有川浩著『図書館内乱』アスキー・メディアワークス発行 2006.9.30 初版
オススメ度:★★★☆☆
図書館シリーズの第二作である。
本編の最初の部分は主人公、笠原郁の両親が郁の職場を訪れることを巡るドタバタから始まる。
これだけハネっかえりの気の強い郁であるが、どうも両親には頭が上がらないようだ。
ただでさえ危険の伴う図書館業務と思われているところへ、業務部ではなく防衛部、それも実戦も伴うタスクフォースに配属されたなどと口が裂けても言えない郁であった。
そんな郁の窮状を救うべく郁の仲間や上司たちが協力してなんとか窮地を切り抜けられたかに思われたのだが、郁の父親の目はどうもごまかせなかったようだ。
このあたりのやり取りはとても楽しい。
さて、組織というものはどんな組織であれ常に一枚岩であるわけではない。
郁が勤める武蔵野第一図書館においてもいわゆる“原則派”と“行政派”に分かれる。
郁が属する図書館防衛部隊はもちろん“原則派”であり、図書館の完全独立を支持するのだが、一方の“行政派”は図書館の独立性を制限し、行政コントロールの下に置くべきと考える。
新しい図書館長を迎えたことを契機にこの両派がするどく対立することとなり、郁は思わぬ経緯からこの抗争に巻き込まれ査問委員会の査問を受けることになってしまう。
この事件に関与したと思われる同僚である手塚の兄から受けた啓示が、郁を直撃する。あの王子様が・・・・・!
有川浩さんが展開する恋愛模様に関して一言。登場する男女間のセリフ、特に女子のセリフはさすが同性が繰り出すものであって、到底男どもが創出できるものではない。
また、その掛け合いの妙はオジサンをもキュンとさせる事、度々である。
が、しかし、本編で益々その度合いが増してきたセリフごとの心理描写が鼻をつく。
確かに読者の対象年齢層を考慮すればいたしかたないのかも知れないが、セリフとセリフの行間からその真意を読み取れ、と期待しても無理なせいなのかしらん。ま、このあたりが“ライトノベル”と言われる所以か・・・・・
とまれ王子様の正体を知ってしまった郁の今後の対応は如何!?むふふ、この点だけが楽しみじゃ。
オススメ度:★★★☆☆
図書館シリーズの第二作である。
本編の最初の部分は主人公、笠原郁の両親が郁の職場を訪れることを巡るドタバタから始まる。
これだけハネっかえりの気の強い郁であるが、どうも両親には頭が上がらないようだ。
ただでさえ危険の伴う図書館業務と思われているところへ、業務部ではなく防衛部、それも実戦も伴うタスクフォースに配属されたなどと口が裂けても言えない郁であった。
そんな郁の窮状を救うべく郁の仲間や上司たちが協力してなんとか窮地を切り抜けられたかに思われたのだが、郁の父親の目はどうもごまかせなかったようだ。
このあたりのやり取りはとても楽しい。
さて、組織というものはどんな組織であれ常に一枚岩であるわけではない。
郁が勤める武蔵野第一図書館においてもいわゆる“原則派”と“行政派”に分かれる。
郁が属する図書館防衛部隊はもちろん“原則派”であり、図書館の完全独立を支持するのだが、一方の“行政派”は図書館の独立性を制限し、行政コントロールの下に置くべきと考える。
新しい図書館長を迎えたことを契機にこの両派がするどく対立することとなり、郁は思わぬ経緯からこの抗争に巻き込まれ査問委員会の査問を受けることになってしまう。
この事件に関与したと思われる同僚である手塚の兄から受けた啓示が、郁を直撃する。あの王子様が・・・・・!
有川浩さんが展開する恋愛模様に関して一言。登場する男女間のセリフ、特に女子のセリフはさすが同性が繰り出すものであって、到底男どもが創出できるものではない。
また、その掛け合いの妙はオジサンをもキュンとさせる事、度々である。
が、しかし、本編で益々その度合いが増してきたセリフごとの心理描写が鼻をつく。
確かに読者の対象年齢層を考慮すればいたしかたないのかも知れないが、セリフとセリフの行間からその真意を読み取れ、と期待しても無理なせいなのかしらん。ま、このあたりが“ライトノベル”と言われる所以か・・・・・
とまれ王子様の正体を知ってしまった郁の今後の対応は如何!?むふふ、この点だけが楽しみじゃ。
というような感想が出てきやすいから、有川浩さんの図書館シリーズで「ラヴ・コメ」ばかりを強調してもてはやすことには、ぼくはずっと反対でした。
本書の本質は「ラヴ・コメ」にあらず、と思っているのです。
が、あのセリフのやりとりにつきまとう?心理描写がウザイだけです。