穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

ヘミングウェイ「日はまた昇る」

2014-08-15 20:35:46 | 書評
読みました。軽快だな。文体でハードボイルドの新鮮味は感じなかった。もっとも現代はみんなHB調なので目立たないのかも知れない。

もっとも、しきりに卵を食べる、それも固ゆでを食べる場面が出てくる。一流のホテルで卵料理とか茹卵ばかり食べているようだが、食通ではないな。第一場違いな感じがする。ハードボイルドの評価はこのあたりからきているのかな。

料理について言うと、いい料理というのは豚の照り焼きしか出てこない、たしか。この辺も野暮ったい印象である。

そのかわり、ワインとかカクテルのことになるとなかなか饒舌になる。また、登場人物が浴びる様に酒のはしごをするわりにはピンピン動き回る。この辺はミステリーのハードボイル小説の探偵の超人ぶり(不自然さ)と同じだ。