金持ちでヘミングウェイのサファリ費用、ヨット購入資金、キューバの屋敷の購入資金などを援助している。
アフリカへサファリにいって怪我が元で壊疽にかかり、物理的な死を迎えることとパラレルに書かれている。物理的ではなくて、自分の作家としての生命の終わりを予感した白鳥の歌ととれる。
さて、次は短編集3を読むか、「日はまた昇る」を読むか。
ヘミングウェイは自伝的作家のようだ。私小説作家という意味ではない。多くの作品は彼のどの時期の経験の反映か、というのが容易にたどれる場合が多い。
私小説の様に、ルポ風に心理を深刻めかして深堀りするわけではない。うまく料理はしてある。
36歳にしては早すぎるが、キリマンジャロは彼の白鳥の歌のような趣が有る。「日はまた昇る」の始めの方に「ぼく」と友人のユダヤ青年ロバートとの会話で、ロバート(26歳くらいか、)が「知ってるかい、あと35年もすれば、ぼくらは死んでしまうってこと」という。
当時の平均寿命はそのくらいだったのかな。しかし20年とか2、30年と丸めて言わないで、35年と刻むのは妙で引っかかる。
26歳足す35年は61歳だ。実際ヘミングウェイは61歳で猟銃自殺している。自分の(どうもヘミングウェイの)終末を25歳で設定するのは尋常ではない。
「キリマンジャロの雪」は金持ちの妻をもらって、贅沢三昧に暮らしているうちに才能が鈍麻して行く作家の自覚を書いている。実際アフリカにサファリに行った頃の妻の叔父はべらぼうな金持ちでヘミングウェイのサファリ費用、ヨット購入資金、キューバの屋敷の購入資金などを援助している。
アフリカへサファリにいって怪我が元で壊疽にかかり、物理的な死を迎えることとパラレルに書かれている。物理的ではなくて、自分の作家としての生命の終わりを予感した白鳥の歌ととれる。
さて、次は短編集3を読むか、「日はまた昇る」を読むか。